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Acid Black Cherry



1st Album BLACK LIST 2008年 ★★★★
1st CoverAlbum Recreation 2008年 ★★★
2nd Album Q.E.D 2009年 ★★★
2nd CoverAlbum Recreation2 2010年 ★★
3nd Album 『2012』 2012年 ★★★









BLACK LIST 1st Album

01. sins
02. 少女の祈り
03. SPELL MAGIC
04. scar
05. 愛してない
06. Bit Stupid
07. 楽園
08. Black Cherry
09. Murder Licence
10. 冬の幻
11. DRAGON CARNIVAL
12. Prologue End


 一応七つの大罪だの何だのとコンセプトはあるようですが、端的に言ってしまえばジャンヌの時と大差ないyasu曲が並ぶ。
「あのメロディアスさにハードなバンドサウンドを乗っけて欲しいんだYO!」と、後期のセルアウトぶりに嘆いていたジャンナーは満足出来るのでは。
 SUGIZO・SHUSE・DAITA・淳士etc、V系ロックを嗜む者なら必ず一度は耳にしたことがあるであろう実力派アーティスト達がサポートについているので、演奏面も聴き応えがある(2010.1.1)






Recreation 1st CoverAlbum
01.恋一夜/工藤静香
02.スローモーション/中森明菜
03.あなた/小坂明子
04.シャイニン・オン 君が哀しい/LOOK
05.モノクローム・ヴィーナス/池田聡
06.異邦人/久保田早紀
07.心の色/中村雅俊
08.待つわ/あみん
09.初恋/村下孝蔵
10.BEAUTIFUL NAME/ゴダイゴ


 全て懐メロから選出されているカバーアルバム。
 妙に力の入ったロックなアレンジはいいんですが、原曲の魅力を再構築するとか、次世代に語り継ぐといった意図はなさそう。ファン以外にアピールするには弱い。元々そんなつもりもなく、単に自己満足でやってる可能性もありますが。
 yasuは元々声のトーンが高く、ある程度高いキーにも対応できるので、女性アーティストの曲を歌うのは悪くない選択。特に#3は高音の抜き方が本家っぽくて○。ファルセットも美しい。これがベストカバー。逆に#8はどうにも薄いです。ハモリがないのも味気なさに拍車をかけている。
 yasuとカラオケに行ったらこんな感じ、的な妄想にハァハァできる人向け(2010.8.15)






Q.E.D 2nd Album
01. Mother
02. cord name【JUSTICE】
03. Jigsaw 〜ジグソー Q.E.D. version〜
04. 罪と罰〜神様のアリバイ〜
05. 眠り姫
06. チェリーチェリー
07. 1954 LOVE/HATE
08. I’m not a ghost
09. 優しい嘘
10. 黒い太陽
11. Maria
12. 20+∞Century Boys


 実力派揃いなサポートミュージシャンによる演奏は変わらず聴き応えバッチリで、アルバム曲はハード寄りのものが多めな所は満足なんですが、予想通り楽曲が徹頭徹尾コンセプチュアルに徹し切れてない。というか『チェリーチェリー』など入れている場合ではない。もっと『ブラックブラック』すべきでは。
 あと売れ線の陳腐なポップス寄りナンバーが邪魔。ジグソー以外のシングル曲を全て取り除いてアルバムの完成度を高めるぐらいの覚悟を見せてくれれば、僕のモヤモヤもQ.E.Dするというのに(爆)
 歌詞については……もういいや。曲単体では良いものの、コンセプト物としては……という、結局今までと同じような評価に。
 次回は"夜の蝶"というテーマで統一したコンセプトアルバムでお願いします(2010.1.1)






Recreation2 2nd CoverAlbum
01.天使のウィンク/松田聖子
02.ジュリアに傷心/チェッカーズ
03.会いたい/沢田知可子
04.セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子
05.ラヴ・イズ・オーヴァー/欧陽菲菲
06.ハーシー/Fish & Chips
07.かもめが翔んだ日/渡辺真知子
08.シルエット・ロマンス/大橋純子
09.GLAMOROUS SKY/中島美嘉
10.愛のバカ!/京極
11.大都会/クリスタルキング
12.ラストダンスは私に/越路吹雪


 前作同様、選曲は他のアーティストもカバーしているような有名所がほとんどですが、今回は#6・10のようにマイナーな所からも選ばれていますね(少なくとも自分は知らなかった)知る人ぞ知る曲をもっと多くの人に伝える、というカバーアルバム本来の役割の一つが、少し達成されたのではないでしょうか。
 また#9のように近年の曲も選出していたりと、多少幅が広がっています。これはHYDE作曲だから選んだんでしょうか。正直一番微妙な出来なんですが。音も歌も軽いし。HYDEヴァージョンの方が156倍いい(爆)
 アレンジのベクトルも前作と同じ。ムダにハードロックな#7なんか笑っちゃうけどカッコいい。こういう風に仕上げるか、もしくは深みを持たせず歌うことを求められる歌謡曲の方が合ってますね。前作と今作を聴くとそう感じる。
 ちなみに#11ではDAIGOが低音パートでゲスト参加。個人的には彼ではなく、元ラクリマのTAKAを入れて高音担当、yasuが低音担当の方が良かったと思うんですが。
 次やるならメロスピカバーか、V系縛りのカバーをやって欲しいです。そうすると絶対ラルクやHYDEソロ・VAMPSの曲入れてきそうだけど(2010.8.15)






