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ACIDMAN

1st Album 2002年 ★★★★
2nd Album Loop 2003年 ★★★★
3rd Album equal 2004年 ★★★★★
4th Album and world 2005年 ★★★
5th Album green chord 2007年 ★★★★
6th Album LIFE 2008年 ★★★
7th Album A beautiful greed 2009年 ★★★★★
8th Album ALMA 2010年 ★★
Self Cover Album Second line&Acoustic collection 2011年 ★★★★★








創 1st Album

01.8 to 1 completed
02.造花が笑う
03.アレグロ
04.赤橙
05.バックグラウンド
06.at
07.spaced out
08.香路
09.シンプルストーリー
10.SILENCE
11.揺れる球体
12.Your Song


 この時点から新人離れした思慮深さが見られますが、後の作品に比べるとまだ衝動的な面も。そしてベースの音がデカい。が、ほぼ歌メロを引き立たせるフレージングに徹しているのでこれはプラス要素。また大木伸夫の声もいい。激しい物も静かな物も、両方に対応できる声質なのは強み。
 暖かいコード感が極上の#3、ポストロック的感触の#7、狂気を滲ませる疾走曲の#9、横ノリのグルーヴ感が心地良い#11が個人的に好み。また彼ら最大の武器の一つでもあるインスト曲(#1・6)もこの時点で既に素晴らしい出来。
 発売当時、結構プッシュされていたらしいですが(自分はその時彼らの存在を知らなかった)、決してハイプではないことを物語っている良質アルバム(2010.1.4)






Loop 2nd Album

01.type-A
02.波、白く
03.アイソトープ
04.飛光
05.Slow View
06.リピート
07.16185−0
08.O
09.swayed
10.ドライド アウト
11.今、透明か(ALBUM Ver.)
12.turn around


 ダイナミクスと繊細さを前作より高いレベルですり込んだことで、より深みの増したアルバム。
 ベースは隙あらば16分を刻みたがる傾向が見られますが、場面に応じて使い分けが出来ていて良い。この辺の理性の利かせ方は相変わらず流石。ドラムのハット音がやかましすぎるのが個人的には気になりましたが。#7などで打ち込みを使っているのは良い試みだと思います。
 どの曲も良いんですが、パワーポップな#3、エモーショナルを飛び越えて狂気な#4、ダンスミュージックを取り入れつつ宇宙規模の壮大なスケールを展開する#8・9辺りが特に素晴らしい出来(2010.1.5)






equal 3rd Album

01.0=ALL
02.FREAK OUT
03.降る秋
04.イコール
05.水写
06.彩−SAI−(前編)
07.彩−SAI−(後編)
08.暁を残して
09.colors of the wind
10.migration 10~64
11.cps
12.廻る、巡る、その核へ


 音作りと演奏力の両方が進化したアルバム。音が粒子となって飛び散るような瑞々しさがとにかく聴いていて気持ちよすぎ。#1・6のインストなんか正にその最右翼。
 また彼らの特徴である『静と動』の切り替えは、この時期が一番バランス良かったと思います。#4・5のように切り替わる瞬間だけでなく、徐々に変化していくグラデーションの部分も非常に美しく描写しているんですね。
 自然風景に『音』を交えて描写する歌詞の手法も相変わらず美しい。自分に具体的な解読は出来ませんが(爆)
 そしてまさかのディズニーアニメ曲のカバーな#9。しかし歌詞の和訳を読むと、まさかどころか逆にナイスチョイスだと思わされる。こういう部分にも彼らのストイックさが表れてます。
 アルバム全体の流れも最高、というか言葉を失ってしまう。じっくり聴いてしまうと終わった後放心状態に陥りかねないくらいスケールのデカすぎるアルバム。ロックなのにカッコいいという言葉がある意味全く似合わない。ただただ圧倒(2010.1.6)






and world 4th Album

01.introduction
02.world symphony
03.id -イド-
04.River
05.季節の灯
06.SOL
07.銀河の街
08.夏の余韻
09.プラタナス
10.water room
11.Stay on land
12.ある証明
13.and world


