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D-LIVE!! ★★★★★ 皆川亮二 全15巻 週刊少年サンデー連載

 一言で言うと『動力源の付いているあらゆる乗り物を乗りこなす能力を持つ主人公が、様々な任務を遂行していく』作品。
 こういう作品はアクションシーンをいかに迫力満点に描けるか・どれだけ常識外れな描写に説得力を持たせられるかが評価を分ける分岐点ですが、これは両方とも文句なしにクリアしています。
 画力についてはスプリガンやARMSで散々緻密かつダイナミックな絵を描いている皆川先生ですから、今更得に言及する必要もないでしょう。後者についても『取材協力』が度々扉絵に入っていたり、欄外では専門用語がかなり細かく入ってることから、かなり綿密にリアリティを構築しているものと思われます。自分はメカニック系や乗り物にはとんと詳しくないので、ちょっとコアな部分までは分からないんですが。
 大雪の東京をスノーモービルで疾走したり、零戦でアメリカ製戦闘機とドッグファイトを繰り広げたりとシチュエーションも凝ってるし、乗り物の種類も一般的なもの以外に砕氷船だの、当時開発中の線路と道路の両用車だの『あらゆる乗り物』の名に偽り無しなバリエーションの豊富さ。
 それ以外での部分では、いまいちリアリティに欠けますが。通信などでペラペラ犯行内容とかを喋ってたり、妙に説明口調だったり、主人公に体調管理の基本である食事などを満足に取らせないとか、あと素性バレを防ぎたいなら偽名を使うべきではとか。まあこの辺は皆川描写の様式美、って感じでご愛嬌か。主人公は苗字で呼ばれることが多い・父親が最強レベルのキャラ・女性キャラは大抵気が強い、という部分もしっかり継承。
 アクションシーンのカッコ良さだけを味わうべき作品ですね。それだけでもお釣りがくるくらい面白いです。これ読んだ後はきっと、自分が普段乗ってるスクーターや車に命を吹き込みたくなるでしょうね(2012.6.18)






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