『2012』 3rd Album
1.〜until〜
 ピアノと人工的なコーラスに加え、エコーのかかった歌が入る導入曲。

2.Fallin' Angel ★★★
「伸ばした手が届かない」的なことを、カクカクした英語を交えつつ延々と歌う退廃的なロック曲。
 ちなみに曲調もそういう感じで、サビで思いっきり盛り上がったりせず、割と淡々と進む。これは上手く詞と曲が連携していると考えていいんじゃないでしょうか。
 最初聴いた時はパッとしませんでしたが、何回も聴いてるとクセになる曲。

3.in the Mirror ★★★
 一昔前のビートロックをもっとヘヴィにしたような曲。GLAYとかもやってそう。
 イントロを初め頻繁に使われるキメからしてベッタベタですが、派手な演奏で装飾している。これはいい意味で。場面ごとの転調が強引なのは好き嫌い別れそうですが。
 歌詞は不幸を嘆いてますが、具体的にどれくらい不幸なのかが分からない。『何一つ上手くいかない毎日』ぐらい。原因がはっきりしないと『世界よ終われ』なんて言われても、どうも感情移入できない。そもそも人に優しくされるならまだまだドン底ではないような。
 まあ中二病を上手く表現できているとも取れますが。

4.ピストル ★★★★
 もう曲名の時点でどんな歌詞か想像がついた。そしてそれを裏切らない内容。ピストルでこういうテーマになること自体が腐るくらい聞き飽きた。
 若干『SPELL MAGIC』みたいなヘヴィロック。間奏の最初がちょっとメシアっぽくもありますね。
 手数の多いドラムと、複数パターンのリフで押していくのはカッコいいな。ちなみにこの曲も分かりやすいキメが多い。

5.少女の祈りV〜『2012』ver.〜 ★★★
 前曲のテンションを維持したまま突入。
 サビ直前で溜めを作り、一気に音を爆発させる所が一番の聴き所。素直にカッコいいと思いました。
 歌詞は……これって別に2012年だろうが1999年だろうがどっちでも良くね? 今はどうなのか知りませんが、ケ〜タイ小説が実写化したら主題歌狙えると思いました。
 
6.Re:birth ★★★★★
 90年代後半のV系がやってそうな、爽快なロックチューン。
 こういう赤裸々に当時の心情を綴った歌詞は、リアリティがあっていいですね。アルバムのコンセプトにも存外ハマっている。
 サビでの、歌メロの発射と着地点がはっきりしていて安定感があるのがいい。そんな歌の裏で割とフリーダムに暴れてるギターも気持ち良い。アベフトシばりにカッティングしまくってる所とか。

7.指輪物語 ★★
 海外のアーティストもこぞってネタに使う、某有名な小説とは何ら関係はありません。ケ〜タイ小説のお話みたいな内容。物語というほど大きなもんでもないし。『汚染された大地を浄化する力を持つ指輪で以下略』ぐらいやってくれればいいのに。
 kiyoが作りそうな、ちょいとファンク調のイントロで始まるが、基本的に最初だけだし、歌メロがやっぱり歌謡曲的なので歌謡ロックという括りをするべきでしょうか。前曲とは対称的に、カッティグがうるさすぎて他のパートが耳に入ってこない。
 それにしても妙にリズム隊が無機質に聴こえる。

8.CRISIS ★★★
 ピストルといいこれといい、清春の曲にも似たようなタイトルがあったような……クライシスなんて大仰なタイトルの割に歌詞が普通で、ズッコケさせられました。威力も形もメラなのにメラゾーマって言っちゃう感じ。逆バーン様。
 RED ZONE+Lunatic Gateみたいなイントロが印象的な歌謡ロック。他の曲よりもラフな作り。マイナー全開な歌メロをどれだけ好きになれるかが全てではないでしょうか。

9.〜the day〜
 アコギ+人工コーラスの繋ぎ曲。
 一瞬Psycho Danceでも踊り出すのかと思った。

10.その日が来るまで ★
「子供が泣いてるんですよ!」的な、あざとすぎるバラード。『風にのって』もそうだったけど、yasuってこういう手法好きだよな。メッセージ性どうこうに関しては、それぞれ受け取る側が考えればいいので気にしませんが。
 聴いてると、何か個人的にYou'll never walk aloneを思い出す。大きな枠組みの部分で共通してるというか。ユルネバは大好きですが、これはどうも……
 Aメロのマーチドラムの歯切れがいまいち悪い。というか全体的に手数が多い。こういう曲はシンプルに詞と歌を前に押し出して聴かせた方がいいと思う。

