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GO!GO!7188


1st Album 蛇足歩行 2000年 ★★★★★
2nd Album 魚磔 2001年 ★★★★★
3rd Album 2003年 ★★★★★
5th Album パレード 2006年 ★★
6th Album 569 2007年 ★★★








蛇足歩行 1st Album

01.ジェットにんぢん
02.ゆげ
03.行方不明
04.太陽
05.彼女と私
06.こいのうた
07.西部
08.ぬかるみ
09.ロック
10.パンク
11.こがねむし-カレーライス-


 2012年に惜しくも解散してしまった女性2人、男性1人のスリーピースバンド・GO!GO!7188のアルバム。
 音楽性はGSからかなり影響を受けていると思われます。単なる模倣だけに終わらず、#3では家を飛び出した少女の激情を歌ったり、#6では失恋を歌ったり、#9・10はタイトルからお察しの通りだったり、調味料をパッパと入れてGSを上手く若者向けに消化しているんですね。
 そして演奏が上手いです。ジャンル上、難しいことが要求される場面はあまりないですが、その分基礎的な部分が非常にしっかりしてます。歌唱力は普通ですが、時にヴォーカルをハモらせたりして、メロディの活かし方も上手い。ちなみにメロは歌謡的。
 椎名林檎キノコホテルが好きな人は何かしら引っかかるのではないでしょうか。ヴォーカルの声質や歌い方自体はこの両者ほどクセがなく、ストレートなんですが(2013.8.4)






魚磔 2nd Album

01.文具
02.C7(Album Version)
03.あぁ青春
04.A.M.7:30
05.本音風船
06.桜島
07.ドタン場でキャンセル
08.恋の毒薬
09.めみみはなくち
10.とかげ3号
11.こいびと


 GSよりもロック方向へと舵を切ってきた印象の2nd。
 もしかすると、レトロな物好きにはちょっと満足度が落ちてしまうかもしれませんが、そうでないリスナー、特にガレージやパブロック好きにはオススメ。歌謡曲メロだということを考慮に入れてお聴き下さい。
 個人的には演奏技術のみならず、作曲力の上手さも思い知った作品でした。#2はコードを曲名にしているだけあってコード進行がキレイだったり、#3では転調を上手く使ってドラマティックさを演出したり、#5では3拍子もカッチリこなしたり。休符の使い方も熟達してます。
 ギチギチにストイックではなく、適度なゆるさも入れていて、実にバランスの良いバンドです。見た目と声色でリスナーを釣ろうとしているようなガールズバンドとは、色々な意味で一線を画しております(2013.8.5)






鬣 3rd Album

01.うましかもの
02.浮舟
03.大人のくすり
04.ないものねだり
05.ななし
06.ナイフ
07.雨のち雨のち雨
08.無限大
09.月と甲羅
10.ポラロイド
11.サンダーガール
12.種


 沖縄っぽいアートワークスが象徴しているように、今回は歌謡曲というよりも『和』ですね。更にアルバム全体が少しだけ暗めな空気に包まれていたり、ベースラインがより強調されているといった特徴も。
 代表曲の#2は素晴らしいですね。日本人の琴線に触れるメロディ、和風に音作りしたギター、粘っこく張り付くベースライン、計算高く隙間を埋めるドラミング……この1曲だけでも、彼女達が図抜けた実力者であることを感じさせてくれます。
 アンニュイなベースが病みつきになる#3、さりげないハモリが耳を幸せにしてくれる#5、激情に任せて雨の中を疾走したくなる#7、モヤモヤした気持ちを延々と吐露するような、うねったプレイをする#8辺りもいいです。
 1stや2ndのお気楽さが好きな人にはちょっと重たく聴こえるかもしれません。逆にシリアス路線の方が好きな方には良いでしょう。陰鬱になりすぎるということもないので、安心して聴けるかと。この作品が一番椎名林檎っぽいかも(2013.8.6)






パレード 5th Album

01.近距離恋愛
02.雨上がり アスファルト 新しい靴で
03.スカ
04.シャングリラ
05.パレード
06.雪が降らない街
07.ララバイカウントダウン
08.Fatな彼
09.ランランラン
10.映画と雨降りの朝
11.ひとりたび


 フレージング自体はあまり変わっていないはずなんですが、音作りが薄味になってる分、なんか普通のギターロックに近付いてしまった気がします。せっかくバカ殿やチャオズを思わせるおもしろアートワークスなのに勿体無い。もっと遊んでくれて良かったのに。これじゃ天さんでなくても置いていきたくなってしまいます。
 ポップであることは悪ではありませんが、こうも薄味では味わいがなくて。歌詞が女子供受けするようになってる部分も、男の自分からすると、ちょっと好みから外れて聴こえました。
 そんなわけで、新婚さん向けのアルバム。『新婚さんいらっしゃい』でも観ながら聴くといいんじゃないでしょうか(2013.8.7)






569 6th Album

01.あしのけ
02.脳内トラベラー
03.真夏のダンスホール
04.3人のブギーマン
05.世界の車窓から
06.眠りの浅瀬
07.ロックスターになったなら
08.チェーン
09.アイムラッキーガール
10.マンホール
11.小さな爪跡
12.青い夜
13.えそらごと


 ツタツタ2ビートで疾走する#1、スカの#2、イントロが少しSugar Baby Loveぽかったりテケテケも入ってサーフを意識した#3、タイトル通りブギをやりつつ独特のメロディラインが印象に残る#4……
 曲調に幅を持たせているのはいい変化だと思ってたんですが、どうやら序盤だけだったようです。後半はギターロックにシフトチェンジ。ただ前作よりも攻撃性は増しているので、聴き応えはあります。
 同時に、聴かせる部分もしっかり聴かせてくるようになったり。元々演奏力や構成力は高いバンドでしたが、今作は前作で微妙だった『薄めの音』にアジャストした曲作りが出来ていると感じました。
 ですが、やはり個人的には初期のような音が好きなので、そこまで大満足とも行かず。いっそのこと徹底的にカラフルでバリエーション豊富なアルバムに仕立てた方が良かったように思います。序盤の曲を聴くに、幅広いジャンルに対応できそうですしね。アルバム全体で見ると、ちょっと舵取りが曖昧なのが残念なポイントでした(2013.8.8)






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