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GLAY



1st Album 灰とダイヤモンド 1994年 ★★
2nd Album SPEED POP 1995年
3rd Album BEAT out! 1996年 ★★
4th Album BELOVED 1997年 ★★★★
Best Album REVIEW -BEST OF GLAY 1997年
5th Album pure soul 1998年 ★★
6th Album HEAVY GAUGE 1999年 ★★★★
2nd Best Album DRIVE-GLAY complete BEST 2000年 ★★★★
7th Album ONE LOVE 2001年
8th Album UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 2002年 ★★
c/w Best Album rare collectives vol.1 2003年
c/w Best Album rare collectives vol.2 2003年 ★★★★
9th Album THE FRUSTRATED 2004年 ★★★
Ballad Best Album -Ballad Best Singles- WHITE ROAD 2005年 ★★
10th Album LOVE IS BEAUTIFUL 2007年 ★★★★★
11th Album GLAY 2010年








灰とダイヤモンド 1st Album

01.真夏の扉 (GLAY VERSION)
02.彼女の"Modern…"
03.KISSIN' NOISE
04.ひどくありふれたホワイトノイズをくれ
05.RAIN (GLAY VERSION)
06.LADY CLOSE
07.TWO BELL SILENCE
08.千ノナイフガ胸ヲ刺ス
09.BURST
10.if〜灰とダイヤモンド〜


 頭とんがってる人達が演奏している様が浮かんできそうなビートロックである(爆)インディーズなのにアングラっぽさがなく、ポップな優等生気質が滲み出ているのが彼ららしいというか。
 変な配分で混ざってるポップ要素とロック要素だとかYOSHIKIが変にGLAYに合わせたみたいな#5とか、曲のクオリティはあまり高くないですが、演奏は悪くなく、特にドラムはしっかりしているので十分聴けます。王道V系の香りがする#6・7が良いですね。
 着飾ってるのに垢抜けない素朴さが抜けていないタイプが好みな人向け(2010.6.23)







SPEED POP 2nd Album

01.SPEED POP (Introduction)
02.HAPPY SWING
03.彼女の"Modern…"
04.ずっと2人で…
05.LOVE SLAVE
06.REGRET
07.INNOCENCE
08.Freeze My Love
09.真夏の扉
10.Life 〜遠い空の下で〜
11.JUNK ART
12.RAIN


 曲構成も演奏も暇を持て余した主婦みたいにダラダラしていて非常にかったるい。#2・5・11辺りは締まりがあるだけでグッと良くなりそうなんだけどな。1stの再録な#3・9・12は流石にこちらの方がマシだけど。
 プロデューサーの佐久間正英含め、まだまだ試行錯誤の段階だったんでしょうか。にしてももうちょっとガツガツしてても良かったのでは。これは大人しすぎる(2010.6.23)







BEAT out! 3rd Album

01.More than Love
02.Yes, Summerdays
03.原色の空<Cloudy Sky>
04.Trouble On Monday
05.Together
06.月に祈る
07.生きてく強さ
08.週末のBaby talk
09.グロリアス
10.軌跡の果て
11.Miki Piano


 BOOWYとXを混ぜて親しみやすくしたみたいな彼らのスタイルが、今作をもって本格的に固まった。今作に限った話ではないですが、この優等生っぷりを受け入れられるかどうかが評価の分かれ目。
 #5・7みたいな美辞麗句のオンパレード歌詞ははっきり言って嫌いですが、#10はいいですね。
 曲で良いのは#3かな。ツインギターの隙間で跳ね回るベースがカッコ良い。後は#1か。本人達も分かりやすいビートロック系統の方がやりやすそうに聴こえる。シャッフルの#4にしても歌謡メロスピもどきな#6にしても、どうもこなしきれていない感が。描写力に関してはラルクの方が上だな。
 こうして通して聴いてみると、確かに黒でも白でもない、灰色な音楽を作り出しているんですよね。良くも悪くも、がつくんですけど、元々のコンセプトを体現している所は評価できます(2010.6.23)







BELOVED 4th Album

01.GROOVY TOUR
02.Lovers change fighters, cool
03.BELOVED
04.SHUTTER SPEEDSのテーマ
05.Fairy Story
06.カナリヤ
07.HIT THE WORLD CHART!
08.a Boy 〜ずっと忘れない〜
09.春を愛する人
10.カーテンコール
11.都忘れ
12.RHAPSODY


