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今度は愛妻家 ★★

 行定勲監督が、豊川悦司と薬師丸ひろ子の共演で描くラブストーリー。
 薬師丸ひろ子は凄く華がある女優なんだなということが嫌でも伝わってくる。何故こんなことを一番最初に書いたのかというと、彼女が演じる奥さんが死んでしまってからが、本当の始まりだから。ちゃんと前半のやり取りが伏線になってるんですよね。
 しかし幽霊と会話するシーンは冷めた。はっきり言ってガッカリしました。怖い話とか聞いて背筋が寒くなるっていう体験が今一つ分からなかったんですけど、この映画を観て、幽霊がもたらす冷たさっていうものを知りましたね。奥さんのありがたみを知らなきゃいけないはずなのに、何でこんなこと知らなきゃいけないんだ。
 あそこはせめて、想像上の奥さん一方的に語りかけるとか、それぐらいで良かったんじゃないでしょうか。
 そして何より突っ込まなきゃいけないのは、良くも悪くもオカマの存在感が強すぎる点ですね。「オカマは差別されてナンボ」なんて信念からして半端ないこの人、登場人物の助けにはなっているんですけど、脚本的に見ると時としてうるさくなりすぎて、焦点がぼやけ気味になってしまうんですよ。ちなみにアシスタントとモデルの存在及び恋愛はいらなかったと思います。
 もっとムダを削ぎ落としてくれたなら、と思いました。制作にかかった予算が少なそうな割に、余計な部分が多いっていう。熟年世代の男性が、奥さんのありがたみを思い出すために観る映画でしょうか(2013.6.16)




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