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ClariS



1st Album BIRTHDAY 2012年 ★★








BIRTHDAY 1st Album

01.サヨナラは言わない ★★★
 若干90年代入ってる、マイナー調のアイドルポップス。SCANDALのバンドサウンドを電子音に置き換えたような感じ。
 何か二人とも発音が不安定に聴こえる。特に「し」の音。ゴールデンボンバーみたいなクセがある。
 歌詞は『それぞれの夢のために別れるけど、また会えるからサヨナラは言わない、でも寂しい』的な内容。

02.irony ★★★
 明るめなエレクトロポップス。コード感といい四つ打ちといい、ハウスに近いかも?
 歌詞は要するにツンデレですが、歌詞の時点でも感情の起伏が激しい訳ではないので、平坦な歌唱がマッチしている。
 歌の方は、シンガーが二人という必要性を特に感じませんでした。

03.恋磁石 ★★
 ちょっとフロアっぽくしたテクノポップ+いかにもアイドルなマイナーメロ。
『私』と『あなた』を磁石のSN極に置き換えた、まあ大体の人が思いつきそうな発想。しかしN極同士っつってんのに、なんで「引き合って」なんて言葉が出てくるのか。
 ろくに聴いたことないからよく分からないんですが、昔のハロプロ系ってこんな感じだったっけ?

04.メモリー ★
 マイナー調のバラード。
 キーワードといい、何か1曲目と被ってる気がするんですけど(ちなみに作詞作曲は別人)
 ベタを通り越して、もはや無味無臭。ネタ要素も皆無。なので自分の頭ではもう突っ込みようがない。

05.nexus ★★★
 ハキハキした歌メロが特徴的なテクノポップ。
 リズムが効いてるし、印象的なメロディもいいんですが、発音の不明瞭さが裏目に出ている。音符が細かくなると、何言ってるか分からなくなる。
 歌詞は2曲目とリンクしていて、かつClariS側から向けたメッセージソングってことでしょうか。

06.flowery ★
「過去を大切にして傍にいてくれた君と明日へGO!」バラード。
 2人の上手く歌おうとしている鼻声を存分に堪能できる曲。あと「ああ、ピッチ補正かけまくってるんだろうな……」と思いを馳せたくなる。

07.コネクト ★★★
 疾走感・爽快さが売りの曲。
 タイトルの割にサビの歌メロを細かく切ってて疾走しきれてませんが、これは様々な障害を切り抜けていくイメージかな? サビ後半のブレイクに象徴されてるように。
 歌い手がこなれていないのか、息継ぎがかなり入ってますが、これも息を切らせて走っている感じと好意的に見られないこともない。
 歌詞は完全にタイアップ元仕様。あ、ちなみに僕は杏子が一番好きです。

08.プロミス ★★★
 ピアノやアコギがコードを鳴らし、その上をストリングスが滑っていく曲。
 土台はシンプルですが、ハモリが曲とあいまってアルバム中最も綺麗に響いている曲という印象。あとサビに入りそうで中々入らない展開も面白い。

09.graduation ★
 イントロからして予定調和を感じずにはいられない卒業バラード。鼻声すなあ。
 しかしこのアルバムだけで何回それぞれの道へ旅立ってるんだろう。ほむらみたいにループしてる設定なんだろうか。
 曲の方はというと、あまりに普通すぎて触れようがない。

10.treasure ★★★
 跳ねるような歌メロが特徴的な、ピアノ主体のミディアムバラード。
 ピアノの音色が舞い散る桜の花びらを表現していると思われ、それと歌メロの絡みは綺麗。歌い手が対応しきれてるかはさておき。
 歌詞・テーマについてはtrashして聴くといいと思います。

11.ナイショの話 ★
 威勢のいいカウントから始まる、アルバム中唯一バンドサウンド主体で仕上げたツンデレソング。
 ……なんですが、あまりに平坦すぎてかえってピッチ補正しまくりなのがモロ出しに。ビッチ補正。ロックには向いてないな。サビ終わりの「じゃないっ!?」が「じゃあの」に聴こえる所はロックですけど。
 ちょくちょく入るコーラスも強烈。なんかもうネタでやってるんじゃないかと思えてくる。
 バンドサウンド部分はセッションでなく、メロディを基準に一人で全部作ったような感じ。

12.zutto ★
 ピアノから入る、ベタなバラード。
 リバーブ効かせすぎじゃね?と言いたい所ですが、歌にまでかけてないからいいか。
 この曲が唯一本人たちの作詞ですが、他の提供詞と大差ない内容。これなら全部自分達で書いた方がいいんじゃ……


●総評
 素顔が謎に包まれた女子中学生ユニット(今は高校生になったらしい)ClariSの1stアルバム。
 本当に中学生なんだろうかとか、色々言われてますね。個人的には中学生だろうが70過ぎたババアだろうがどっちでもいいんですが、仰る通り中学生として話を進めます。
 歌唱力は、歌い分けもクソもなく一本調子・鼻声・はっきりしない発音・そしてピッチ補正含めて年相応なライン。パワプロに例えると、コントロール・スタミナ・球速が低め、変化球は複数あるけど全部変化量1の投手みたいな感じ。ハモリは綺麗ですが、コーラスワークには期待しない方がいい。
 楽曲は、アニメ業界の大きなタイアップをもらっている割に、あまりそこへ依存していない内容。曲だけを切り取った場合、その辺のアイドルやギャルっぽいシンガーが歌ってるものと大差ないのでは。
 曲の無味無臭さは置いとくにしても、歌詞の被り具合は個人的に聴いててもたれる。顔と身元を隠してるなら、もっと生々しい恋っ気などを出してもいいと思うんですが。「学校じゃ目立たないけど、本当は売れっ子ユニットなんだよ気付いて憧れの人」とか、自分達が本当はどんなルックスが、聴き手をくすぐるような内容とか。
 とはいえ、もし十数年後も同じ方向性をブレずに貫けたら、それはそれでアイデンティティになるかも。幾度も永遠に、誓った未来や夢へ進むために別れるユニット。
 楽曲のハイクオリティさや、アヴァンギャルドな部分で盛り立ててる訳でもなく、販売戦略を抜きにして聴くとホントありきたりなアルバム。そこに釣られると肩透かしを食うかも。
 もしクソアルバムだったら「奴らはとんでもないものを盗んで行きました以下略」で締めようと思ったんですが、まあそこまでするこたないか。公式の二次元絵に、様々なプラスの思いを馳せられる人向けなアルバム。ある意味でクララとアリスのキャラソンアルバムって感じ?(2012.6.9)






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