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キノコホテル



1st Album マリアンヌの憂鬱 2010年 ★★★★
Cover Album マリアンヌの休日 2010年 ★★★
2nd Album マリアンヌの恍惚 2011年 ★★★★
3rd Album マリアンヌの誘惑 2012年 ★★★★★
Cover Album マリアンヌの逆襲 2013年 ★★★★








マリアンヌの憂鬱 1st Album

01.静かな森で
02.真っ赤なゼリー
03.もえつきたいの
04.還らざる海
05.ネオンの泪
06.あたしのスナイパー
07.夕焼けがしっている
08.キノコホテル唱歌


 メンバー全員がキノコカット(公然猥褻ヘアーではない)、ミニのミリタリールックという、この2011年の日本において特異な出で立ちが特徴的なネt……コンセプチュアルなガールスバンド。実に時代錯誤なご婦人方である(爆)
 ちなみに設定も聖飢魔Uみたいに色々あるので、興味のある方は公式サイトなりWiki先生なりでチェックしてみるといいかと。
 で、楽曲について。前述したリンクを読んだ方はもうお分かりでしょうが、ルックスに違わぬ時代錯誤なサウンドを特徴としています。60年代のGS・ガレージパンク・昭和歌謡をルーツとした音ですが、正直自分はこの辺全く無知なので分かりません! すいません! とりあえずGo!Go!7188や椎名林檎よりもっとディープで古めかしいです。
 演奏は自分の知る範囲におけるガールズバンドの中でも、かなりしっかりしている方。全てのパートのポジショニングが絶妙で、引く所は引き、出る所は出てくるバランスの良さが最大の武器か。
 そしてこのバンドを本格派に聴かせてしまう一番のポイント、それはヴォーカル。男女関係の酸いも甘いも噛み分けたのような年増ヴォイス(爆)がやたら曲にマッチしているのです。自分の声の特徴に気付いた時点でこういうバンドを組んだんだろう、と邪推せずにはいられないくらい。
 だから歌詞もそんな内容。V系バンドのシドよりも、もっと過去へとタイムスリップしてます(笑)また性的な匂いをやたら漂わせているのも特徴。「女の子はみんなキノコが大好き」とかキャッチフレーズで使ってるぐらいですから。もしかしたら『キノコ火照る』ともかけてる? もうスーパーマリオを純粋にプレイできなくなるではないか(爆)
 ちなみに表現自体は別段難解でもなく、日本語の奥深さを再確認させるようなものでもなく、無難なレベル。歌詞だけで抜けるとか、そういうことはありません(最悪)
 ユーミンみたいな#4が個人的には一番良かったかな。ネタっぽさに反して日本人には馴染みやすいメロディが揃ってるし、地力もありそうなので、意外と好きになれる人は多いんじゃないかと。将来的にさいたまスーパーアリーナなどの大会場を埋める光景みたいなものはイメージし辛いですが(2011.10.8)







マリアンヌの休日 Cover Album

01.真夜中のエンジェル・ベイビー
02.ピーコック・ベイビー
03.恋は気分
04.恋はふりむかない
05.謎の女B
06.山猫の唄


 カバーアルバム……らしいですが、すいません! 自分は元曲を1つも知りませんでしたー!
 というか最初カバーだと知らなくて、普通にオリジナル曲だと思ってた。で、一応原曲を聴いてみた上での感想。
 リズム隊のパートをいじってたり(特にベースに拘りを見せてくるのはらしいというか)と、キノコホテル仕様に微調整してるようですが、元ネタを相当マニアックな所から選んでるらしいので、原曲の良さを再確認するような聴き方が出来る人って案外少ないんじゃないかなと。
 マリアンヌ東雲が「他人の反応など知ったことではありませんことよ」と、気ままに出してみた作品、って所か。次こういう企画があるなら、最近の曲をこういう風にアレンジしたカバーアルバムを聴いてみたいな。え〜け〜び〜とかけ〜ぽっぷを弄った物を(2011.10.10)







マリアンヌの恍惚 2nd Album

01.キノコホテル唱歌U
02.白い部屋
03.非情なる夜明け
04.危険なうわさ (淑女仕様)
05.風景
06.キノコノトリコ
07.人魚の恋
08.荒野へ
09.愛人共犯世界
10.マリアンヌの恍惚


 やってること自体は大して変わった気がしないんですが、音のバランスを変えてきてます。ベース音が強くなった。
 これが大成功というか、個人的には大ハマリ。元々の連携を崩さぬまま、ベースを奔放にやらせることで音の色気がグッと増した。
 逆にギターとキーボードの音作りにレトロさ(特に後者)がやや薄れているので、そこがちょっと残念。売る為の路線変更では全くありませんけど。
 ベースフェチや実際に弾いている人には是非聴いてもらいたいですね。そりゃスラップとかは飛び出しませんけど、センスと技術に溢れるプレイ満載ですから(2011.10.11)






