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9mm parabellum bullet



1st MiniAlbum Gjallarhorn 2005年 ★★★
2nd MiniAlbum Phantomime 2006年 ★★
1st Album Termination 2007年 ★★★★
2nd Album VAMPIRE 2008年 ★★★★
3rd Album Revolutionary 2010年 ★★★
4th Album Movement 2011年 ★★









Gjallarhorn 1st MiniAlbum

01.(Teenage)Disastar
02.Talking Machine
03.interceptor
04.atmosphere
05.Beautiful Target
06.marvelous
07.farther


 歌謡カオティックハードコアとでも言うべきアルバム。
 パッと聴き派手ですが、実際そんなに難しいことをしている訳ではないのでどうにも勢いで誤魔化してる感が。またディスコやシャッフルビートを叩いたりしてますが、ここのドラムはリズムキープに優れたタイプではないのでちょっと微妙。まあこのグチャグチャさが良いとも思うんですが。
 よってグチャグチャしまくってる#2・4・5・6辺りが個人的には好き。逆に#7みたいなタイプは完全に向いてないと思う。ただでさえ歌は飾りみたいなもんなのに。
 メジャー音源から入った人は取り立ててここに遡る必要はないかと。ライブの予習目的で聴くならアリだと思いますが。どれも定番曲みたいなので(行ったことないので他人事)(2010.1.16)






Phantomime 2nd MiniAlbum

01.Caucasus
02.Mr.Suicide
03.Vortex
04.少年の声
05.sector


 これも本物のファン以外が遡って聴く必要性は薄く、半ばコレクターアイテム的。
 淡々と流れる異国情緒なリフが良い#1、緩急激しい叙情歌謡ハードコア#2が好きです。#5も悪くないけど、モタつきがどうにも気になる(2010.1.16)






Termination 1st Album

01.Psychopolis
02.Discommunication
03.Heat-Island (Album ver.)
04.Sleepwalk
05.砂の惑星
06.Heart-Shaped Gear
07.Sundome
08.Battle March
09.Butterfly Effect
10.Termination
11.The World (Album ver.)
12.Punishment


 派手さに技術と知恵が追いついてきて、やりたかったであろうことが実を結んだ印象のアルバム。
 曲展開を大分スムーズに移行させられるようになっており、暴れやすくなったような感じ。勝手な予測ですが、このバンドは歌も歌詞もおまけで、演奏で暴れ尽くすことが唯一最大の欲望なように見えるので。
 そのせいか、やっぱり中盤に並んでいる曲達のような、隙間を活かすようなタイプの曲は苦手なように感じる。だったら全曲勢いで押すような曲で統一しても良いのでは。全曲時間が短めで、ダレさせないようになっているのは好印象。
 雪崩込むような轟音に押されっ放しの#1、ダサカッコいいディスコビート調歌謡ハードコアの#2、変則的なリズムが印象的な#4、メタルなツインリードが曲を引っ張る#10、実は頭文字があかさたな作文の爆走ナンバー#12が良いですね(2010.1.17)


ワイルドアームズ アドヴァンスド サード PlayStation 2 the Best  ちょうどこんな感じの、乾いた世界観を思わせるアルバムですね。






VAMPIRE 2nd Album

01.Wanderland
02.Vampiregirl
03.Trigger
04.Keyword
05.Hide & Seek
06.The Revenge of Surf Queen
07.Supernova
08.Faust
09.悪いクスリ
10.We are Innocent
11.次の駅まで
12.Living Dying Message


 更にダサく、熱く、カッコ良い方向に変化したアルバム。反面、技術やアレンジなどは洗練されているというのが面白いですね。激しさと分かりやすさと親しみやすさの三国同盟。そりゃ売れるよな。
 ポエトリーディング+ダサカッコいいリフとメロの掛け合いが中毒性抜群な#2、エモっぽい#4、ブラストビートで爆走する哀愁ナンバー#5、ベンチャーズっぽいサーフロックインスト#6、クサすぎるギターリフがナイスな#12が良いですね。ダウンテンポ系の曲も前作よりは聴けるレベルに。
 ただし飽きの来やすいタイプの音楽なので、次回以降でそこをどうクリアするかが、今後の明暗を分けるのではないかと(2010.1.17)






