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the GazettE



1st Album DISORDER 2004年 ★★
2nd Album NIL 2006年 ★★
3rd Album STACKED RUBBISH 2007年 ★★
4th Album DIM 2009年 ★★★
5th Album TOXIC 2011年 ★★★








DISORDER 1st Album

01.intro
02.The $ocial riot machine$
03.Carry?
04.ザクロ型の憂鬱
05.Maximum Impulse
06.花言葉
07.東京心中
08.S×D×R
09.Anti pop
10.七月八日
11.さらば
12.Disorder heaven


 ネオヴィジュ世代の筆頭であり、パクリバンドという裏の顔も持つ(爆)ロックバンド・the GazettEのアルバム。今更なので、パクリや類似云々には触れません。探せば詳しく解説してくれてる所があるし、突っ込みたくなることはあっても、パクリ自体に特に嫌悪感はないので。
 まず技術的な部分ですが、上手くはないですね(笑)全体的に今ひとつまとまりに欠け、フレーズ自体は簡単な物が多い割にとっ散らかって聴こえる。
 個々の技術は、リズム隊は概ねまともそう。ギターはヘヴィな音で誤魔化せる部分はいいものの、多用してる割にカッティングの歯切れが悪すぎたり、ソロパートで時々もたついて聴こえたりも。
 一番まずいのがヴォーカル。ギター同様、がなって歌う時はまだしも(下手下手言われてるけど、これくらいならマシなレベルだと自分は思う)、歌物になるとピッチのヤバさを露呈。#4とかどうなんだこれ。#7の女性目線な曲も、特に歌い分けようとする意志は見受けられない。せめて変な所で歌切ったり、最後は声伸ばした方がいいんじゃね?ぐらいは思ったけど。
 ソングライティング能力も微妙。例えば#3。サビメロが単調な上、場面場面の切り替えがわざとらしすぎる。#4はイントロの電子音いらんだろなどと、叩くと埃が出てきてしまう。勢い任せの曲の方がマシなレベル。
 歌詞は、清春から語彙を抜き取ったような内容だったり、女々しい内容だったり、女性目線の演歌じみた心中ソングだったり。
 しかし#12だけはどうしても突っ込みたくなる。昔の人達は悔いなく死んだ人間ばかりだと思ってるのか? 世界情勢や歴史を見れば、別に平和じゃなくても人や日本は狂えるだろ。あと何で今まで日本にスポットを当てておきながら、「AN ANTI〜」の辺りからいきなり世界を救おうとしてるの? まず自国を何とかすべきじゃ。つーかお前らには日本どころかムツゴロウ王国も救えねぇよ(爆)ふざけるな、やめてくれ。ラストの語りももう……飯島愛が亡くなった後の雑誌で大勢のギャル達が合掌してる絵がありましたが、あれを見た時と同じような思いが込み上がってきた。
 段々暴言じみてきましたが、別にこういうテーマを取り上げるなと言いたい訳ではないことを明記させて頂きます。
 激しい曲までダメだったら問答無用で星1つだったんですが、とりあえずは2つですね。お勧めはできない。異端と自称するにはまだ遠い。他のバンド聴いた方がお得(2012.1.22)







NIL 2nd Album

01.THE END
02.Nausea&Shudder
03.Bath Room
04.Maggots
05.生暖かい雨とざらついた情熱
06.D.L.N
07.SHADOW 621
08.バレッタ
09.Cassis
10.SILLY GOD DISCO
11.DISCHARGE
12.体温


 前作から確実に成長していることが窺えます。単純に作る曲のクオリティが上がっている。#8なんて良いじゃないですか。ゆったりと始まり、徐々に疾走していく展開。技術はさておき、それぞれ演奏的な見せ場もあるし。
 ヴォーカルもピッチは改善されていて、#6・9のようなバラードでも前作よりは安心して聴ける。しかしそうなったらそうなったで、今度は前作ではあまり気にならなかった迫力の無さが浮き彫りに。がなりはまだマシだと思ってましたが、グロウルはダメですね(笑)
 演奏陣も、ギターのカッティングがマシになってたりと良くなってはいるんですけど、作る楽曲に技術が追いつき切れていない印象。#5・10辺りは演奏にメリハリがなく平坦だし、#11はもっと一体感が出せないと苦しい。
 彼らがどれだけ練習熱心とか向上心があるとか、自分には分からないので、楽曲のレベルが上がったという部分だけを素直に喜んどきましょうか(2012.1.23)







STACKED RUBBISH 3rd Album

01.ART DRAWN BY VOMIT
02.AGONY
03.HYENA
04.BURIAL APPLICANT
05.ガンジスに紅い薔薇
06.REGRET
07.CALM ENVY
08.SWALLOWTAIL ON THE DEATH VALLEY
09.MOB 136 BARS
10.GENTLE LIE
11.FILTH IN THE BEAUTY
12.CIRCLE OF SWINDLER
13.千鶴
14.PEOPLE ERROR


