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65daysofstatic


1st Album The Fall of Math 2004年 ★★★★★
2nd Album One Time for All Time 2005年 ★★★★
3rd Album The Destruction Of Small Ideas 2007年 ★★★
4th Album We Were Exploding Anyway 2010年 ★★★★★








The Fall of Math 1st Album

01.Another code against the gone
02.Install a beak
03.Retreat retreat
04.Default this
05.I swallowed hard
06.The fall of math
07.This cat is a landmine
08.The last home recording
09.Hole
10.Fix the sky a little
11.Arent we all running


 イギリス・シェフィールド発のポストロックバンドによる1stアルバム。
 轟音ギター、同音階リフ、静と動の緩急、ストリングスやキラキラ電子音の美麗サウンドといった、ポストロックの特徴に挙げられるようなサウンドを一堂に会させた、ある意味大乱闘スマッシュポストロックみたいな楽曲が特徴である(爆)またブレイクビーツのような要素も多々取り込んでいます。
 これだけの要素を詰め込みながらも、散漫になったり単にゴチャついているだけになっていることはなく、しっかり一つの地続きとなった世界を構築できており、サウンドメイク力の高さを窺い知れる。
 美しさと無機質さ、激しさと静けさ、他様々な要素をバランス良く、高いレベルで兼ね備えたバランスの良い作品といったところ。ポストロック特有の陶酔感や淡々とした進行(≒かったるさ)は薄めですが、その分展開を楽しみながら聴けるのではないかと(2011.9.19)






One Time for All Time 2nd Album

01.drove through ghosts to get here
02.await rescue
03.23kid
04.welcome to the times
05.mean low water
06.climbing on roofs (desperate edit)
07.the big afraid
08.65 doesn't understand you
09.radio protector


 前作からの大幅な変化はなし。ですが、印象的にはよりダイナミズムが強調され、リスナーの感情に強く訴えうる作りになってます。この手のジャンルに馴染みのない方には瞬き程度の些事な等級かも知れません。
 恐らく完成度的にはこちらの方が高いんでしょうが、それでも個人的には前作の方が好みだな。クロスオーバー要素が前作と同じくらい残っていれば、今作を推してましたが。
 技術的にはワンランク上がっているかと。例えば、冷たいアルペジオと無機質なノイズが交錯する#1、そのラストで見せる人力テンポチェンジとか。面白い。
 マイナスポイントを挙げるなら、中盤の曲が小粒というか、短いのも相まってあまり印象に残らないこと。そこがちょっと勿体無い(2011.9.24)






The Destruction Of Small Ideas 3rd Album

01.When We Were Younger & Better
02.A Failsafe
03.Don't Go Down To Sorrow
04.Wax Futures
05.These Things You Can't Unlearn
06.Lyonesse
07.Music Is Music As Devices Are Kisses Is Everything
08.The Distant & Mechanised Glow Of Eastern European Dance Parties
09.Little Victories
10.Primer
11.White Peak/Dark Peak
12.The Conspiracy Of Seeds


 ダイナミックな演奏が抑え目になり、ピアノが台頭してます。主役といっていいくらい。なので、美しさにスポットを当ててきた印象。
 だったらもっとピアノを前に出してもいいんじゃって思いました。今までと同じような楽曲を入れるくらいなら、少しくらい大胆になった方がいい。
 あとわざとなのか分かりませんが、今までよりも明らかに音質が良くないのもマイナス。美しさを押し出したい(という目論見があったとしたら)これは失敗では。今作のタイトルと実験要素を併せて考えると……と捉えるのは深読みしすぎかな?
 それはともかく、良かったのは、シンセとドラムが複雑に絡み合う#8と、初めてヴォーカルをフィーチャーした最後の曲。これはヴォーカルの使い方が立体的で面白かったな。スクリームと男女混声ヴォーカルを繰り出してくる手法なんですが。
 悪くはないし、お勧めしないとは言いませんが、初めて触れるならこれを聴くより他の作品にした方がいいです(2011.9.26)






We Were Exploding Anyway 4th Album

01.Mountainhead
02.Crash Tactics
03.Dance Dance Dance
04.Piano Fights
05.Weak4
06.Come to Me
07.Go Complex
08.Debutante
09.Tiger Girl


 一聴した瞬間、これはキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!と思いました。映画のワンシーンを切り抜いたようなジャケットワークスのことじゃないぞ!(笑)いや悪くはないけどさ。
 今回はアレンジに相当注力していますね。映画の(しつこい)でかかりそうなムーディーなものではなく、トランスやテクノ系統に近接した踊れる音楽が機軸で、付け焼き刃な安っぽさは欠片もない本格仕様。そこにアレンジの妙による強烈な中毒性を加味することで、電子ドラッグのようなヤバさが。実際は全然サイケではありませんけど。何回も聴きたくなる、って意味で捉えて下さい。
「でもバンドサウンドが蔑ろなんでしょう?」とお思いになっているそこのアナタ! そんなことはありませんぞ!
 ここがホント絶妙だったというか、バンド音と電子音が見事に五分五分で混ぜ込まれ、せめぎ合ってるんです。そこに元々の武器であったダイナミズムと、琴線に触れる美しいメロディまで加わってくる。もう最高としか言いようがないでしょうこれは。1stを聴いた時以上に、彼らのソングライティング能力の高さをまざまざと見せ付けられました。こういうクロスオーバー感を自分は待っていた!
 前作で感じたモヤモヤを幾千光年の彼方へと吹き飛ばす会心の一作。ここまで振り切った上でハイクオリティならもはや文句のつけようもありません。電子音に抵抗がなければ絶対お勧め(2011.9.27)






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