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Cocco



1st Album ブーゲンビリア 1997年 ★★★★★
2nd Album クムイウタ 1998年 ★★★★
3rd Album ラプンツェル 2000年 ★★★★★
4th Album サングローズ 2001年 ★★★★★
5th Album ザンサイアン 2006年 ★★★★
6th Album きらきら 2007年 ★★








ブーゲンビリア 1st Album

01.首。
02.カウントダウン
03.走る体
04.遺書。
05.Rain man
06.ベビーベッド
07.SING A SONG 〜NO MUSIC, NO LIFE〜
08.がじゅまるの樹
09.眠れる森の王子様 〜春・夏・秋・冬〜
10.やわらかな傷跡
11.ひこうきぐも
12.星の生まれる日。


 沖縄育ちの歌姫・Coccoさんの1stアルバム。
 鬼束ちひろを氷とすれば、こちらは火。時には相手を焼き尽くし、時には小さな灯で照らし、時には暖める存在となる歌。激しいグランジ風バンドサウンドとアコースティックな音を基調としたオケが、まんまCoccoさんの書く詞や歌とリンクしているのも分かりやすい。
 曲自体は比較的オーソドックスだし、歌詞も技術勝負ではなくシンプルな言葉を書き連ねていますが、それが尚更彼女の様々な情念を乗せた歌唱を引き立てているというかマッチしているんですね。むしろ余計な装飾をされていたら、逆効果になっていたはず。
 1曲目からキンタマが"キュッと"なりそうな楽曲が炸裂。現代風に言うとそう、"ヤンデレ"って奴である。それかメンヘラ? とにかくこいつぁヤベェーぜッ!
 代表曲の1つでもある#2も、ご存知の通り一切の容赦なく許しを乞わせる所がドMさんにはたまらないでしょう。#3もDAIGOなんて目じゃないくらいクライムな香りがプンプン(爆)
 極めつけは#4。これまでとは打って変わってクリアめなサウンドと歌唱ですが、その中身は死んでも重石を残し続ける最強の情念攻撃。後に「私のお墓の前で泣かないで下さい」と歌う方が出てきますが、アナタはどちらに共感できるでしょうか。
 全英詞のアコースティックナンバー#5でやっとまともな路線へ軌道修正……かと思えば#6では再びグランジーな音に乗せたドロドロの歌詞。これは女性ならではの内容。もはやホラー。
 #7は#5とやや似た路線の全英詞アコースティックナンバー。タイトルからイメージできる通りの内容です。
 #8はCocco流童謡。当然の如く(?)歌詞には闇が。こういう無邪気さが余計に怖いんですけど。#9も暗黒童話みたいな内容のグランジ。
 タイトルが歌詞に登場する#10が、今作のハイライトですかね。歌詞も、今までのように痛みや愛憎、闇だけではなく、希望や力を感じさせる楽曲。
 #11はアコースティックバラード。#4とは対を成すように、相手側がいなくなったと思われる内容。つーか序盤の曲を歌ってた人と同一人物なのか疑わしくなる(笑)
 #12は母性をも感じさせるバラード。ただ同時に弱さを見せているのが人間臭い。
 思わず全曲触れてしまいました。素晴らしい作品なのでつい。ヒロインが刃物持って追いかけてくるシチュエーションに興奮できる人なら特にお勧めです(爆)自分は興奮できませんが(2011.10.30)






クムイウタ 2nd Album

01.小さな雨の日のクワァームイ
02.濡れた揺籃
03.強く儚い者たち
04.あなたへの月
05.Rose letter
06.My Dear Pig
07.うたかた。
08.裸体
09.夢路
10.SATIE
11.Raining
12.ウナイ