 #1と#13がリンクしているというギミックを用いているように、『Loop』や『equal』よりも循環を意識したアルバムだと感じました。だから四季を描いた曲が目立つのか。
 アコギを多めに取り入れているのも特徴で、それがアルバム全体に漂う優しい世界を演出するのに一役買っている。緩やかに心地良く流れていく#4、ストリングスを取り入れた優しいバラード#5、かなりポップだがとにかく歌とメロを大事にした#7、ストレートなエモーショナルが心を掻き立てる#12辺りが良い。
 今回はインストがちょっと地味か。正に水中で奏でているよう錯覚してしまう、後半の音の重ね方が秀逸な#10はとてつもない出来の良さだけど。
 またこの辺りから、歌詞で同じような単語がデジャブするように。本当に『祈り』とか『透明』が好きなんだな(笑)(2010.1.6)






green chord 5th Album

01.green chord (introduction)
02.Returning
03.Ride the wave
04.スロウレイン
05.REAL DISTANCE
06.So Far
07.プリズムの夜
08.AM2:00
09.Dawn Chorus
10.千年歩行
11.懸命の銘
12.calm
13.toward


 彼らの持つ静と動のうち、静をクローズアップした印象のアルバム。同時に世界の美しさをより明確に描こうとしている意志も見受けられますね。それが単なる綺麗事で終わらない思慮深さを見せてくれるのは流石。
 流麗な展開ながら部分部分で優れた演奏力を披露する#3、ギターリフを主軸としてスリムにまとめた#4、前作でいう『季節の灯』的なストリングス叙情バラード#7、オシャレの極みなギターリフが極上のインストナンバー#9、『水写』の進化形とでも言うべき#12、「またラストに大作かよ!」と突っ込まされながらもやっぱり圧倒されてしまうプログレナンバー#13辺りがお気に入り。
 この辺りからリスナーからの賛否がはっきり分かれだした印象がありますが、個人的には大好きなアルバム。むしろ初期より好きだったりします(2010.1.6)






LIFE 6th Album

01.LIFE(the beginning)
02.REMIND
03.ストロマトライト
04.FREE STAR
05.式日
06.WALK
07.room NO.138(inst.)
08.街の輪郭
09.オールドサンセット
10.金色のカペラ
11.UNFOLD
12.TO THE WORLD'S END
13.LIFE(the ending)


 生命の誕生から終わりまでを描いたらしいアルバム。
 とだけ聞くと物凄くとっつきにくそうですが、下手したらここまでの6枚中一、二を争うくらいポップでオシャレ。  彼らの得意技、緩急使い分けたエモーショナルロック#2、ダンスミュージック風な#3、スロウレインの二番煎じっぽいけど歌詞が美しい#5、ランニングベースにジャジーなリフが乗る、相変わらずのハイセンスなインスト#7、人類絶滅後の世界を描いたという、終始疾走しながら後半の畳み掛けに圧倒されるエモーショナルロック#10がいいかな。
 しかしこの辺りから個人的に、曲のデジャヴが段々と許容できなくなってきました。過去作どころか、同アルバム内でも似通った曲ないか? 特に中盤。終盤の#11・12も少し類似してますが、これはアリといえばアリか。なんというか、FFのエンディングで長々と美麗なムービーを見せられる感覚に近いものが(2010.1.6)






A beautiful greed 7th Album

01.A beautiful greed (introduction)
02.±0
03.CARVE WITH THE SENSE
04.Who are you?
05.Under the rain
06.ファンタジア
07.星のひとひら
08.HUM
09.ucess (inst.)
10.Bright & Right
11.I stand free
12.OVER


