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LUNKHEAD


8th Album 青に染まる白 2012年 ★★








青に染まる白 8th Album

01.濃藍
02.十六夜の月の道
03.果てしなく白に近づきたい青
04.潮騒
05.冷たい部屋
06.群青の降る夜
07.泡沫
08.無限光
09.みゆき
10.未来は今ここに
11.明日


 いわゆる下北系ギターロックに括られることもあるロックバンド・LUNKHEADのアルバム。存在は前々から知っていましたが、聴くのはこれが初めてです。リクエストがあったから手に取ったんですが、意外とキャリアを重ねていることに驚きました。
 総じてポップス寄りのエモ&メロコアって感じの音です。フレーズなりメロディなり、どこかしらにフックがあるのでかなり覚えやすいし、聴きやすいのではないでしょうか。ここは美点。
 技術的には悪くはないんですけど、個々がそれぞれバラバラに動きすぎていて、連携力に難あり。昔の9mmのよう。キメの部分など、バンドの音を合わせるべき部分でどうにもズレて聴こえてしまうんですよ。
 9mmと異なる点は、歌メロと演奏の連携をあまり考えてないであろう点。後述しますが、リスナーをノセようとしてる楽曲が多いのに、これは致命的な要素では。
 そもそもの原因というか、一番穴っぽいのはヴォーカルで、メロディの入りにモタる癖があります。「あ」を「うぁ」、「い」を「うぃ」って歌ったり。木曜洋画劇場『ノック・オフ』のCMナレーションみたいな。あと、音と音の切り方や繋ぎ方が雑なのもいただけません。
 この作品を聴いた限り、パンク流れの小節の区切りがハッキリしているエモ&メロコア、ダンスロック系の曲を進んでやっているようですが、ならば頭をちゃんとジャストで合わせた方がいいと思います。
 これは完全に個人的なことなのですが、声質がミスチルとかニコ壁みたいな感じで、個人的にあまり好みじゃなかったです。でもシャウトはカッコ良くて、それは気に入ったということを付記。しゃがれ声を活かせている。やはり激情をぶつけるなら、これくらいの勢いでアタックを強くした方がいいですよ。
 歌詞は、同じ『青』をイメージカラーとするLAST ALLIANCEとは逆で、内向的な面が目立ちます。孤独感の中、人と繋がりたがったり。「A〜B」「B〜A」みたいな、倒置と反復を混ぜた表現が多いですが、これはバンドの激情的な音楽性と合ってるのではないでしょうか。若者からも共感を得られそうですし。アルバムの終わりの方で連発されるようなありきたりな歌詞はどうも好きになれませんでしたが。
 まとめますと、前述した通り、ミスチルのロックな部分やニコ壁が好きな人向けではないでしょうか。後期の、難解化する前のナンバーガールにもちょっと似てるので、それが好きな人にもいいかも。
 そして個人的に、何かV系みたいな90年代の徒花サウンドにも繋がる部分が見受けられたので、D-SHADEとかFANATIC◆CRISIS辺りが好きだった人にもいいでしょう。個人的には歌がルーズなら、V系がよくやってたシンコペーションも使えばいいのにって思ったんですけど(2013.7.8)






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