トップページ>コミック感想
ぼくらの ★★★★★ 鬼頭莫宏 全11巻 月刊IKKI連載
『操縦すると絶対に死ぬロボットに乗って地球を守る』こんな設定を思いついた時点でもう勝ったようなもん。
この漫画の更に凄い所は、それをメインではなく下敷きにしか使っていない所。そのロボットに乗る少年少女たちの心情、突きつけられた死に対してどう振舞うかという部分にスポットを当ててるんですね。なのでガチのロボットバトルを期待している人には不向き。あと後半のパイロットになると、話を掘り下げすぎて展開が遅くなってしまっているのはマイナス。
しかし、何気ない1コマすら見逃せないくらい緻密な伏線を張ってくる脚本の巧みさは素晴らしいとしか言いようがないですね。最初にほとんど全部作り込んで決めたのかな? また、作者の軍事知識のこだわりが随所に感じられる設定も見所。
線の細い絵は好き嫌い分かれると思いますが、視覚的な拘りにはセンスを感じずにはいられません。搭乗者の象徴を椅子で表現したり、段々とパイロットが減っていくコックピットの空虚感(椅子だけは残っているのが拍車をかける)だとか。
これは個人的に超プッシュする作品です。精神的にガリガリと追い込みをかけてくるシーンが多く、ある程度鬱耐性がないときついかも知れませんが、それを乗り越えて是非是非。ジョジョに出てくる「覚悟した者は幸福であるッ!」「納得は全てに優先するぜッ!」という台詞に共感できるならよりお勧め。
ついでにアニメ版の主題歌が全て収録された石川智晶のアルバム『僕はまだ何も知らない』も超プッシュ。原作とのハマり具合も、曲そのもののクオリティも最高級。
アニメそのものについて? 忘れい!そのことを忘れねばうぬらをこの場で叩き殺す!(2012.5.26)
なるたる 全12巻 完結コミックセット(アフタヌーンKC )
伝説の問題作。
ザ・ムーン (1) (小学館文庫)
この作品から多大な影響を受けているそうです。