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ゴッドファーザー partU ★★★★

 若かりし日のドン・コルレオーネと、前作で彼からファミリーを受け継いだ三男・マイケルが、その遺産を守り戦う様をクロスオーバーさせた構成の作品。
 面白いかどうかと聞かれれば、もちろん「面白かった!傑作でした!」と答えますが、前作には及ばなかった、というのが正直な所。
 しかし重ねて言いますが、こちらも傑作です。幾つもの苦難を経てビトがのし上がっていき、やがてコルレオーネ・ファミリーを築き上げるストーリーの面白さ。ドラゴンボールの300倍重力室レベルで伝わってくる、マイケルの孤独や苦悩。これを交錯させる構成がまず素晴らしい。
 前作ほどエンターテイメント色が強くなく、淡々と進行していくんですね。で、200分という長さ。普通だったら退屈極まりなくて途中で寝てしまう所ですが、この構成のおかげでダレずに観られる。
 それに多数の登場人物が織り成す人間ドラマが、前作同様素晴らしい。マイケルやビトの視点だけでなく、他の人物から話を見直してみたりとか、そういう楽しみ方もできるし。
 クライマックスでは前作同様、血塗られた粛清が行われるんですが、更に今作では直後に、マイケルがパーティーの席で海軍に入ったことを兄弟に告げる描写を入れています。これが秀逸だと感じました。何という切ないコントラスト。本当にこの監督の手腕には、ただただ唸らされるばかり。
 あと個人的に、ケイの覚悟のなさにイラっとした(笑)どういう世界で生きてるか知った上で嫁いだんだから、腹ぐらい括れないのかと。ジョルノのように「あなた、覚悟してきてる人ですよね…」と突っ込みたくなったわ。自分が男だから理解できなかったのかも知れません。
 敢えて前作との比較で、星4つとさせて頂きます。でも前作を観たなら絶対これも観るべきです(2011.12.26)



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