 1作目からとんでもない地雷女……もとい、情念溢れる女性ぶりを120%見せ付けた沖縄の歌姫・Coccoさん。
 おお、今回は1曲目から暴力的じゃない! デレに入ったか!?(違う)
 なんて近年の安っぽい萌えアニメみたいに易々とは行かないのが当時のCoccoさんクオリティ。『ベビーベッド』の続編を匂わせる内容の#2では早速強烈な歌詞とサウンドが吐き出される。歌が不安定に聴こえるのが気になりますが。
 代表曲の1つである#3は、昨今の流行?でもあるNTRがテーマである(爆)ただこれは全て女側の視点で語られているので、真偽は不明なんですよね。
 #4は「月が遠くで泣いている」という詩的なフレーズがとても印象的。#5はドラムが主導権を取った渋めな英語曲。地味な歌メロの反面、遠近両方の距離感を使った弦楽器の鳴り方が特徴的。
 童謡風の#6は、まあ実際そうなんだよねというテーマ。これを残酷だの何だのと言う人間は肉を食べるべきではない。
 思春期の憂鬱を描いた、ストリングスを基調とした曲の#7、耳をつんざく悲鳴が1ターンどころか5ターンくらい動きを封じられそうな#8、どこまでも続いていく道と草原をイメージさせる#9、全英詞のアコースティックナンバー#10、この辺りは個人的には強く心に残りはしませんでした。悪くはないんですが。
 #11も同じく、優しいメロが乗るアコースティックな曲ですが、リアルで痛々しい(変な意味じゃなく)歌詞が特徴的。これは嫌が応にもインパクトがあります(苦笑)そしてやっぱり最後の曲は、母性を感じさせるスローナンバー。
 今回もまた全曲触れてしまいました(笑)暴力性が少し和らいだ代わりに幅が、特に音の部分で広がった印象を受けました。肉体よりも精神に来る内容。ドロドロに重い物をそのまま濾過せずに出すのではなく、いい意味で柔らかく加工してるというか
 こんな作品でもオリコンで1位を取ってしまった辺り、多くの人間を惹き付ける要素を有しているのでしょう。強いて挙げるなら、思春期に大体の人間が抱えてたであろう鬱屈した感情に、シンパシーを感じさせるものがあるのかな。そういうことはロックやパンクでも多々あったことなので、真新しいことではないんですが、それでも彼女から発せられている赤い感情は、特別な力を有していることを証明している作品(2011.10.31)






ラプンツェル 3rd Album

01.けもの道
02.水鏡
03.熟れた罪
04.雲路の果て
05.白い狂気
06.'T was on my Birthday
07.樹海の糸
08.ねないこだれだ
09.かがり火
10.ポロメリア
11.海原の人魚
12.しなやかな腕の祈り


 今までの2作よりも少し聴きやすくなっています。今までのようなヘヴィで激しい曲もあるんですが、同時に透明度が上がっている。時にはCoccoさん自身の歌声が、時にはメロディといったように。澄んだ色の海が脳内に広がっていくようなイメージですね。
 特に#7が素晴らしいです。全てを流し去るような雨音、繊細ながらも伸びのある強さを感じさせるサビメロ、そして前述した、Coccoさんの透明な歌声。色んな意味で純粋な歌い手でなければ完成させられなかったであろう曲。
 #5では、この透明感を逆ベクトルに使っている所も彼女らしい。クリアなアルペジオと、ファルセットを多用した歌に相反するような猟奇的な歌詞。
 また#4で聴ける、リズムを強調したブリッジ・ヴァースと、激しく攻め立てるサビといった形のコントラストで活かしたりも。様々なパターンを使っているのは聴いていて飽きなくて良いです。
 激しさや重さを中心とした楽曲もカッコいい。ファスベースが下半身に響く#3、また#9は歌よりも、激しいバンドサウンドに耳が行ってしまう。
 そして最後の曲。定番の母性型ソングなんですが、今回は特に秀逸。キャリアを重ねたためか、説得力がグッと増している。これを聴いた人はハンターにおける、王復活後のプフとユピーみたいな気持ちになること請け合いである(爆)
 童話のような物語性と残酷さ、そして美しさが詰まっています。今回は愛や希望を描くために、敢えて痛みや狂気をさらけ出している印象さえ受ける。一つの過渡期とも言える名盤です(2011.11.1)






サングローズ 4th Album

01.珊瑚と花と
02.わがままな手
03.Why do I love you
04.羽根
05.美しき日々
06.歌姫
07.風化風葬
08.Still
09.Dream's a dream
10.星に願いを
11.卯月の頃
12.焼け野が原
13.コーラルリーフ