 個人的に、大体2枚刻みで音の方向性が少しずつ変化していっている印象を受ける彼らのアルバム。
 メジャー通算7枚目となる今作でも、また新しいフェイズに進んだような感覚を覚えた。
 アルバムの全体的なハイライトは、更に叙情性を強調したメロディと歌詞や、初期を彷彿とさせる衝動性を伴ったアッパーチューンが前半に集中しているといった所か。通して聴けば、きっとアルバムタイトルに込められた意味が見えてくるはず。グラデーションのように美しく散りばめられた曲順がリスナーを導いてくれるでしょう。言い過ぎ? でもこれを最初に聴き終えた後ガチで感動したんだよなあ。
 そんな訳で現時点では、彼らの作品の中ではこのアルバムが一番お気に入り。
 しっかし何でこの人達のインスト曲ってこんなに出来が良いのばかりなんだ? というかハズレが見当たらない。
 だからそろそろマジでインストアルバムの製作をお願いしたい所(2010.1.1)






ALMA 8th Album

01.最後の国 (introduction)
02.風が吹く時
03.ONE DAY
04.DEAR FREEDOM
05.ノエル
06.ALMA
07.真っ白な夜に (instrumental)
08.レガートの森
09.Final Dance Scene
10.2145年
11.ワンダーランド


 音作りが個人的にちょっと違うなと。音圧が足りないというか。スロー系は合ってて良いんですけど、序盤に並んでるような曲だと勢いに欠ける。
 生身のバンドサウンドへのこだわりも一層薄れてるようですが、これはいい変化だと思います。#8のパーカッションは面白いけど、アウトロだけじゃなくもっと曲中でも使えばいいのに。
 歌詞はブレることなく、生命賛歌がテーマ。反戦のメッセージが込められていると思われる#5は特にいいですね。詞曲双方にクリスマスを意識した要素が散りばめられてるんですが、なんか皮肉を感じたんですよね。色んな意味で。
 しかしこの人達『祈り』とか『世界の果て』とか『遠くの○○』みたいに、遥か彼方を意識するのが本当に好きだな。
 そこはいいにしても、明らかに歌詞が綺麗を通り越して、綺麗すぎるのが気になる。一種の褒め殺し。
 昔はもっとニュートラルな立場で世界の美しさを表現していたのに、過剰に説明しすぎというか。ドキュメンタリーがテロップ出しすぎのバラエティに変わっちゃったみたいな。
 正直彼らの音楽全てにマンネリを感じてきているから、本当にインストアルバムが欲しくなってきた。それかヴォーカルはポエトリーディングにしちゃうとか。#9みたいにダンスロック方向に舵切っちゃっても支持しますから(2010.12.12)






Second line&Acoustic collection Self Cover Album

01.REMIND (Acoustic)
02.シンプルストーリー (Second line)
03.FREAK OUT (Second line)
04.spaced out (Second line)
05.赤橙 (Acoustic)
06.アイソトープ (Second line)
07.O (Second line)
08.香路 (Second line)
09.銀河の街 (Acoustic)
10.FREE STAR (Acoustic)
11.Ride the wave (Acoustic)
12.turn around (Second line)


 既発曲をアンプラグド・リアレンジしたアルバム。
 今更言うことでもないんですが、やはりこのバンドはセンスがいい。お洒落で、表現力も確か。元々シンプルな曲が得意だもんね。
 #1からして巧い。静と動のコントラストが鮮やかだった原曲を、静かな力強さを感じさせる曲へと違和感なく変貌。16分を刻み続けながらも強弱をつけてテンションをコントロールするドラムがいい。
 続いてジャズアレンジした#2、圧力をもって押し寄せるグルーヴを、温かみのある音へと転化させた#3もよく出来ている。
 そして、#5・9では歌の説得力が昔より格段に増していることを感じさせてくれる。特に後者は感情の込め方が非常に素晴らしい。込めすぎてピッチが不安定になってたりするんですが、それも味に聴こえてくるくらいいい。初めてこのバンドの"歌"で心を激しく揺さぶられました。
 逆に原曲の方が良かったものも幾つか。#4・12のようなスペーシーな曲や、インストとの連携込みで映える#7は。アレンジや演奏はかなり健闘しているんですけどね。
 より深みと味わいを増したサウンドに、個人的には満足しました。タイトル以外は。もうちょっとこだわっても良かったとは思うんですけど。レコード会社との契約の関係で仕方なく出したから?(2012.1.20)






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