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M83


1st Album M83 2001年 ★★★★★
2nd Album Dead Cities, Red Seas & Lost Ghosts 2003年 ★★★★★
3rd Album Before the Dawn Heals Us 2005年 ★★★★








M83 1st Album

01.Last Saturday
02.Night
03.At The Party
04.Kelly
05.Sitting
06.Facing That
07.Violet Tree
08.Staring At Me
09.I'm Getting Closer
10.She Stands Up
11.Carresses
12.Slowly
13.My Face
14.I'm Happy, She Said


 フランスのポストロックバンドによる1枚目のアルバム。
 輪郭のぼやけたポワポワ・キラキラ系の音使いやボイスサンプリングを多用することで、宇宙的な空間美を形成している音、といった印象。ちなみにM83とははうみへび座にある渦巻銀河のことで、バンド名の由来もそこから来てるそうです。
 またヒップホップな要素も感じられる#4、ダンスミュージック寄りの#5、テクノポップ風味の#12などのように、踊れるジャンルにも手を出していて幅広い素養を感じさせてくれます。でも別に踊りたくなるような音ではない(笑)どの曲も目を閉じて聴き浸りたくなるような音。同じ展開をダラダラ続けるのではなく、小技を多用して変化を付けてくるのも飽きが来なくていいです。センスの良さを感じますね。
 #11の冒頭では何故か日本語のサンプリングが入ったりも。何か声優が喋ったみたいな感じなんだけども、元ネタなんなんだろう?
 ロックなバンドサウンド要素は薄めで、どちらかというとシューゲイザーやエレクトロニカに近いスタイル。フィジカル偏重者や体を揺らしたいって人には不向き。ひたすらスケールのでかい、無条件の優しさに抱かれてみたい人向け。満天の星がよく見える夜空を眺めながら聴いてみたいですね(2011.5.5)







Dead Cities, Red Seas & Lost Ghosts 2nd Album

01.Birds
02.Unrecorded
03.Run Into Flowers
04.In Church
05.America
06.On A White Lake, Near A Green Mountain
07.Noise
08.Be Wild
09.Cyborg
10.0078h
11.Gone
12.Beauties Can Die


 前作の舞台が宇宙としたら、今作は地球に戻ってきた感じ。しかし幻想的で壮大なサウンドスケープが、時折前作以上に色濃くなったりもしています。加えてポップス色も。
 全体的にはポストロックというより、エレクトロニカ・シューゲイザー色が強くなった印象。時折顔を出して主役になるストリングスが琴線を刺激してくる。個人的には聴いていて、人気のない荒廃した都市が徐々に美しい自然へと還っていく情景が脳内に浮かんできました。
 #12が格別に素晴らしいですね。長時間の無音すら音として使ってしまう大胆さといい、全てを宇宙へと還し浄化してしまうかのようなサウンドを構築するメイキング力といい、この人達の圧倒的なセンスを感じずにはいられない。
 こういう陶酔系の音が好きなら凄くお勧めです。今回も所々小技を利かせていて、BGM的な聴き方をすると引っ掛かりを感じる場所があったりもするんですが総じて聴きやすいし、是非是非(2011.5.8)







Before the Dawn Heals Us 3rd Album

01.Moonchild
02.Don't save us from the flames
03.In the cold I'm standing
04.Farewell / Goodbye
05.Fields, shorelines and hunters
06.*
07.I guess I'm floating
08.Teen angst
09.Can't stop
10.Safe
11.Let men burn stars
12.Car chase terror!
13.Slight night shiver
14.A guitar and a heart
15.Lower your eyelids to die with the sun


 ファルセットやコーラスを多用+活き活きと叩かれる生音のドラム、そして頻繁に主導権を握ってくるピアノ。更にはヴォーカル成分も増えており、より親しみやすく、ドラマチックな音世界を作り上げています。個々の楽曲、またアルバム通してのストーリー性が強くなってますね。かといって「どんなストーリー?」と聞かれても曖昧な返答しか出来ませんが(爆)
 #6・14のように、バンド感の強い曲も出てくるようになったのも特徴。後者は後半になるにつれ段々とノイジーになり、音色が増えながらフィードバックが強く効いてくる展開がカッコいい。
 過剰なまでに幻想性を追求しているのは変わらずなんですが、前作までのような大作志向は感じられませんでした。やっぱりポップだからなのかな? 1作目でダンス系への適性を見せたように、ポップなのも何ら違和感なく組み込んでるから問題はありませんが。バンド感が欲しい人は今までの2作よりもこっちを先に聴いた方がいいですね(2011.5.13)







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