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HIGH and MIGHTY COLOR


1st Album G∞VER 2005年
2nd Album 傲音プログレッシヴ 2006年 ★★★
3rd Album 2007年 ★★








G∞VER 1st Album

01.G∞VER
02.NOTICE
03.PRIDE
04.Naked
05.OVER
06.Days
07.SWEET ESCAPE
08.RUN☆RUN☆RUN
09.What for...
10.Rain
11.With YOU


 かつてガンダムのタイアップという形で鮮烈なデビューを果たしたヘヴィポップバンド・HIGH and MIGHTY COLORの1stアルバム。大人の事情というものにこれ以上翻弄されたバンドも、ちょっと珍しいのではないでしょうか。
 それはさておき、バンド名のHIGH and MIGHTYには『傲慢』という意味が含まれていますが、確かにある意味傲慢というか、統率が取れていないバラバラさが目立ちます。
 まず、事務所から押し付けられたマーキーという女性Vo.の存在。何でよりにもよってこの子を……って言いたくなるくらいバンドの音と不調和。声質は確かに良いんですけど。Every Little Thingの持田香織がメタルを歌ってる図が全く浮かばないのと同じ。ぶっちゃけ純粋な歌唱力も(ry #11みたいなポップ路線の方が明らかに歌い慣れてるけど、それでも(ry
 しかし男性Vo.側も同罪に近いレベルのしょっぱさ。普通に歌うパートは論外ですが、シャウトもラップもそんなに上手くないっていう。この体たらくでは、メロディが要求されるポップ路線をやるのは苦しいだろうと。そもそも主旋律の入れ方が結構な割合でゴチャついてますし、詞の乗せ方もヘンテコで聴き取り辛くなることも。
 演奏についてですが、スキルは年齢の割にあるっぽいけど、他パートとの兼ね合いを考えてないというパターン。やたらめったら叩きたがるドラム、多少は抑え目だけど隙あらばピロピロ弾きたがるギター……まともなのはベースぐらいかも。後述しますが、ミックスの関係上一番聴き取り辛くなっているという不遇さですが。
 そのミックスなんですが、低音がスカスカすぎるんですよ。5弦ベースに加え、7弦ギターをダウンチューニングして弾いてると思われるんですが、全然響いて来ない。こういう部分では別にポップさを意識しなくてもいいと思うんですが。天ぷらが食べたいのに、衣ばっかり食わされてる感じ。
 何が言いたいのかと言いますと、ヴォーカル変わったぐらいで音楽的に良くなるかと言えば、そうにも聴こえなかったってことです。実際はヴォーカル変わったら割と早く解散しちゃいましたが。
 かなりボロクソ言ってるように聞こえるかもしれませんが、全てが気に入らない曲だったということはなかったです。マッドカプセルマーケッツみたいな#1は好きです。
 でも総じて合わない曲を無理矢理やらされてる印象を受けるアルバムでした。陰陽座の黒猫レベルの逸材を見つけてからバンドに組み込んであげればよかったのに、と無茶なことを考えたくなってしまいます。
 陰陽座、エヴァネッセンス、アークエネミー、凛として時雨……この辺りが好きな人が聴いて気に入るかどうか。男女ツインヴォーカルのバンドが好きな自分でも、これはちょっとダメでした。アホな親に翻弄される中高生の少女みたいなバンドと作品(2013.7.25)






傲音プログレッシヴ 2nd Album

01.一輪の花
02.for Dear...
03."Here I am"
04.宝石の涙
05.水玉ラムネ
06.背徳の情熱
07.罪
08.リアルワールド
09.A PLACE TO GO
10.STYLE 〜get glory in this hand〜
11.パールシャドウ
12.黒アゲハ舞う丘
13.星空に降る雪
14.ガーデン オブ MY ハート


 前作はクソミソに書いてしまいましたが、今作はそうなりませんのでファンの方も安心だと思います><
 メンバー全員がそれぞれ歩み寄った感があって、その分純粋な連携力・クオリティアップに繋がってます。その代償というか、演奏が少々ストレートに寄りましたが、これもいい変化ではないでしょうか。メロディとの噛み合わせも良くなってカッコ良くなってますね。そういう意味ではプログレッシヴどころかむしろ保守側なんですが。譲音コンサバティヴ。
 ミックスも良くなっていて、前作よりも低音が効くようになっています。ギターの音作りも、こういうジャリっとした感じの方がバンドに合ってると思います。
 気に入った曲は、まずは#2ですね。サビ直前の溜めがいい感じで、特にメロディが良い。マーキーに無理をさせず、なおかつメロディアスで連続性のある流れが素晴らしいです。
 そこから続く、歌謡メタルコアの#3も中々ナイス。高速オルタネイトピッキングは思わずグッと来ました。そして#11も、ピロピロ言わせるリードギター『は』カッコいい。上でも述べましたが、前作とは異なり大分理性的に歩み寄っているので、普通にカッコ良く聴けるんですよ。
 残念な点は、どっちつかずな半端さを消し切れてない所。#5・13辺りの「徹し切れてなさ」だとか、#6の中途半端なパーカッションやエキゾチックな曲調だとか。ポップにせよヘヴィにせよ、完璧に融合させられないなら割り切った方が早かったのでは。
 名誉挽回というか汚名返上というか、きっちり修正を加えてきて、クオリティ以上に好印象は受けた作品でした(2013.7.26)






参 3rd Album

01.遠雷〜遠くにある明かり〜
02.レジスタンス
03.DIVE into YOURSELF (YOUR VOICE Version)
04.恋心
05.オキザリス
06.ハミングバード
07.The moon illuminates
08.夜明け前
09.三度目の桜
11.睡蓮
12.LAST WORD
13.a shape of love
14.辿り着く場所
15.オキザリス (MOVIE VERSION)


 まず、マーキーの着実な成長が聴いて取れるアルバムです。#5を聴いて初めて、彼女の歌に表現力という言葉を感じました。ただあくまでも『成長してる』ってだけで、バンドの音が要求するレベルにはまだ届いていないのですが。
 一方バンド側は、音だけヘヴィにしたロック路線という道を選択。連携力と経験の積み上げがあるので1stの頃のような惨劇にはなっておらず、普通に聴けるんですけど、その代わりどっかで聴いたことのあるようなメロディやフレーズが増えた気がします。
 #4はイントロのテンションのままゴリゴリで行くとか、そういう意外性をもっと見せて欲しかったですね。予定調和に収まるには若すぎるし、技術的にズバ抜けていないし。
 とはいえ、駄作と罵倒するほど悪くはないので、とりあえず「参じゃなくて惨だろ」とは言わずに済みそうです(2013.7.27)






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