感想・藍井エイル

Tribute Album

2012年

★★★

Prayer　Tribute Album

01.LAMENT
02.ROSES
03.UNDER THE MASK
04.END OF THE EARTH
05.LAPSE FROM VIRTUE
06.FADE INTO BLACK
07.CRIMSON EYES
08.MEMORIA（ORCHESTRA ver.）

　アニソンを主戦場とする女性シンガー・藍井エイルのデビューアルバム。ちなみに苗字は『あいい』でなく『あおい』と読むみたいです。
　扱い的にはタイアップ元の『Fate』のキャラに宛てた曲、つまりトリビュートアルバムなんだとか。そこはあえて無視して、音楽だけを聴いた感想を書きます。
　楽曲は最近のアニソンによくあるストリングス山盛りのロックだとか、Versaillesみたいなシンフォメタルがメイン。
　とりあえず彼女の資質には合っている、と言っていいのでは。声量はあるようだし、#8のようなオーケストラにも音量負けしていないのは頼もしい。
　しかし歌の入りや、キーの急転換が苦手な印象。あと音域の広さを売りにしている割に、ファルセットが少し細い。メタルは前述の部分でも正確さや力強さが要求されがちなジャンルなので、今後もメタル要素を含めていくなら短所になってしまう。
　個人的に一番物足りなさを感じたのは表現力。パワー頼みの愚直な歌唱なので、シタールが鳴る妖艶な雰囲気の#3、シンフォバラードの#5みたいな曲ではとりあえずなぞってるだけ、という風に聴こえてしまう。
　歌詞は完璧にタイアップ仕様。言葉を変えるとファンタジーな中二フレーズ満載ですが、本場のメタルも似たようなケースが多々あるので無問題。
　製作陣が歌い手を盛り立ててる感じですね。楽曲もしっかりしてるし。BURRN!を崇拝してやまない人でもなければ、メタラー受けもそこそこしそう。
　あとは本人がスキルを積み上げるのみ。十一回は喉を潰しても大丈夫そうだから、今後も頑張って欲しいですね（2012.7.27）

『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box Ⅰ
　そのトリビュート元となった作品です。

雉・ｲｸ