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BUMP OF CHICKEN



1st Album FLAME VEIN 1999年 ★★★
2nd Album THE LIVING DEAD 2000年 ★★★★★
3rd Album jupiter 2002年 ★★★
4th Album ユグドラシル 2004年 ★★★★★
5th Album orbital period 2007年 ★★★★
c/w Best Album present from you 2008年 ★★★★
17th Single 魔法の料理 〜君から君へ〜 2010年 ★★★★★
6th Album COSMONAUT 2010年 ★★★★








FLAME VEIN 1st Album

01.ガラスのブルース
02.くだらない唄
03.アルエ
04.リトルブレイバー
05.ノーヒットノーラン
06.とっておきの唄
07.ナイフ


 彼らの音楽はよく「歌詞だけ」と言われています。そう思う・・・・! わしも・・・・!
 総じて軽めのギターロックですが、どのパートも技術的には相当まずいレベルだし、アレンジなどで凝っている面は皆無。本当に見るべきは歌詞だけ。
 でもこの、藤原基央独特の感性と言葉選びで綴られた物語性を持った歌詞こそが唯一最大の武器。
 ガラスの目をした猫が全力で生き抜いた様を描いた#1、子供の約束とモラトリアムに揺れる#2、某ファーストチルドレンへと向けた差し伸べソング#3、正に『臆病者の一撃』がふさわしい#4、人生と野球の勝負所を上手くかけた#5、数少ない彼らのラブソングである#6、旅立ちの朝じゃなくて夜を描いた勇気の歌#7。後の楽曲に比べると大分青臭いですが、いいものはいい! 言い換えれば、歌詞が肌に合わなければ完全にアウト。
 歌と歌詞しか追ってないようなリスナーが多い日本においては、ある意味最も合理的なスタイル。自覚型特化内弁慶バンドと言っていいのかも知れない(2010.11.29)






THE LIVING DEAD 2nd Album

01.Opening
02.グングニル
03.ベストピクチャー
04.続・くだらない唄
05.ランプ
06.K
07.リリィ
08.Ever lasting lie
09.グロリアスレボリューション
10.Ending


 『君≒聴き手』の元に「涙の落ちる音が聴こえた気がして」と男が現れ、いくつかの物語=歌をプレゼントする……というコンセプトアルバム。
 ひとつなぎの大秘宝を探しに行きたくなる、初志貫徹を神話上の武器とかけた#2、創作者の感性・金銭・外部環境諸々の苦悩を絵描きに投影した#3、前作の数年後が舞台の#4、自分の情熱と勇気を信じて行けよ、行けば(ry な#5、絵描きの青年と黒猫の友情に感涙必至の#6、素敵な彼女ぶりに胸が締め付けられそうな至高のラブソング#7、嘘が男女の絆を繋ぐ#8、そして棚上げと開き直りも大事だねと思わされる#9。
 前作は情熱と勇気と希望で溢れ返っているといっても過言ではない内容でしたが、今作は通じてシビアでシニカルな、重い内容。手放しでハッピーエンドと言えるようなものがほぼない。
 #2は正に窮地というポイントで話が終わるし、#4は現実に打ちのめされたのではなく、手に入れた物より過去の思い出の方が輝かしかったなーという、まるで戦争物のコミックやゲームみたいな内容。#5も見方を変えれば『最後に頼れるのは自分だけ』とも取れる。
 しかし、全く救いがない訳でもないのがポイント。#6は命の燃やし所を見つけて死ねたんだし、#8は約束が叶わなくとも、嘘と夢のおかげで心だけは救われている。表現含め、いいストーリーテラーだ。
 曲や演奏の面は……変に動くようになってアンサンブルがグチャグチャになってないかコレ。#3とか。#6もドラムのせいでモタって聴こえるし。
 せめて歌をスマートに聴かせるくらいには頑張って欲しいけど。特にリズム隊。どうしても詰め込みがちになる歌メロにも問題はありますが。
 歌は技術的に上手くはなってませんが、感情の込め方が更に良くなってます。#4のある部分で、半泣きのような声で歌う所は純粋に心が震えた。
 何だかんだ言いましたが、最初に聴いた当時は正直泣くくらい感動しましたし、今聴き直してもジンと来るものがありました。つまりは名盤と呼んでいいってこと。音楽は技巧が全てじゃない!(2010.11.30)






jupiter 3rd Album

01.Stage of the ground
02.天体観測
03.Title of mine
04.キャッチボール
05.ハルジオン
06.ベンチとコーヒー
07.メロディーフラッグ
08.ベル
09.ダイヤモンド
10.ダンデライオン


