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カイジ 人生逆転ゲーム ★★
人気ギャンブルコミックの実写映画化。
スピード感溢れる、というかブレーキの焼き切れた高速展開。原作の進行は遅すぎて、映画は速すぎる。バランス良くできんのかね。
一つ一つのゲームで一本作れるくらいの密度なのに、詰め込めばこうなるのは自明の理。登場人物の発言や行動に説得力がなくなってるんですね。限定ジャンケンにおける船井のシャッフル提案も、カイジ組と北見組がそれぞれ特定の手札を買い占めてた状況があったから起こった訳だし、45組の結束も作らずカイジが「道を示す」言うても何が何だか。
同時に、原作の魅力であるスリルや駆け引きもかなり犠牲になってますが、その代償に得たものは大してありません。というか全くなくね? ハイリスクノーリターン。江頭?
またギャンブルを通じて世の中や人の本質を抉り出す性悪説な考えや、その中で輝くカイジや石田さんが見せる美徳、敗者に課せられる凄惨な仕打ちなどがかなり薄らいでいるのもマイナス。そして最も許せなかったのは、焼き土下座がなかったこと。ファンならこの気持ち分かりますよね?
役者は全体的に良かったです。特に利根川先生役の香川照之。彼の迫真の演技が、この作品を『救えないクソ映画』から『救えるダメ映画』に引き上げていると言っても過言ではありません(爆)
しかし何故遠藤を女に? 許されない・・ありえない事だ・・・・! そんな女っ気は・・・・! 演技自体は良かったんだけど。藤原竜也を中心に「演技が大げさすぎる」という批判が見受けられますが、福本作品の実写はこれくらいオーバーリアクションでいいんだよと、自分は思う。
そんな感じで役者が良かったから★を一つプラス。ま、結論としては原作読んだ方がいいよ、というところに行き着くんですけど(2011.11.6)