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ダークナイト ライジング ★★★★

 まず言っておくと、今までのシリーズ(前作とビギンズ)には目を通しておいた方がいいです。完全にファン向けに作ってあるので。
 その上で思ったのは、つまらなくはなかったけど、前作の方が面白かったかなと。「うおおおおおお!!」と言いたくなる流れは随所にあるんですけど。
 今回の敵役・ベインも、やってることのインパクトは大きいし、理由も痛いくらいビシビシと伝わってくるんですが……ジョーカーが強烈すぎたんだよな。ベインはベインで魅力的ではあるんですけどね。フリーザ様よりセルの方が強いけど、インパクトがあるのはフリーザ様の方、みたいな感じ?
 脚本的にも、もう一押し欲しい。ヒーローどうこうってだけではなく、格差社会に対する問題提起も多分に含んでいると思うんですが、どうも突っ込みきれていない印象。尺の都合ってことはないはず。劇中で彼が起こした『革命』により説得力を持たせるためにも、デント法のことをもっと突っ込んで説明するとかはできたはずでは。
 エンターテイメント性が抑え目になってたというか、ビギンズに近い雰囲気なんですが、なればこそ細かい粗も潰して欲しかった。前述の部分だけでなく、他にもあるんですよね。明らかにアメリカじゃない監獄から超高速で帰還したバットマンだとか、核云々の扱い方だとか、色々と。
 その、東洋的な要素もそんな必要だったでしょうか。『インセプション』の時といい、クリストファー・ノーラン監督はこういう潜在意識的なものが好きなのかな?
 ゴッサムシティにいる面々の群像劇な要素もあったとはいえ、バットマンの挫折と復活も、もうちょっと溜めと爆発が欲しかったです。前作ではヒーローのアイデンティティをもうグワングワンに揺さぶってたんですけど。
 映像は確実に前作を超えてました。大スクリーンで観て良かったと、心から思いました。もう『踊る大走査線』や『海猿』じゃ絶対拝めないだろうなってレベル。まあ戦闘のほとんどはゴツゴツ殴りあってばかりなんですけどね。
 なんか文句つけてばっかに見えますが、期待値が高すぎたがゆえにということでご容赦下さい。なのでダークナイトで期待値を上げすぎてしまうと、ちょっと物足りなく感じてしまうかも知れません。観る時は、少し力を抜いて観ることをお勧めします。
 あ、最後に、アン・ハサウェイのキャットウーマンは中々のものでした^^(2012.7.31)


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