 メジャー1作目のアルバム。
 音がクリアになったことで、歌メロとリズムの噛み合わなさが余計浮き彫りになった。いやまあ歌だけ追っかけて聴けばいいんだけどね。
 昔はカントリー調の#10が大好きだったんですが、聴き直したら少し色褪せて聴こえた。というか演奏の拙さに耳が行ってしまうからだけど。逆に、昔好きになれなかった#9に安心感を感じるようになりましたね。演奏の方ね。総合的には演奏面、今までに比べれば改善されてはいます。
 そして歌詞。売れて有名になって、環境が変化したことに対しての心情を綴っている印象を受ける。日記を作品として昇華したような感じ。つまりエッセイ的。
 日常に根差した描写が増えているので、ファンタジックな世界観が苦手なアナタも安心。嘘です。藤原節が受け付けなければやっぱり無理だと思う。
 大まかに括ってしまえば、弱者層や中高生に受けるイメージがある彼らの歌詞ですが、この作品に限って言えば、ある程度成功体験があるような人間向けなんじゃないかなと、自分は思います。何かしら積み重ねてない人間が聴いてもあまりよく理解できないか、もしくは辛くなるかのどちらかでは(2010.12.1)






ユグドラシル 4th Album

01.asgard
02.オンリー ロンリー グローリー
03.乗車権
04.ギルド
05.embrace
06.sailing day
07.同じドアをくぐれたら
08.車輪の唄
09.スノースマイル
10.レム
11.fire sign
12.太陽
13.ロストマン
14.midgard


 最初に聴いた時、「ああこの人達もちゃんと年食ってきてるんだな」と思いました。
 まず、落ち着きと深みの出た演奏。大分まとまりが出てきた感じ。特にベースが変に動き回らなくなったことで安定感が出るようになってます。やっぱりこのバンドはシンプルに弾いた方がいい。同時にアコースティックな割合が一気に増したので、激しさや重さ、速さを求めている人には不向き。
 歌詞も寓話的な体裁を取ることが少なくなった分、一つ一つの言葉が一層ザクザクと刺さる。
 ある意味最も残酷な希望を歌っている#2・6、 生きること=仕事の比喩が淡々とした曲調と相まって秀逸な#4(しかもすぐ後に「仕事ではない」「仕事でしかなくなっていた」と入る)、これまでのストーリー調歌詞の集大成とも言える#11、そして喪失と選択、前進をメインテーマに据えた(これはアルバム全体のテーマとも言える)クライマックスの#13辺りが特に来ました、自分は。
 これまでの三作は正直、時間の経過と共に色褪せて聴こえる部分もあったんですが、今作は全くそういうことがなかった。多分これからもそうでしょう。鮮やかでも、輝いてもいないけど、恒久的な魅力を感じずにはいられない(2010.12.2)






orbital period 5th Album

01.voyager
02.星の鳥
03.メーデー
04.才悩人応援歌
05.プラネタリウム
06.supernova
07.ハンマーソングと痛みの塔
08.時空かくれんぼ
09.かさぶたぶたぶ
10.花の名
11.ひとりごと
12.飴玉の唄
13.星の鳥 reprise
14.カルマ
15.arrows
16.涙のふるさと
17.flyby


 音が優しくなりました。キャッチーになった、とはまた違った感覚。優しく丁寧に耳から頭に馴染んでいくような音。それに加え、#4・7・8のように少し変則的なアプローチを試みてもいます。演奏を押し出すのでなく、歌ありきでの捻りにしてあるのは正解だと思う。しかし#8は6/8の曲作りに慣れてない感が。
 言葉遣いも今まで以上に柔らかくなった印象。#5で全編に渡って続く思索といい、「探さなきゃね 君の涙のふるさと」と、言い聞かせるような#16の冒頭といい。不幸自慢がテーマだと思われる#7も、批判や皮肉で終わるのでなく、諭すような締め方になってるし。そんな感じで相変わらず、名フレーズのマシンガン打線状態。
 凡人に捧ぐ応援鬱ソング#4、後に本当に担当することになりましたが、みんなのうたで使われそうな#9が特に胸に来ました。あと個人的には本作で初めて、音楽的に彼らの導入曲を素晴らしいと思った。めっちゃ綺麗。
 時間長めのスローナンバーが多く、意外と情報量の多い作品なので、ハマり込めないと脱落率の高そうなアルバムではありますが、是非通して聴いて、アルバムの世界に触れて欲しいところ。
 カイジの、二度目の鉄骨渡り終盤で佐原とカイジのやり取りに感じるものがあった人は気に入ると思う(2010.12.3)






present from you c/w Best Album

01.ラフ・メイカー
02.バイバイサンキュー
03.彼女と星の椅子
04.ホリデイ
05.Ever lasting lie (Acoustic Version)
06.睡眠時間
07.夢の飼い主
08.スノースマイル 〜ringing version〜
09.銀河鉄道
10.真っ赤な空を見ただろうか
11.東京賛歌
12.ガラスのブルース (28 years round)
13.プレゼント


