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クラムボン



2nd Album まちわび まちさび 2000年 ★★★★★
3rd Album ドラマチック 2001年 ★★★★★
5th Album Imagination 2003年 ★★★★★








まちわび まちさび 2nd Album

01.ドギー&マギー
02.君は僕のもの
03.まちわび まちさび
04.月食
05.大貧民
06.シカゴ(病み上がり)
07.ミラーボール
08.246
09.EPIC
10.090


 キーボード・ベース・ドラムの上に、やや力抜け気味のキュートなヴォーカルが乗っかる構成。演奏そのものはかなりシンプルですが、どのパートも絶妙なポジショニング。お互いを最大限活かす鳴らし方。メロディも単純に良いし、歌との相性もバッチリ。ジャンルは違えど、スピッツとかを聴いてる時と同じ気持ち良さを感じましたね。
 歌詞もシンプルで、字面上ではひらがな多め。深遠なテーマや強いメッセージ性より、語感や響きを優先した印象。
 しかし、普通のポップスと思って聴くと痛い目を見るかも。飛び道具気味な電子音だけでなく、いきなりノイジーな音をぶちかましたりしてくるので。そこがこのバンドを、時にポストロックやニューウェーブ系統へと位置付ける要因か(それで一般受けを多少逃してる感もある)また可愛らしさやゆるさだけではなく、ちゃんとロック然としたカッコ良さも有している点がいいですね。
 個人的にこういうジャンルはゴチャゴチャ音を鳴らすより、このバンドのようにスッキリしてる方が好きってこともありますが、それを差し引いても非常に高品質な作品。ちょっとでも音が歪んでたら許せなァァァァい! みたいな信念がなければ是非お勧め。単純にポップスとして楽しむもよし、ヘンテコ音楽の入り口とするもよし(2012.2.28)






ドラマチック 3rd Album

01.ロマンチック
02.ジョージ
03.サラウンド
04.心象21
05.レインボウ
06.恋わずらい
07.残暑
08.モノクローム
09.便箋歌
10.ララバイ サラバイ
11.ドラマチック


 確かにドラマチックではあります。まず、2ndよりグッと音の厚みが増している。ゴテゴテ音を付け足した下品なサウンドではなく、状況に応じて最適な音色を選ぶセンスの良さは流石の一言。ジャンル的にも、ジャズを取り入れたりしています。
 あとやっぱりこのバンドは曲構成がいいね。#2のように終始リフで押していく曲を心地良く聴かせる技術もさることながら、特に盛り上げ方が上手い。#10に顕著ですが、シンプルそうに見せかけて段々と壮大な音の洪水で圧倒してきたり。ちなみにこの曲は超名曲。心の琴線を掻き毟ってくるほどの強烈なドラマ性。この曲のためだけにこの作品を聴いても損はしません。
 夏がもたらす切なさを感情と音の二面から描写した#7、ピアノバラードにビッグバンドジャズを足したような、至近距離で切々とメッセージを綴り続ける#9、これも名曲。
 激しさだけでなく、美しさにも磨きがかかっています。歌メロの良さはそのままに、#3・5のストリングスは絶品だし、アリーナ風の空気感と鐘の音を融合させたインスト#4、アルバムの余韻を演出する役割を担うジャズ風インスト#11も素晴らしい完成度。
 歌詞にも意味が強くなって、言葉の重みが増していますね。#2の「恥をかけない大人にはなりたくない 恥ずかしいもの」というフレーズや、前述の#7辺りが良かった。
 前作よりコアな音を鳴らしているので、更に2、3歩普遍性から遠ざかっていますが、アーティスティック度は更に増しているのではないかと。名盤(2012.2.29)






Imagination 5th Album

01. いってらっしゃい
02. imagination
03. tourist on the 未来'n
04. メロウトロン
05. Y・S・G・R
06. 意味はない
07. タイムロス
08. こだま
09. 5716
10. Folklore
11. Don't you know
12. おかえり


 轟音は影を潜め、エレクトロなリフ重視の曲が中心。あっちこっちから引っ張ってきた多彩な音色を用い、散りばめられたそれらの音が意思を持つように波を形成。それらが組み上がって一つの美しい音を鳴らす姿は、正にリスナーのイマジネーションに訴えてくるような音。ポストロックやエレクトロニカとしては超王道。
 シンプルな歌物でも、細やかな細工が挟まれていたりと、アルバムの隅々まで匠の心遣いが感じられる出来。卓越した作曲能力・演奏技術が伺えます。
 右脳も左脳もガンガン刺激してくれる作品でした。最高(2012.3.2)






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