11.so...Good night. ★
 ハンドクラップとストリングスが入ったポップな曲。歌詞も甘ったるい。
 90年代のトレンディなポップスを、ちょっと派手なロックアレンジしたみたいな。
 悪くはないんだけど、どうも印象に残らない。良さを再確認させるリバイバル、って感じでもないし。

12.doomsday clock ★★★★
 彼の大好きなhydeがやってそうなロックナンバー。Aメロの低音はいいけど、高音になってくると迫力が薄れてしまうのが。声質上仕方ないですが。とりあえずカクカクした英語はやめて欲しかった。Resistanceで読んでる女の人にお願いした方が良かったような。しかしホントにyasuは破壊的なテーマになると、冒頭で自然描写をするのが好きだね。
 一方演奏面はアルバム中トップクラスの出来。縦がカッチリしたビートで土台を支え、ギターも締まりがあり、連携もバッチリ。サビのダークなコーラスも不穏でいい感じ。

13.蝶 ★★★★
 もう曲名の(ry 別に蝶でなくても良かったと思う。嬢でも。キャバな感じの。
 ジャズ調ですが、演奏にジャズならではの自由度がないので、括るとしたらやっぱり歌謡ロックのカテゴリーか。間奏でアドリブバトルをしてみたらもっとジャズっぽくなったと思うんですが。
 どのパートも他の曲より音符が比較的少なめで、歌とピアノが前に出てる所は良いですね。これまでに作ってきた同系統の曲と、差別化を図れているのは好印象。

14.イエス ★
 今までの歌詞でけっこう神様神様言ってるから、キリスト教がテーマになってるのかと思ったら全然違った。Rainyと眠り姫を足して割ったような、優等生ミディアムバラード。歌詞もEXILEみてぇな内容。収録曲の中では一番一般受けしそう。
 個人的に好みかどうか聞かれれば『ノー』。これを聴いてコロっと行っちゃうのは、女癖の悪い彼氏に時々優しい言葉をかけられて離れられなくなるようなもん。

15.シャングリラ ★★★★
 ハッピーエンドに相応しい、ストリングスが乱舞する、シルビア〜feel the windの頃を彷彿とさせるドラマチックな曲。ストリングスとバンドサウンドの棲み分けがキッチリ出来ているので、ゴチャついた印象を受けない。単純に気持ち良く聴けました。
 歌詞だけ見ると、震災後いっそう増えたキレイごとソングの一つ。歌詞の一部分に被災した県名を入れているのは上手いアイデアだと思いますが。あと一応2曲目で伸ばしてた手がここで取り合えるという伏線回収はされている。
 ただシャングリラとユートピアって、大まかなニュアンスとしては同じ『理想郷』って意味では。

16.〜comes〜
 ピアノとyasuのコーラスが流れる締めの曲。



●総評 ★★★
 諸事情により、全曲感想形式にしてみました。
 今回もコンセプトアルバムだそうで、Janne Da Arc時代のANOTHER STORYを彷彿とさせるブックレット仕様なんですが、相変わらず楽曲と世界観に地球〜プレアデス星団間くらい距離があって意味を感じないってのがどうにも。
 2012年現在の状況・マヤ暦・世界終末時計の三要素がコンセプトに絡んでるそうですが、曲だけ聴いてても全然絵が浮かばない。マヤ関係だけでもホピ族とかアセンションとかフォトンベルトとか、歌詞にしやすそうなネタがいっぱいあるのに全然使ってこない。いつもど〜りのyasu節に終始。ACIDMAN辺りの方が2012って感じがする。同じフレーズを連呼したり、愛とか涙とか神様とかが多かったり、なんかネタ切れして仮歌詞をそのまま採用したんじゃないかと変な邪推をしたくなる。登場人物を悲劇のヒロインに仕立てる才能は一級品だと思いますが。シンデレラに出てくる魔女の亜種。
 一方曲の方は、これだけ似たようなタイプの曲があるのに、まだ識別がきくのは流石のサウンドメイク能力。ほとんどの曲に、過去に作った物の影がチラチラしてるものの、丸被りのような状況は回避できている。
 もうコンセプトアルバムはやらなくていいのでは。これくらいの説得力だと、人類や世界どころかムツゴロウ王国を救うのも難しい。いつか聴いた、世界の終わりとかいうバンドよりは遥かにマシでしたが。
 あと個人的には、そろそろ新境地へ踏み出す曲も聴いてみたい。一応扱い上はソロ活動だから、ある程度今のスタイルを崩してもいいんじゃないかな。ああでもウィークリーチャート1位取っちゃったし、アジア進出もするらしいからダメか。おまけに会社はavex。
 これらの符号が意味するものはひとつ・・・・・・! 守り・・・保守っ・・・!(2012.4.12)


マヤ暦が終わるのは、2011年10月28日だった!
 な、なんだってー!!







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