 寓話的なものからTHE LIVING DEADのopeningとendingを融合させた完成形、ギターロックありリアレンジありスローなアコースティック曲ありと、キャリアの割にリリースペースがゆったりな彼らの歴史を詰め合わせたような一枚。
 基本的に、彼らはアルバム毎にコンセプトを据えて曲作りを行っていて、寄せ集め+1であるこのc/w集はどうするんだろうと思ってたんですが、なんと『リスナーへのプレゼント』というコンセプトでまとめ上げてしまった。レトリックに長けている藤原基央だけあり、上手い。でもファンが一番欲しがってるのは隠しトラック集じゃないでしょうか(笑)
 彼らの曲を聴いたことがない人は、案外このアルバムから入ってみても面白いかも。試食に向いてると思う(2010.12.4)






魔法の料理 〜君から君へ〜 17th Single

01.魔法の料理 〜君から君へ〜
02.キャラバン
03.三人のおじさん


 現時点で今年最強の涙腺破壊ソング。単なる結果論で終わらない、絶妙かつ柔らかい言葉選びと歌唱で諭される希望と覚悟が体内の水分を吸い取ってしまう。『みんなのうた』なだけあり、子どもから大人までリスナーの守備範囲をカバーしているのも素晴らしいです。ネットユーザーへの皮肉と疑問を投げかけたような歌詞のカップリングも、藤原基央のダークサイドが垣間見えて良い。
 そしてシークレットトラックは現時点で今年最強の腹筋破壊ソング。シュールなのに深い。つくづく凄いストーリーテラーだ。いやマジで(2010.5.9)






COSMONAUT 6th Album

01.三ツ星カルテット
02.R.I.P.
03.ウェザーリポート
04.分別奮闘記
05.モーターサイクル
06.透明飛行船
07.魔法の料理 〜君から君へ〜
08.HAPPY
09.66号線
10.セントエルモの火
11.angel fall
12.宇宙飛行士への手紙
13.イノセント
14.beautiful glider


 まずは曲からダメ出しすると(爆)バンドサウンドで勝負した結果、敗北したような感じ。
 ロックバンドとしての欲が出てきたのか、かつてないくらいフレーズや音の組み立て方にこだわっています。しかし肝心の演奏力が追いついてないので、音の粒が悪くて結果的にゴチャゴチャした音になりがち。演奏力の高いバンドではないんだから無理しなくていいのに。R&B風の横ノリな#11はもう違うだろと。
 あと#7だけアレンジが浮いてるな。アルバムver.でストリングスをカットした方が良かった。
 歌詞はいい。凄くいい。彼がターゲットにしているであろう年代の範囲内に恐らく自分も含まれているからか、余計に響きました。
 子供の頃気付かなかったことを、大人になるにつれ気付いて思い返す、過去のエピソードと現在地点の自分を対比させる手法。敢えて目を背けていたり気付いてないふりをしている弱さや醜さを、皮肉を交えながらズバズバと、そして優しく諭す手法。この二つをメインにライフハックしてくるんですが、染みる染みる。比喩表現が少し減っているのもプラスに作用して、ダイレクトに響くようになってます。
 そして技術的にも上手い。歌詞のマンネリを上手く回避したり、貪欲に実験的な要素をガンガン入れているのでなく、加齢と上手く付き合って自然に作風を変化させている感じ。説教臭さや偽善臭さが薄いのもいい。
 最後の曲で割とハッキリした希望を提示しているのがまた王道ですが、上手い締め方。『背中押さないよ』と言ってるのに、結果的には背中を押す形になっているという。
 また『○○なのは〜だから』という言い回しがやたら多いですね。マイブーム?
 これだけ歌詞に力があるんだから、従来のように演奏は脇役に徹するというか、シンプルで良かったと思う。マンネリ回避を考えたのかも知れませんが。
 従来通り、近年の彼らの歌詞にシンパシーを感じられるならお勧め。優れた自己啓発書のような一枚になり得ると思います。メンバーの年齢+5〜−10歳向け(2010.12.20)


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