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Gregor Samsa
1st Album |
55:12 |
2006年 |
★★★★ |
2nd Album |
Rest |
2008年 |
★★★ |
55:12 1st Album
01.Makeshift Shelters
02.Even Numbers
03.What I Can Manage
04.Loud And Clear
05.These Points Balance
06.Young And Old
07.We'll Lean That Way Forever
08.Lessening
アメリカはバージニア州・リッチモンド出身のポストロックバンド、グレゴール・ザムザのアルバム。お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、バンド名はカフカの小説に出てくる人物から取られています。
音楽性ですが、ポストロックとしては非常に聴きやすい部類に入るので、初心者向けですね。映画のBGMみたいに感動的なストリングス、メランコリックな男女ヴォーカルなどによって彩られる、スローで夢見心地な展開や、そこから段々と上りつめて目覚め、現実世界の美しい風景を目の当たりにするかのように壮大でドラマティックな曲展開がメイン。歌モノに近いですし、メロディもキレイなので、サントラなどが好きならすぐ入れるかと。
ただし初心者からマニアまで満足させられるかと聞かれると、少し首を傾げたくなります。アバンギャルドで尖ったポストロックが好きな人には不向きかなと。新人バンドらしいというか、展開も音色も、全てが良くも悪くも素直すぎるんですよね。シューゲイザーやドリーミー系の要素を突き詰めている訳でもありませんし。
音楽性自体は好きなんですけど、ポストロックの『ポスト』な要素を強く感じられなかったので、少々満足度は落ちました(2013.7.17)
Rest 2nd Album
01.The Adolescent
02.Ain Leuh
03.Abutting, Dismantling
04.Company
05.Jeroen Van Aken
06.Rendered Yards
07.Pseudonyms
08.First Mile, Last Mile
09.Du Meine Leise
10.These Bonus Balance
前作よりも静謐な雰囲気に包まれている、2枚目のアルバム。
アンビエントにも近いような、アイスランド系の要素を徐々に取り入れてきています。
……が、やはりどうにもフックに乏しい。BGM向けというか睡眠導入音楽というか。Restなんてタイトルからしてそれを狙ってるのかもしれませんが。自分でも実際にやってみましたが、確かにリラックスしたい時や寝る直前に聴くと心身ともに解れます。
ベストトラックは#8。これに限ってはガッツリ聴ける名曲です。後半のノイズやフィードバック、分かりやすく盛り上がったり、あっさりと終わったりしないクセのある曲展開と、ギミックが色々仕込まれています。
これも体験談ですが、本気で意識を集中して聴こうとすると、ホントにあっけなく終了します。アヴドゥルの最期並にあっけなさすぎます。なので場面を選んで聴くのが良いでしょう(2013.7.18)