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サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 

 イブニングで連載していたコミックの実写化。原作は未読です。
 逆転の発想自体は面白い。面白いんですが、思ったことをはっきり言っちゃうと、設定が微妙に気に食わなかったです。本当は言わずに思念で伝えたかったんですけど、出来なさそうなので聞いて下さい。
『サトラレであることを本人に隠さなきゃいけない』ってこと自体が一種の傲慢というか。地獄を必死に天国として描こうとしてる感じ。サガフロンティアのブルー編にあったラストダンジョンみたいな。
 そもそもサトラレを守ることで得られる国益より、サトラレを保護するのに必要な費用の方が高くつきそうに見えますし。『サトラレでない、国益を生む天才』を保護した方が早いんじゃないかなー。サトラレの周囲にいる人々の精神的苦痛の方が大きくなりそう。あと、会話の流れでサトラレであると示唆させるような人間がいた場合の対応策とかどうするんだろう。
 脚本に無駄が多いのもマイナス要素。最初の飛行機事故とか無人島のくだりとか、削ってもいいんじゃないかと。
 あと「泣ける泣ける」ともっぱらの評判なクライマックスも全然泣けませんでした。昔、ドラえもんで、のび太のおばあちゃんの話を観た時はアホみたいに泣いた記憶があったから期待してたんですよ。ガッカリしましたね。わざとらしいしくどいし。
 音楽もわざとらしすぎてイラっと来る。わざわざ煽らなくとも、映像に託して観ている側にサトラセろよと。
 そんな感じで、泣かせはいらないから、コメディに徹してもっと笑わせに来てくれればと思いました。
 それか『絶対可憐チルドレン』ぐらい世界観を作った上で、幽遊白書の仙水みたいなキャラを出したら面白かったんじゃないかなーと。ああいう危険思想の持ち主がサトラレだった場合、周囲はどう対応するのかを描いてみるとか(2013.3.4)




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