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デトロイト・メタル・シティ ★★★★ 若杉公徳 全10巻 ヤングアニマル連載

 デスメタルに限らず、日本においてメタルという音楽はどうしてもイロモノに分類されがちですが、それを思いっきり誇張してギャグにした作品。メタルだけでなく、他のジャンルも同じくパブリックイメージの誇張でネタにされてますが。作者が好きだという渋谷系も、ちょっと自虐みたいなものが入ってるというか。音楽以外では結構広範囲なサブカルやロハスも対象。
 生粋のメタラーの中には、この漫画のことを快く思わない方々もいらっしゃるとのこと。自分もメタル系をかじった身ではありますが、その上で思ったことは「面白いからもっとやれ!」。面白けりゃいいんですよ! KISSや聖飢魔Uなどのような非デスメタルバンドからの影響ばかりで、あんまりデスメタらしくなくね?と思わないこともないですが。バンドと観客が一体となって盛り上げて行く姿は、むしろプロレスですね。作者が愛するキン肉マンに近い。
 笑わせ方は基本的に、勢い任せのパロディとエロ汚い下ネタ。メタルっつーかハードコアっつーか。そして主人公の資質と指向のギャップ。萌えメタルっつーか。
 絵は下手なのに、要所で圧倒的な殺気を乗せた決め絵を見せてくれるから困る。あとセリフ回し以上に、効果音にセンスを感じました。流石音楽物。一応。
 ダラダラ続けず、割と短期で終わらせたのも好判断。こういうネタは期間限定みたいなもんで、飽きられたら最後ですからね。
 とりあえず実在バンドの中では、サタニックエンペラーの観客や、社長にさえもディスられなかったラルクが最強ってことですか?(2012.5.28)


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 映画はデスメタルっていうかラウドロック?

地獄の軍団
 ジャケは多分この辺から持ってきたんでしょうね。






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