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みどりのマキバオー ★★★★ つの丸 全16巻 週刊少年ジャンプ連載

 絵柄で誤解されがちですが、競馬物として意外とリアルなんですよね。マキバオーの生涯戦績とか見ると、実在の馬っぽいし。ブリッツとかエルサレム辺りは無視して下さい。
 距離適正やローテーションの問題だとかもちゃんと描いてるし、リアルと非リアル、ギャグの折り合いが正に息の合った馬と騎手のよう。ニエル賞や凱旋門賞なんて、レース自体は真面目なのに実況がデタラメフランス語という。観客はいつも基本的にゲーハーモブスターズっていう。
 内容がギャグから本格的な競馬にシフトチェンジしていくのに呼応して、描き方も上手くなっているんですね。構図の取り方だったり、馬体の力強さだったり。マキバオーのサイジングについては見逃してあげて下さい。
 また『人間と他の動物が会話できる』という要素を上手く使ってアドバンテージにしているのもポイント。例えばレース中の掛け合いがグッと熱くなるし、チュウ兵衛なんてキャラも活きてくる訳ですよ。
 ギャグパートも笑えます。第一話でマキバオーが生まれた直後、「すいません、間違えました…」と出てきた穴に再び入ろうとする時点で大爆笑。シリアス路線になってもちゃんと入れてくる所がいいね。
 クラシック戦線〜一部クライマックスの有馬記念までは熱すぎるし、涙もだだ漏れするくらいのぶつかり合いとドラマチックな展開ばかりなんですが、第二部のW杯編はやっぱり蛇足。W杯という発想自体は悪くないと思うんですが、レース内容やベアナックルの無茶苦茶ぶりが。つの丸先生もモチベーションを維持できなかったのかな?
 読むのは国内編終了の12巻まででおk……と言いたいところですが、最終話が物凄く良いので、やはり全巻読んだ方がいいですね。
 スポ根の系譜でありながら、サラブレッドの血脈や世代交代の無常さも押さえている快作(2012.5.25)


あしたのジョー 全12巻セット (講談社漫画文庫)
 意外と思われるかも知れませんが、これからも相当影響受けてるんです。

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 あまりに重すぎた、つの丸先生の隠れた名作。
 すぐ打ち切られましたが。何考えてるんだ。






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