 優等生ぶりを保ちつつ、全体的にバンドサウンドが強化されていることでロック的にもそこそこカッコ良くなっているのがいいですね。バラード寄りでも音がしっかりするようになったは好感触。
 JIROがちょこっとだけヴォーカルを取るパンキッシュな#4、いい意味で力が抜けていてほっと一息つける#6辺りはよく出来てるし、四季に恋愛をなぞらえた#9は日本人ならではの珠玉のラブソング。延々とサビが続くような曲展開でも聴き疲れがなくていい。#11も歌詞がいいですね。2コーラス目のBメロが、正に今も彼らが貫く不変のスタンスを象徴している。
 衝動に駆られるような攻撃性は薄く、言ってることは愛だ恋だばっかだけど、売れ線ロックとしては優れている作品(2010.6.23)







REVIEW -BEST OF GLAY Best Album

01.グロリアス
02.彼女の"Modern…"
03.BELOVED
04.More than Love
05.千ノナイフガ胸ヲ刺ス
06.ずっと2人で…
07.口唇
08.RHAPSODY
09.HOWEVER
10.Freeze My Love
11.KISSIN' NOISE
12.軌跡の果て


 約500万枚を売り上げたモンスターベストアルバム。分かりやすいビートロックとバラードと歌謡曲が主成分のほぼ100%を占めております。
 後のベストアルバム『DRIVE』と半分くらい収録曲が重複しているので、今更これを聴く必要性は皆無といっていいです。選曲自体も手放しで褒められるものではないし。何回彼女がモダンになってんだよ。
 中古ショップにて駄菓子くらいの値段で手に入るので、ダイエットでお菓子を断ってるあなたにお勧め(2010.6.23)







pure soul 5th Album

01.YOU MAY DREAM
02.ビリビリクラッシュメン
03.May Fair
04.SOUL LOVE
05.出逢ってしまった2人
06.pure soul
07.誘惑
08.COME ON!!
09.FRIEDCHICKEN&BEER
10.3年後
11.I'm in Love


 人気絶頂時にリリースされた5thアルバム。
 売れ線といえば確かに売れ線だし、音がより分厚めになったけど、なんか違和感が。1曲辺りのインパクトに欠けるというか。
 まずタイトルトラックの#6は掛け値なしに素晴らしいです。歌詞だけ読んでも涙腺が緩みそうなくらい。TAKUROの半生を綴った日記であると同時に他者への強烈な求心力を備えた神曲。
 あと、昔はまるでピンと来なかった#8・9みたいな実験的な曲の方が、今となっては良く聴こえる。逆に昔名曲だと思ってた#3・5がすごく色褪せて聴こえたり。感性が変わったからでしょうか。歌詞に関しては昔の通り、後者のタイプの方がいいんですけど。TAKUROはふざけた歌詞を書くセンスはあまりないな(苦笑)(2010.6.23)







HEAVY GAUGE 6th Album

01.HEAVY GAUGE
02.FATSOUNDS
03.SURVIVAL
04.ここではない、どこかへ
05.HAPPINESS
06.summer FM
07.LEVEL DEVIL
08.BE WITH YOU
09.Winter,again
10.Will Be King
11.生きがい
12.Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜


 今までとは毛色が違うオープニングナンバーから分かるように、重いムードを出そうとしているのは分かりますが、鬱になるほどディープでないのは果たして彼らの人柄か限界か。皮肉も明るい言葉でやっちゃうのは彼ららしくて悪くないけど。
 歌詞の聴き取り辛さが増しているのはマイナス。彼らのように歌や言葉を大事にしているバンドの場合は特に。言葉遊び系はまだいいけど、バラード系はまずいだろ。
 #9がベストトラックでしょうか。冬の空気感を完璧に体現した素晴らしい名曲。LUNA SEAのSUGIZOのことを歌ったらしい#11も秀逸。メロディや曲展開も◎。#2はギターの音作りが面白かったりしますが、ヴォーカルが何歌ってるかさっぱり分からん(笑)
 ゴスペル入りの#5・10は入れた必要性がまるで分からないんですが。また#7は変な曲を作ろうとして失敗した末路、といった匂いが。
 こういう重たさの表現もアリなんじゃないでしょうか(2010.6.23)