 横ノリ系の要素を取り入れようとするのは以前のアルバムからでも少し見受けられましたが、今作はその傾向がやや強まってます。
 はっきり言ってしまえば微妙。このバンド、グルーヴを出すのが下手な印象が自分の中にあるので。リンプやレッチリ辺りを意識したみたいな#2とか、のっぺりしててどうもノれない。そもそも取り入れ方が中途半端なんですよ。合いの手で女性コーラス入れてる程度の#8・11とか。後者はやっぱり演奏自体のグルーヴ感もなし。滑っても何でもいいから、やるなら徹底的にやれと。そっち畑のシンガーとコラボするぐらいしてさ。
 結果的には、#3・12のように、あまり余計なことをしないストレートな曲の方が向いてる、という感想に着地する。前者は空耳も面白いし(爆)風に舞うエビフライ〜♪本当の歌詞は自虐にしか聴こえないので、空耳で楽しんだ方が色々と健康だと思う。あと英語の発音はスルーしろ!
 音的にも歌詞的にもヘヴィなバラードの#13も中々。こういう内容だけどメロは泣き、という手法もベタながら効果的。
 他の良い点は、『生暖かい雨とざらついた情熱』系統である#5のような曲の説得力が増していること。また#7では、これまでになかったような穏やかさと温かみを感じさせるスローナンバーを披露。こういうリズム隊を立たせる曲はいいですね。
 彼らがどれだけ練習熱心とか向上(ry







DIM 4th Album

01.「剥離」
02.THE INVISIBLE WALL
03.A MOTH UNDER THE SKIN
04.LEECH
05.泣ヶ原
06.「エリカ」
07.HEADACHE MAN
08.紅蓮
09.「子宮」
10.13STAIRS[-]
11.DISTRESS AND COMA
12.「感触」
13.白き憂鬱
14.IN THE MIDDLE OF CHAOS
15.「朦朧」
16.OGRE
17.DIM SCENE


 コンセプトアルバムだそうです。
 歌詞を抜きにしても、相変わらず曲調がバラバラでどうもコンセプト性が伝わってこなかったんですが、中々面白かった。#2の曲展開からして、期待を嫌が応にも高めてくれる。どうしちゃったのガゼット!? スリップノット崩れの#7はノーコメント(爆)『DISCHARGE』よりはかなりマシだけど。やってそうでやってなかったエモ曲#14も悪くない。
 外部音の入れ方も改善。ストリングスも#8はともかく、#11はちゃんと曲の一部として機能してる。他にも緩急のつけ方が上手くなってるし、音の作り方や使い方も違うし、演奏もレベルアップ。特にギターが二本とも良くなってます。どうしちゃったのガゼット!!??
 となると気になるのはヴォーカル。こやつが全然伸びておらぬ。もう聴いてると渡米した矢沢を見た安西先生になる(爆)メタルコアな#16にしても、確実に足引っ張ってるし。最後のダークでメロウなバラード#17も曲はいいんだから、もうちょっと上手けりゃ惹き付けられたと思うんですよ。ここが伸びればもっと上に行けたのに。
 あざとい売れ線の排除と、ヴォーカルがもうちょっとまともだったなら、もっと評価良かったですね。正直言うと、DIRの鬼葬よりこっちの方が好きかもしんない(爆)ヴォーカルは当時の京の方が上だけど。
 まとめると、DIM(仄暗い)ではなく、DIR(灰色の銀貨)なアルバムですね、やっぱり(2012.1.25)







TOXIC 5th Album

01.INFUSE INTO
02.VENOMOUS SPIDER'S WEB
03.SLUDGY CULT
04.RED
05.THE SUICIDE CIRCUS
06.SHIVER
07.MY DEVIL ON THE BED
08.UNTITLED
09.PLEDGE
10.RUTHLESS DEED
11.PSYCHOPATH
12.VORTEX
13.TOMORROW NEVER DIES
14.OMEGA


 System of a Downじゃないよ! ガゼットだよ!(爆)
 さて今作ですが、ヴォーカルに優しい方向性へと軌道修正された印象。マリリン・マンソン風の#7もやや歌いやすく加工されていたりと、クリーンで歌い上げる率が各段に上がってます。いっそのこと全部クリーンで歌えばいいのにと思うんですが。相変わらず迫力のないグロウルだし。
 曲は人によっては更に売れ線に傾いたとか、チャラくなったとか言いたくなるでしょうが、自分としては中々に洗練されてきた印象で好感触。王道V系ギターロックとでも言うべき#6は、流石に『ザクロ型の憂鬱』よりは格段にレベルアップしてますね。他の曲たちで聴ける、もうお馴染みとも言える電子音の入れ方なんかも少しは板についてきてます。歌詞は相変わらず清春フォロワー全開。
 そして#10では遂にというか、DIRのUROBOROSに入ってるような曲を披露(笑)歌メロはあっちほど手のつけられないレベルではなく、あくまでガゼット風味ですが。まんま真似して滑るよりは賢明な判断では。
 個人的には妥協ではなく、いい変化と捉えたい。中途半端だったり、適性とは思えない音楽性に行くぐらいならいっそ、こういう路線の方がいいのだ!(2012.1.26)







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