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アルカラ




3rd Album フィクションを科学する 2010年 ★★★★★





フィクションを科学する 3rd Album

01.授業参観
02.キャッチーを科学する
03.大久保のおばあちゃん
04.女優
05.はてない
06.化学準備室
07.スーツ姿の魔法使い
08.花束を抱えて
ex.自然


『ロック界の奇行師』を自称する神戸出身のオルタナバンド・アルカラのアルバム。
 まずはっきり言ってしまうと、自分がイメージしていたものと違いました。奇行師と言うからにはもっとネタに走っているかと思ったんですが、思いのほか真面目な音楽。もしかしたら、ライブとかでは物凄くハジけてるのかも知れませんが。
 どんな音楽性かと言いますと、ジャズとかファンク、ロキノン系ギターロックに手を出しながら歌謡メロディで加工した感じ。確かにコード感や進行、構成とかで「(いい意味で)何考えてるんだろう」と思う部分も所々あるんですが、そこまでブッ飛んだ作曲って訳でもないです。
 歌詞もこれくらいなら、昭和っぽい世界観を意識しつつも、単に語感や語呂を重視した内容と言えるんじゃないでしょうか。エログロ・下ネタはほぼなし。
 イメージとは違っていたものの、別にガッカリしたということはありません。むしろ衝撃を受けました。非常に洗練されているんですよね。
 まず、全パート演奏が異様に上手い。基礎練習をきちんと、徹底的にやってきたと思われるキレイな一音一音の鳴らし方。グルーヴについても、タテもヨコも、カッチリも変拍子もバッチリ。
 歌は異様に上手いというレベルではないんですけど、メロのなぞり方が丁寧で、やはり几帳面。デス声やシャウト、奇声に走ることなく、やっぱりほとんど真面目に歌い通してます。
 バランスも秀逸。全パート主役でありつつ、他パートの引き立て役にもなっている。何かもうアドリブセッションとかやったら、凄いレベル高いことしてくれるんじゃないでしょうか。
 また、機材や楽器を駆使して変な音を鳴らす、といった飛び道具もそんなに使ってこず、あくまでプレイと作曲で勝負してきています。インスト曲で用いるヴァイオリンも、普通にメロディ楽器として機能してるだけですし。かなりの肉弾戦志向。奇行師なんて言いつつバリバリの武闘派であり、実力派。ハンターハンターで例えるといきなりビスケが正体現してブン殴ってくるようなものです。
 パッと聴きの特効性もあるし、じっくり聴き込むことで新しい発見もできる、美味しいアルバムでした。残響レコード所属のバンドが好きならオススメ。あとRADWIMPSのおしゃかしゃまにビビっと来たならいいかも(2012.11.29)

ゴールデンボンバー
 個人的には彼らと対バンして欲しい。








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