DRIVE-GLAY complete BEST 2nd Best Album

●DISC 1
01.とまどい (Jet the Phantom)
02.口唇
03.SHUTTER SPEEDSのテーマ
04.ずっと2人で…
05.グロリアス
06.a Boy 〜ずっと忘れない〜
07.生きてく強さ
08.HAPPY SWING
09.彼女の"Modern…"
10.SOUL LOVE
11.HOWEVER
12.I'm in Love

●DISC 2
01.誘惑
02.生きがい
03.ビリビリクラッシュメン
04.BELOVED
05.HAPPINESS
06.サバイバル
07.pure soul
08.BE WITH YOU
09.Winter,again
10.春を愛する人
11.SPECIAL THANKS
12.Missing you


 本人達の意向かはさておき、やたらベストアルバムをばら撒くバンドですが、これが一番効率よく要点を抑えられていて入門には最適なのではないかと。当然『ONE LOVE』以降の楽曲は入っていませんが、一般的に言われる絶頂期までのおさらいには十分。
 ちなみに選曲はアンケートで『決定』した訳ではなく、アンケートを『参考に』選んだらしいです。概ね結果通りに反映させたようですが。それにしてもポップ系の曲ばかりですな。ファン層を考えると自然なことだけど(2010.6.23)







ONE LOVE 7th Album

01.ALL STANDARD IS YOU
02.WET DREAM
03.嫉妬 (KURID/PHANTOM mix)
04.HIGHWAY NO.5
05.Fighting Spirit
06.ひとひらの自由 (Johnny the peace mix)
07.THINK ABOUT MY DAUGHTER
08.VIVA VIVA VIVA
09.Prize
10.MERMAID
11.mister popcorn
12.電気イルカ奇妙ナ嗜好
13.STAY TUNED
14.君が見つめた海
15.夢遊病
16.Christmas Ring
17.GLOBAL COMMUNICATION
18.ONE LOVE 〜ALL STANDARD IS YOU reprise〜


 まさか質より量などと考えたか? 意外にも横ノリとの相性の良さを見せた#1・6、#2〜4・10辺りのロックナンバーはまだいいですが、勢い重視という言葉では誤魔化せないくらい中盤以降の曲に作り込みの浅さを感じる。完全にパンキッシュに吹っ切れて、HISASHIのギターをもっと飛び道具的に活用したアルバムなら全18曲でも良かったけど。シンプルな曲をハイレベルに聴かせられるほど、基礎体力に特化したバンドでもないし。
 TAKUROの書く歌詞に『愛は地球を救う』的な思想がくっきり見受けられるようになったのもこの頃から。押し付けがましさがなく、一応個人的レベルながら自分の主張を提示しているだけマシか。
 ある意味日本人らしい作品です(2010.6.23)







UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 8th Album

01.WE ALL FEEL HIS STRENGTH OF TENDER
02.またここであいましょう
03.girlish MOON
04.Way of Difference
05.航海
06.ゆるぎない者達
07.夏の彼方へ (Johnny the unity mix)
08.neverland
09.彼らのHOLY X'MAS
10.Father&Son
11.卒業まで、あと少し
12.Friend of mine
13.ALL STANDARD IS YOU 〜END ROLL〜


 自身も認めている、TAKUROのオナニー作品。
 バンドサウンドがいつも以上に薄く、ストリングスやコーラスを多用しているとはいえ、楽曲自体も作り込んでいるとは言い難い。曲に飽きることなく、TAKUROの個人的な詞に共感できて、なおかつTERUの歌が好きな人向け。
 歌詞がやや意味不明ですが、しっとりしたムードをよく演出できている#3がベストトラック。#13のリミックスもいいですね。#4もメロはいいですが、ヴォーカルが音符の多さについてこれてなく発音が少し聴き取り辛いのが難点。
 大衆性は高いけど、案外間口の狭い厄介な作品(2010.6.23)







rare collectives vol.1 c/w Best Album

●DISC 1
01.Life 〜遠い空の下で〜
02.INNOCENCE
03.REGRET
04.GONE WITH THE WIND
05.ACID HEAD
06.Believe in fate
07.Together (new version with orchestra)
08.春を愛する人
09.I'm yours
10.Little Lovebirds
11.毒ロック
12.ストロベリーシェイク
13.It's' dying It's not dying
14.幸せになる、その時に。

