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劇場版 BUCK-TICK 〜バクチク現象〜 T ★★★★★

 全国13か所、2週間限定公開、上映枠も少ない上に微妙な時間帯、おまけに90分2500円という、ファイブカードものの超設定であるBUCK-TICKの劇場公開映画。
 何故か最近『BUCK-TICK 映画 感想』という検索キーワードがやたら多かったので、これは期待に応えねばと観に行ってきました。何より興味があったから観に行ったんですけどね。

 幸い観に行くには困らない場所に住んでいるので、その点は問題ありませんでしたが、観ている最中に館内が何度か揺れるという事態が。最初は地震か後ろに座ってる人の貧乏ゆすりかと思ったんですが、どうやら他のスクリーンで行われていた、声優・寿美菜子のイベントでファンが一斉ジャンプしただからそうで。何でB-Tの映画観てるのにXジャンプみたいな現象に悩まされなければならないのだろう。
 関係ないので話を戻します。客入りは中々で、なおかつそんなに黒くなかったです(笑)中には『いかにも』っていう、ロックで黒い方々もいましたが、割合的にはマイノリティでした。

 言うまでもありませんが、完全にファン向けの映画でした。『音楽にしか興味がない』人が観ても楽しめない、『メンバーのキャラクタ含めてB-Tが好き』っていうくらいの人向け。じゃなきゃ冒頭で書いたような設定にはなりませんよね。

 内容を一言で言うと、デビュー25周年だった2012年の活動の裏側に密着したドキュメンタリーです。シングル『エリーゼのために』『MISS TAKE〜僕はミス・テイク〜』のレコーディング風景、6月に日比谷でやった野外ライブ、メリームック、cali≠gariといったヴィジュアル系のみならず、pay money to my painや氣志團、D'ERLANGER……と、様々なバンドと対バンした全国ツアーなどの様子などを淡々と収録。ナレーションもないですし、バラエティ番組みたいにテロップやワイプも出しません。
 なくて正解だったと思います。そんなもんなくても、観てるだけでちゃんと伝わってくるんですよ。込める音の一粒一粒や曲順、衣装やステージ演出(主に今井さんの)などに細かいこだわりを見せつつも、ピリピリしたムードにはならずゆとりすら感じさせるマイペースなベテランの風格や、自然な仲の良さが漂っています。そりゃ25年もの間、メンバーも抜けず変わらず、いい意味でゆる〜く続くよなと。

 ライブ中、オーディエンスが将棋倒しになったアクシデントも収録されているんですが、その対応がまた見事で。周囲のファンやスタッフの協力もさることながら、櫻井さんの和ませ方が面白かった(笑)
 氣志團と対バンした時、氣志團が最後の曲にサプライズでB-Tの『MY EYES&YOUR EYES』をプレイして(セトリ上は自分達の曲を書いておくというフェイクも入れつつ)終了直後、楽屋裏でメンバーに即土下座する一幕があったのですが(笑)その時のB-T側の対応がまた柔らかい感じで、人柄が滲み出てるなーと。

 マイペースなベテランの風格といえば、オフ時のゆるさもこの映画でよく観ることができました。特にリズム隊ブラザーズ、体作りをしてない時のプニり具合が(笑)オン時にはあんなに色気に溢れているというのに! 加えて、当然すっぴんなもんだから、ほとんどその辺にいるおじさんみたいなことに。野球場の観客席に混じってたらきっと分からないと思います。特にアニイはナイキのジャージですからね。混じりっ気なしの幻想を抱いている人は、観ない方がいいかもしれません。
 ちなみに今井さんはやはりというか、オフの私服でもオシャレでした。イメージほど派手でモードな感じでもなく、普通に。あっちゃんも黒率が高いくらいで割と普通でした。スタッフから事前に指導入ったんでしょうか。

 そうそう、「観に行って良かった!」って確信するに至った部分がありまして。
 基本的には2012年時の映像オンリーなんですけど、2回だけ大昔の映像が入ってたんですよ。ホントに大昔、デビューしたかしないかぐらいの時期のやつが。
 申し訳ないんですが、笑ってしまいました。嘲笑の類ではなく、純粋に笑みがこぼれてしまったんです。「時代を感じるー!」とか「当時からちょっとおとぼけ気味?」とか、色々な思いが混じって。
 客席のあちこちで同様の現象に苛まれた人がいたので、きっと僕がおかしいわけではないのでしょう。

『内容的な』部分で良くなかった所を挙げるならば、編集でしょうか。終わるのか終わらないのかハッキリしてくれと感じた部分がありました。
 あとカットを切り替える時、オフィスデスクに飾るカレンダーの写真みたいな風景を映すはどうにかならなかったのかと。しかもやたら雨が多いし。いや確かに雨のイメージありますけど。去年ライブ観に行った時も、この映画観に行った時も雨に降られましたけど。

 さて、ここまで読んで頂いて、薄々感付かれた方もいらっしゃるかもしれません。
 そうなんですよ、アルバムのDVD付属盤の特典でありそうなものを、わざわざ映画でやったということです(笑)現に後輩のPIERROTは、FREEZEだかインディーズベストだかで確か同じようなの付けてましたよね。

 ですが、それだけに終わらない部分も一応あることはあるんですけどね。
 現時点ではこの映画を観ないと聴けない新曲が、エンディングのスタッフロールに流れるのです。前編後編それぞれ別の曲を。
 ……なんですけども、正直個人的にはそこまでグッとくる曲ではありませんでした。正確には覚えてないのですが、印象的には『禁じられた遊び』をベースに、ちょっとアレンジ変えて作ったようなバラード。ちなみに作詞:あっちゃん・作曲:ヒデさんでした。
 これを聴くためだけに2500円払わなくてもいいかなと。将来リリースされる作品に収録される可能性もありますしね。


 この映画が、バンドをやっていて、現在進行形で内部の人間関係や存続に悩んでいる人への助けになる……かと聞かれれば、なると答えられる自信はありません(笑)そういった秘訣のようなものは読み取り辛いのではないでしょうか。流れのままに何となくやってたら上手く行ったって感じが、自分には改めて伝わってきましたし。
 個人的には、観に行って満足できたので良かったです。より彼らのことを好きになれましたので。そういう意味では、もう自分の中では成功と言えるでしょう。無論、後編も観に行きます(2013.6.18)


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