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Efterklang
Tripper 1st Album
01.Foetus
02.Swarming
03.Step Aside
04.Prey And Predator
05.Collecting Shields
06.Doppelganger
07.Tortuous Tracks
08.Monopolist
09.Chapter 6
デンマークのポストロックバンドによる1stアルバム。といってもエレクトロニカに近い?
ピアノやキラキラ系シンセ、弦楽器などが密やかに囁くような、ボリューム小さめの静謐なサウンド。美しさと同時に、ブツ切りノイズを終始鳴らし続けたりと、どこか不安を煽り立てるかのような不安定さを有しているのが特徴的。また歌やコーラスが比較的前に出る状況が多く、歌物としても聴ける内容。
何より面白いのは、ボトムへの意識が高いこと。一定のリズムで淡々と進行するだけではなく、所々変則的なフェイントをかけてきたりと、一筋縄ではいかない。
単に綺麗なだけの音では物足りない、そんなアナタにお勧めです。それにこういうの、日本人ではあまり出せない音なんじゃないかな(2011.9.9)
Parades 2nd Album
01.Polygyne
02.Mirador
03.Him Poe Poe
04.Horseback Tenors
05.Mimeo
06.Frida Found A Friend
07.Maison de Rflexion
08.Blowing Lungs Like Bubbles
09.Caravan
10.Illuminant
11.Cutting Ice To Snow
バンド要素がほぼ消滅し、電子音やシンセ音が全編を支配するように。
そもそもファンはこの人達にバンド要素を求めているのか、元々こういうアーティストなのか、自分はそれすら知らないんですが(笑)、個人的には大いにアリな変化。というか物凄い完成度の高さ。
エレクトロニカとクラシックをミックスしたようなサウンドは幻想的で淡く、美しくも荘厳。掴めそうで掴めない曖昧さをも有しています。より多層的になったコーラスワークと歌がそれに輪をかけ、正にジャケ絵そのままなパレードの光景が、眼前から遥か地平線へと広がっていく。
クラシック的な美麗旋律が次々飛び出してくる#2、全ての穢れを浄化していくかのような合唱が空気を凛々と揺らす#3、合唱と勇壮なドラムス、格調高い弦楽器と管楽器が混ざり合って独特の世界を作り出す#4、深い深い夢の奥へと溶け落ちていく錯覚を味わえる#6、これまでの楽曲とは違ったトーンで仄暗さを漂わせる#7、多層コーラスと管楽器群がキャラバンの行進を想起させる#9が特に素晴らしい。
これはもはや一つの芸術。常人の範囲を逸脱したクロスオーバーセンスを、嫌というほど感じさせられました。名盤です(2011.9.14)
Magic Chairs 3rd Album
01.Modern Drift
02.Alike
03.I was Playing Drums
04.Raincoats
05.Harmonics
06.Full Moon
07.The Soft Beating
08.Scandinavian Love
09.Mirror Mirror
10.Natural Tune
前作の摩訶不思議さはやや控えめになっており、やや現実世界に足のついた作風へ。
まず、歌物に寄ってきていることが挙げられる。そのせいか非常に上質なポップスを聴いているかのような感触です。
もちろん曲の方がおろそかになっているということはありません。歌を引き立てつつも、前作のように細部まで神経の行き届いた繊細なアレンジ。シンプルなフレーズの反復から変則的なリズム、歌メロと手を取ってダンスするかのような綺麗なオブリガート等々、様々な手法をバランス良く、ふんだんに用いています。大所帯ゆえの強みか。ちなみにクラシック要素は減退。
前作を聴いた時のような衝撃はありませんでしたが、この美しさ、至上と言っても言い過ぎではない心地よさは一聴に値するかと。これまでの三作では一番聴きやすいです(2011.9.15)
雉・イク