●DISC 2
01.INNOCENCE (LIVE VERSION1995.6.12.in SHIBUYA KOKAIDO)
02.見つめていたい (from GLAY TOUR '98 pure soul PAMPHLET CD)
03.サバイバル (LIVE VERSION 99.3.10 IN TOKYO DOME)
04.MISERY (from The Album「hide TRIBUTE SPIRITS」)
05.MISERY (GLAY EXPO'99 SURVIVAL LIVE VERSION)
06.ここではない、どこかへ (GLAY EXPO'99 SURVIVAL LIVE VERSION)
07.ひとひらの自由 (GLAY EXPO 2001"GLOBAL COMMUNICATION"IN KYUSHU VERSION)


 『BELOVED』の所で書いたように#8は名曲ですが、全体的には特筆することもない凡庸な曲がズラズラ並ぶ。#11〜13にしてもふざけ方が半端で滑っている感が。この時はあまりカップリングに力を入れてなかったんでしょうか。#8の他に聴けるのは、ライブ音源っぽく仕上げたロックナンバー#5くらいでしょうか。
 2枚目は#2・4以外はライブ音源。ライブは無難な出来ですが、頭数合わせといった印象が拭えない。青春パンクみたいになった、hideのカバーである#4はまあアリだと思いますが、純粋なhideファンは嫌がりそうだな。
 お勧めは出来ないです(2010.6.23)







rare collectives vol.2 c/w Best Album

●DISC 1
01.Young oh! oh!
02.HELLO MY LIFE
03.summer FM
04.ROCK ICON
05.Good Bye Bye Sunday
06.TIME
07.WHY DON'T WE MAKE YOU HAPPY
08.GOOD MORNING N.Y.C
09.BACK-UP
10.Super Ball 425
11.卒業まで、あと少し
12.BROTHEL CREEPERS
13.いつか

●DISC 2
01.17bars (Instrumental)
02.Cynical
03.neuromancer
04.アイ
05.Surf Rider
06.GIANT STRONG FAUST SUPER STAR
07.17ans
08.I'm yours (Knightmare mix'99)
09.道産子シーサー


 vol.1よりは断然こちらの方が出来がいい。
 GLAYらしからぬ超攻撃的なミクスチャー#1-4に度肝を抜かれたし、エルヴィスならぬテルヴィスがマイクを取る#1-8も皮肉な意味じゃなく笑える。キャリアを重ねてより質の高い楽曲を作れるようになったことを実感させてくれますね。色々なタイプの曲がバランス良く収められているのも○。
 HISASHI曲を集めた2枚目も面白く、彼の遊び心が存分に発揮されております。ただGLAYのアクセントで終わらせるには惜しい存在であることを再確認させてくれる。声優を呼んで小コント(爆)をやらせてるのにはビックリしたけど。
 ガレッジセールの二人を加えた『GALAY』名義で発表された#9はTAKU…鼻キューピットの曲。企画用レベルの出来ですが、面白いのでOK。
 彼らがあまり見せない一面を知ってみたいリスナーにお勧め(2010.6.23)







THE FRUSTRATED 9th Album

01.HIGHCOMMUNICATIONS
02.THE FRUSTRATED
03.ALL I WANT
04.BEAUTIFUL DREAMER
05.BLAST
06.あの夏から一番遠い場所
07.無限のdeja vuから
08.時の雫
09.Billionaire Champagne Miles Away
10.coyote, colored darkness
11.BUGS IN MY HEAD
12.Runaway Runaway
13.STREET LIFE
14.南東風


『ONE LOVE』を洗練したような感触で、特に音作りが非常に良くなりました。そうなると自然とリフのカッコ良さも増す訳で、勢いで押す展開がより上手く出来るようになったと。誰にでも分かるように薄めまくった印象しかないシングル曲#4・8はちょっといただけないし、東京スカパラ(ry のメンバーが参加した#5ではギターが消えすぎていたりなど問題もありますが、総体的には凄くプラスに働いている。
 逆に歌詞にはあまり惹かれるものがなかったんですが、#13はいいですね。TAKUROの書く人生ソングは高確率で当たるよなあ(自分の心に)TERUの熱唱も涙腺を刺激してくれる。
 これはBOOWY系ビートロックが苦手な人でも聴けると思います(2010.6.23)







-Ballad Best Singles- WHITE ROAD Ballad Best Album

01.ホワイトロード
02.Way of Difference
03.SOUL LOVE
04.BELOVED
05.SPECIAL THANKS
06.Blue Jean
07.逢いたい気持ち
08.a Boy〜ずっと忘れない〜
09.HOWEVER
10.ずっと2人で…
11.BE WITH YOU
12.Winter,again
13.時の雫
14.つづれ織り〜so far and yet so close〜