マリアンヌの誘惑 3rd Album

01.四次元の美学
02.球体関節
03.業火
04.愛と教育
05.その時なにが起こったの?
06.エロス+独裁
07.恋のチャンスは一度だけ
08.回転ベッドの向こうがわ
09.悪魔なファズ
10.♯84


 前作の路線を受けて大衆的な方向へ行くどころか、よりアクが強く出た作品となりました。支配人・マリアンヌ東雲のドSっぷりが一層濃く出ております。
 まずアルバム構成自体が焦らしプレイ。中々歌が入ってこず、2曲目の後半でようやく歌い出す。しかも3曲目のラストでようやくタイトルコール。
 プレイ面でも、勿論スパンスパンと責めてます。ファズを効かせて潰れた電気ギター、過去作よりも弾きまくってもはやリードギターなフレーズを鳴らしている電気キーボード、そして明らかに発音のアタックを強くし、更には絶叫率も上昇している歌。
 しかし個人的に一番唸らされたのは、攻撃性を含めたトータルでの演奏。ファンク・ボッサ・シャッフル・サイケプログレ・スカなど多彩なジャンルを土台に敷いていますが、これだけ微妙なニュアンスの違いが要求される楽曲群をきっちり弾き分けているのはお見事。
 土台と書いたのは、色々やっていながらもとっ散らかったアルバムになっておらず、彼女達のアイデンティティが一切失われていないから。ブラックミュージックかぶれに終わらず、昭和なレトロ臭さがしっかり残されているんですよね。
 自分が特に気に入ったのはまず#4。椎名林檎みたいなタイトルですが、中身はCoccoみたいな嬲るを通り越していたぶる歌詞とノイズパンクな曲調。サビだけポップというコントラストもいいですね。「最初からやり直し」のお言葉に従い、エンドレスリピートしたくなる一品です。
 そして#8。サイケ・プログレとでも形容すべきような間奏にただただ圧倒。60年代のロックみたいなアングラ感漂うAメロとの対比もいいです。なのでインスト曲の#10も自ずと評価が高くなりますね。ホントに今作は演奏がいい。
 勿論#3のように、ストレートな歌謡ロックも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれています。この曲のBメロのメロディを聴いてユーミンの『輪舞曲』を思い出してしまうのは自分だけでしょうか。
 唯一注文をつけるならば、歌詞はもっと責めの姿勢でも良かったのではということでしょうか。何だかんだ言ってドSな詞って#4ぐらいに見えますから。
 まあ鞭オンリーでなく、甘くはないけど飴も与えていることで、ドM以外の方にも楽しめるアルバムにもなっているという見方でここは一つ(2013.1.10)






マリアンヌの逆襲 Cover Album

01.エレキでスイム
02.ノイジー・ベイビー
03.今夜はとってもいけない娘
04.かえせ!太陽を
05.すべて売り物
06.悪魔巣取金愚


 カバーアルバムだそうですが、自分はカルメン・マキ以外元ネタを知りませんでした。
『マリアンヌの休日』ではGS要素を割とストレートに出してきましたが、今作ではまた違った味わいがありますね。休日が水割りなら、こちらはソーダ割りと言っていいぐらい違う。
 炭酸=ファズの強さと言い換えてもいいでしょう。全体的にかなり歪ませてます。そして支配人・マリアンヌ東雲が弾く電気オルガンもかなり目立ってますね。ギターを差し置いて完全にリードパートな勢い。他の作品でもそういう傾向は見受けられましたが、今回は特に激しく弾いてます。
 個人的には後半の曲に惹かれました。『ゴジラ対ヘドラ』の主題歌に使われた、麻里圭子withハニー・ナイツ&ムーンドロップスの#4は、陽気な曲調で強烈なことを歌ってます。ネタ的にもタイムリーですね。
 アーントサリーの#5は、早口でまくし立てるパートあり、シャウトするパートありとアルバム中最もハードなカバー。これが一番好きかな。激しい音楽が好きなリスナーは心を持ってかれることでしょう。
 そして今作よりベースのジュリエッタ霧島が新加入しましたが、彼女のプレイを最もよく堪能できるのは#6ですね。インストの#1でもいいけど、個人的にはこちらを推したい。しかしこの曲、冒頭の小芝居を聴く度に笑ってしまうんですけど。
 話を戻しますが、間奏の若干ジャズ風味な所を聴くに、いいテクしてると感じました。横ノリ系のロックみたいに、滑らかで粘っこいプレイ。バンドにいい化学変化をもたらしてくれているのではないでしょうか。前任者のエマニュエル小湊を補って余りある実力者です。
『休日』同様、カバー元を知らなくとも楽しめるアルバムと言えるでしょう。彼女達のオリジナルと言っていいくらい、キノコホテル味になってますし。これだけ聴いても「あれ、新曲出したの?」と感じてしまうくらいです(2013.5.17)







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