 活動休止前最後のアルバムは、沖縄の空気感をより感じられるアルバムに仕上がっています。
 琉球音階を用いているとか、三線を使っているとか、そういうことではないんですが、何かオーガニックな雰囲気が漂ってるんですね。
 あと作詞能力が1stの頃に比べると、圧倒的に向上していますね。歌詞の真意を理解できなかったとしても、絵が明確に浮かんでくるし、文章に洗練された美しささえ感じる。
 そして思ったのは、当時の彼女が行き着いた先、つまり活動を一旦止めるトリガーとなったものは、限界まで膨張させた激情や憎悪・皮肉といった感情ではなく、愛と別離と存在理由だったのかなと。
 そのはっきりした一つの象徴とも言えるのが、Mステで伝説を残した#12。#7や#13辺りもハイライトだと思うんですが、この曲は別格ですね、自分の中では。
 作品的には1stや3rdの方が好みなんですが、奇跡的なバランスという部分では今作が突出して素晴らしいです。Coccoさん以外のシンガーが歌っても、こんなに心に響かなかったでしょう。別段真新しさのないサウンドですが、このサポートメンバーでなければ、これほどまで明確に彼女が描いていたイメージを音に具現化することは出来なかったはず。
 切ないくらいの痛さと苦しさがあるのに、安らぎと癒しを感じずにはいられない。下手なヒーリングCD聴くよりこっちの方をお勧めします(2011.11.2)






ザンサイアン 5th Album

01.音速パンチ
02.暗黙情事
03.夏色
04.Beauty C
05.四月馬鹿
06.Swinging night
07.野火
08.唄い人
09.愛うらら
10.インディゴブルー
11.陽の照りながら雨の降る
12.Happy Ending


 長い活動休止期間や、くるりのメンバーとのコラボといった経験を経ての5thアルバム。
 1曲目から音速パンチを配してくる辺り、分かりやすい決意表明ですね。かつての、激情や過去の傷の吐露とも言える自己表現から、純粋に音楽を楽しむことや、柔らかな感情を伝播することへとシフトチェンジしたというか。
 まあそうなるよねと。休止前と変わらず絶叫したりもしてますが、叫ぶ目的が異なっているし。しかし優しい曲をより優しく歌えるようになっているのは、誰が聴いてもプラス要素じゃないでしょうか。
 また歌詞のエロス度が増しています。これはR-13くらいの指定が必要だな(笑)そして横ノリ系の#5、ジャズの#6、粘っこいムーディなロック#7、KOKIA先生っぽい#11などのように、楽曲面でも広がりを見せています。
 "こっこせかんどすてーじ"として十分アリだと思いますよ。伸び伸びロックしたり、セクシーさを見せたり、活動休止前とは別の意味で奔放に振る舞うCoccoさんも魅力的。「昔のお前はもっと魅力的な目をしていたぞ」と、寝返られた後のヒュンケルと相対したバーン様みたいな意見をお持ちの方にはお勧めできません(2011.11.3)






きらきら 6th Album

01.燦
02.あしたのこと
03.In the Garden
04.甘い香り
05.お菓子と娘
06.An apple a day
07.秋雨前線
08.Baby, after you
09.君がいれば
10.花うた
11.Tokyo Happy Girl
12.小さな町
13.雨水色
14.ハレヒレホ
15.タイムボッカーン!
16.10 years
17.チョッチョイ子守唄
18.Never ending journey


 ついにタイトルがひらがな表記になった、6枚目のアルバム。
 えーと、歌詞が毒気の薄れた絵本の世界風になったのはいいとしても、曲数多くね? もっと数を絞って、1曲辺りにおける濃度を上げた方が良かったと思います。更に楽曲面でのうまみが大分薄れてしまっているのが。アイリッシュと沖縄っぽさを融合させているような曲は面白いんですが。
 個人的に彼女はソングライティング能力に優れているとは思っていなくて、あくまでアシストする存在がいてこそ輝きを放つと感じてるんですよ。
 一番インパクトが強く、気に入ったのは#15。つーか吹き出してしまった。軽快なロックサウンドに乗っかる「タイムマシーンに乗って(中略)乗りゃいいんだろ」「タイムマシーンに乗って(中略)乗れりゃいいんだけど」という投げやりな歌詞。笑うしかないでしょう。これって昔の自分を求めようとするファンに向けた曲?
 あと、#1と#14辺りは曲・アレンジもいいかな。
 ザンサイアンは許容どころか十分アリだと思えたんですが、これはちょっと聴いていて眠くなる。小さなお子さんをお持ちのお母さんにお勧め(2011.11.4)






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