Revolutionary 3rd Album

01.Lovecall From The World
02.Cold Edge(Album ver.)
03.invitation
04.3031
05.Black Market Blues(Album mix)
06.命ノゼンマイ
07.光の雨が降る夜に
08.Finder
09.キャンドルの灯を
10.The Revolutionary


 技術や録音環境は確実に過去最高。ドラムが明らかにクリアになった上、演奏に締まりが出てきたのは大いに評価できます。#4・7みたいにバンド組みたてのギターキッズが如くバカみたいにギター音がデカい曲もありますが、それはご愛嬌。特に後者は一際開き直ったダサさがカッコ良い(笑)
 問題はやはりというか、過去の焼き直しを回避しきれていない所。根本を残したまま意欲的に枝を増やそうとしている努力は見受けられますが、まだ試行錯誤の途中といった感が。
 THE BACK HORNっぽい#6、ジャズを彼らなりに消化しようとした#9なんか特に新境地になり得るのでは。壁をブチ壊せたら、次回作は凄いことになるかも知れない。まずは手癖になってるような間の埋め方からの脱却をお願いします(2010.4.30)






Movement 4th Album

01.荒地
02.Survive
03.新しい光
04.Face to Faceless
05.銀世界
06.Muddy Mouth
07.星に願いを
08.Monday
09.Endless Game
10.Scenes
11.カモメ


 あからさまにではないですけど、売れ線ルートに片輪乗っかりつつある感が。
 スリリングなアンサンブルや轟音をちょっとだけ控え目にしたことで、必然的に歌メロが前に押し出されるような形に。
 これが個人的にはナシというか、だったらもっとちゃんと歌ってくれよと。昔に比べりゃ多少は良くなってますが、まだ足りない。#6はもっとおどろおどろしく歌って欲しいし、歌詞が女性視点になっている#11は、柔らかく歌うとかして区別をつけて欲しかった。
 単に下手と一刀両断できない分、求めちゃうんですよ、歌を。確かに技術的な意味で歌唱力はないですが、イエモンの『TVのシンガー』をカバーした時は情感こもった聴かせる歌唱ができてましたし。
 演奏面で変わったのは、最初の方でも触れましたがやたらガツガツ突っ込んでこなくなったこと。でも音の輪郭はぼやけ気味な所と、良くも悪くもカッチリ弾いてない所は変わってない。前作よりも雑になってるような。
 だから#6みたいなHR/HM系をやられると、違和感を拭い切れない。#9みたいに、垢抜けなさも交えてってな具合ならアリですけど。てかこの曲Xだよね?意識してるよね?いつかXトリビュートが出る日に向けてのアピール?(爆)
 逆に成長を感じさせる部分もあり、今までは正直退屈な印象があったミディアム〜スロー系の楽曲のクオリティがグッと引き上がっています。
 例えば#5の、雪が舞うような情景を想起させるアルペジオ。手法としてはありがちな分、描写力の更なるレベルアップぶりを感じさせてくれる。
 歌詞を借りて表すなら、『ありふれた月曜日と人生の終わり』が同居した#8、これもいい。エフェクターをかませたギターやアコギによる色の添え方も上手い。しかしエレキではやたら暴れ回るのに、アコギの方は常識的な弾き方なのね(笑)
 そして、ラストの#11。歌い方ではダメ出ししましたが、曲は良いです。全てのパートで奏でられるしなやかなフレーズが絡み合う、珠玉のミディアム。
 まとめると、90年代のヒット曲をユーロビートやHR/HMにアレンジする企画盤がありますが、あれらにちょっと近い。『90年代のヒット曲を9mm風にアレンジしてみた』的な。ムーヴメントというかシフトチェンジ。
 どうせなら全曲インストとか、もしくは意外にまだやっていない、ミドル〜スロー曲一切無しで徹頭徹尾、轟音+爆走で駆け抜けるアルバムとか、このくらいやってくれればなー。
 この路線で行くなら、没個性化やセルアウトとの攻防戦になるのは必至かと(2011.6.23)






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