 バラードベストではなく『バラッド』ベストだそうです。
 しかし収録曲を見るとどの道、ファン以外のリスナーにとっちゃどうでも良さそうな違いである(爆)かくいう自分も(ry
 大概のアーティストがやることですが、全てのアルバムを持っているようなリスナーにも手に取らせるよう『オリジナルアルバムに収録されないシングル曲』を作る手法も健在。1曲のみでないだけまだ良心的だけど。#1・6・7・14がそれに該当しますが、作り慣れてるからか手堅い出来。個人的には名曲、と呼べるクオリティではないですが、彼らのバラッドが好きならお気に入りになりうるレベルではあるかな。
 そんな感じで、GLAYのパブリックイメージを凝縮した一枚です(2010.6.23)







LOVE IS BEAUTIFUL 10th Album

01.ROCK'N'ROLL SWINDLE (album ver.)
02.変な夢 〜THOUSAND DREAMS〜
03.100万回のKISS
04.夏音
05.AMERICAN INNOVATION
06.ANSWER (album ver.)
07.僕達の勝敗
08.サラギの灯
09.WORLD'S END
10.SCREAM (album ver.)
11.恋
12.I will〜
13.LAYLA (album ver.)
14.MIRROR


 タイトルだけでもギップルが悶絶しそうなくらいクサいですが、彼らのディスコグラフィーにおいても屈指の良作ではないでしょうか。垢抜けつつ売れ線のお作法を守ったサウンドに、売上全盛期の頃に勝るとも劣らない良メロを乗っけた曲がバンバン飛び出してきます。質の高い歌謡ロックアルバム。そこが受け付けない人はダメだと思うけど、一度離れたファンを呼び戻すのには凄く向いているのではないかと。
 今作は他アーティストとのコラボ曲(#6・10)があるのも特徴。氷室京介とのコラボである前者は、ヴォーカルがぶつかりあってくどくなるんじゃないかと危惧してたんですが、これが大ハマリ。上下パートをくっきり分けることで立体的になり、正にボウイズムを二世代で体現したナイスな曲に。
 EXILEとコラボした後者はロックとダンスミュージックを合わせた曲調ですが、水割りを水割りで割ったみたいに薄すぎて好きじゃない。せめてどっちに傾いてもいいから濃厚に!
 歌詞は相変わらず優等生な単語を羅列しながらも、今回はTAKUROのポリシーでもある『永遠の否定』がより色濃く現れている。他の作品でも見受けられますが、必ずしも無責任な綺麗事を吐いているだけではない所は好きですね。
 個人的に突出して好きな曲はないんですが、強いて挙げるなら#14がベスト。『軌跡の果て』を少し爽やかにしたような歌詞が染みる(2010.6.23)







GLAY 11th Album

01.シキナ
02.汚れなきSEASON
03.WASTED TIME
04.遥か…
05.Apologize
06.月の夜に
07.風にひとり
08.Precious
09.Satellite of love
10.Chelsea


『これぞGLAYと言えるアルバム』がコンセプトだそう……なーにがコンセプトじゃゴルァァァ!!
 そういう台詞は常に実験を繰り返しているようなバンドが言うべきことであって、常に自身のパブリックイメージを具現化したようなアルバムばっか量産してる彼らが言うことじゃない。今回も同じで、仕切り直しのための溜めや爆発力を感じるような内容でもないし。『Death to all dirty rock!!』と言い放ってひたすら綺麗事歌いまくる、みたいなスタンスだったらもう共感しまくりですが。
 つまり、詞曲ともに印象が薄い。既に化石化してるような前世紀のビートロックだの、安い居酒屋の水割り並に薄いバラードだの、全盛期の完成度には遠い。やってること自体はほとんど変わってないはずなのに、何故こう感じるんだろう。近年の売れ線ポップスの傾向も取り入れようとしてるからだろうか。
 何より、明らかに歌に張りがなくなってきているのが痛い。何より歌が最前線に来るタイプのバンドですからね。
 今は若い世代から色んなタイプのロックバンドが出てきているので、これで他のリスナーに勝負かけるのはキツい。完全に固定ファン向け。逆に言うと、彼らの作り出す調和の取れた世界が大好きなら、安定して聴ける作品でもあります(2010.11.1)







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