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トータル・リコール(リメイク) ★★

 テレビでも何度もやっているシュワちゃん主演作をリメイクしたもの。
 先に言ってしまうと、展開は骨組みだけが同じで、それ以外の血肉部分は別物レベルです。
 映像は凄まじいレベルです。巨額の予算を投じて作ったんだろうなってのがバカでも分かるし、それに見合う作り込み。FF1の次に最新作をいきなりプレイしちゃうような感覚です。世界観的にはFF7なんですけどね。アクションの見せ方もスタイリッシュ。
 おまけに労働者階級の悲哀を丁寧に描写してますし。嫌な部分だけでなく、妻との(仮初めだけど)幸せや、安いバーで愚痴ったりするささやかな楽しみも描いているのが生々しい。人間を腐らせるには絶望だけでなく、ちょっとの希望もスパイスに必要ってことですね。こんな感じで、もう観始めはワクワクが止まらなかったんですよ。
 しかぁぁぁぁし!! 良かったのは最初だけで、話が進むにつれ段々と尻すぼみに。
 美麗でスタイリッシュな映像は、シュワ版が持っていた生々しさや上海の裏通りみたいな薄汚さの欠落に変わっていき、脚本的なダイナミズムは30キロ地点で段々と明暗が分かれるマラソンランナーのように段々とオリジナルから突き放されていく。
 こうなるんだったら、現在の最新技術でまんまコピー&バージョンアップして作ってくれた方がマシだったかな。言い換えますと、顔面パックリ→ボーン!や、鼻からチップ摘出、火星に放り出されて目が目玉がァァァァ!をやってくれよってことです。
 映像は文句なしの素晴らしさで、圧倒されたので満足度は1つプラス。それ以外はhideのピンクスパイダーを倖田來未がカバーしたのを聴いたような気分にさせてくれる作品でした。残念無念(2013.3.3)




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