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水樹奈々




1st Album supersonic girl 2001年
2nd Album MAGIC ATTRACTION 2002年 ★★★
3rd Album DREAM SKIPPER 2003年 ★★
4th Album ALIVE&KICKING 2004年 ★★
5th Album HYBRID UNIVERSE 2006年 ★★
6th Album GREAT ACTIVITY 2007年 ★★★
7th Album ULTIMATE DIAMOND 2009年 ★★★
21st Single PHANTOM MINDS 2010年
8th Album IMPACT EXCITER 2010年 ★★








supersonic girl 1st Album

01.Love's Wonderland
02.The place of happiness
03.supersonic girl
04.Heaven Knows -Brave Edit-
05.想い -pedigreed mix-
06.Look Away -All Together Version-
07.TRANSMIGRATION
08.LOOKING ON THE MOON
09.真冬の観覧車
10.NANA色のように-Special album version-
11.水中の青空
12.WINDOW OF HEART


 見事なまでに90年代中期のポップス。しかし当作の発売は2001年。本当、忠実にトレースしたって感じで温故知新でもないし、何なんでしょう。
 歌詞も無難というか香ばしいというか。ティーンの共感を狙ってるフリして実は全然意味求めてねぇだろって感じが。悪い意味で職業的に見える。
 また彼女の歌といえばビブラートの振幅の大きさが特徴的ですが、この当時はあっさりテイスト。自分はそれよりも音程の取り方が不安定に聴こえるのが気になりました。
 電波ソングみたいなものをブチ込んでお茶を濁そうとしてこない辺りにプライドを感じないこともありませんが、個人的には何ら面白みを感じなかったアルバム。クセの薄い、純真だった頃の彼女の歌声を楽しみたい人向け(2010.2.11)







MAGIC ATTRACTION 2nd Album

01.THEME OF MAGIC ATTRACTION(Instrumental)
02.through the night
03.PROTECTION
04.二人のMemory
05.フリースタイル
06.STAND
07.deep sea
08.suddenly 〜巡り合えて〜
09.オルゴールとピアノと -holy style-
10.LOVE&HISTORY
11.ジュリエット
12.climb up
13.Brilliant Star
14.POWER GATE
15.あの日夢見た願い


 アッパー系の曲が似通っていたり、全体的に漂うavexライクな既聴感は拭えないものの、前作よりも聴けるレベル。また彼女が歌いやすいように設定された曲が多いので、色んな意味で安定しているのも良いです。これで後は音をゴチャゴチャ詰め込みがちにならなければ。特にギターは少し自重して下さい。
 伸びやかな歌唱力を堪能できる80年代アイドルポップスみたいな#4、直線的なストリングスと跳ねるリズムの対比や動くベースがラルクみたいな#5、ぶりぶりアイドルポップス#11辺りは好き。
 あと個人的にどうにも、歌詞で吹いてしまう(爆)引きこもり・ニート応援ソングに聴こえてならない#3とか、見栄えのためとはいえローマ字かよと突っ込んでしまいたくなる#10とか。『胸のコンプレックス消せなくて』の#13とか(最悪)(2010.2.11)







DREAM SKIPPER 3rd Album

01.宝物
02.BE READY!
03.Keep your hands in the air
04.still in the groove
05.砂漠の海
06.Dear to me
07.What cheer?
08.JET PARK
09.White Lie
10.Nocturne -revision-
11.ひまわり
12.恋してる...
13.in a fix
14.New Sensation
15.refrain -classico-


 これを聴いて確信したんですが彼女、歌は上手いんだけど表現力にあまり幅がないためか、どの曲も演歌っぽくコブシを効かせて歌うクセがついちゃってるんですよね。演歌○○、みたいなジャンルで売るならともかく、そうでないなら足枷では。
 また楽曲では、良曲になりきれていない惜しいものが幾つか目立ちます。
 初っ端から感謝バラードを配する大胆さを持ちながら本人作詞ではない#1、折角シンプルなのに、歌メロをほぼ忠実にトレースしているシンセの存在で台無しな#3、アコースティックで乾いた風景をやかましいギターやハット音、ベタなサビメロが吹き飛ばす#5、30代女性が無理してセーラー服を着ているかのような#12といった具合に。
 熱を持ってうねるグルーヴが心地良い#9は良い。逆にバブリーなシンセが弾ける#7みたいな曲はどうしても苦手だ。
 それにしても相変わらず矢吹曲は識別しやすい(笑)ギター入れたいならもっとバンドサウンドに近接した仕上げにすりゃいいのに。流石に#15みたいなアンプラグドバラードでは入れないくらいの理性は持ち合わせているようですが(2010.2.12)







ALIVE&KICKING 4th Album

01.ミラクル☆フライト
02.innocent starter
03.FAKE ANGEL
04.大好きな君へ
05.Tears' Night
06.そよ風に吹かれて
07.Independent Love Song
08.Take a shot
09.パノラマ -Panorama-
10.JUMP!
11.cherish
12.It's in the bag
13.Abilities
14.M・A・M・A


 無理矢理転調かますメロが増えたというか、バックとの噛み合わせが悪いというか。従来通りの80〜90年代の売れ線を掘り起こした曲ばかりだから、余計に目立つんですね。
 いい意味で印象に残ったのはノリの良いアッパーチューン#1と、あと飛び道具で面白いデジタル+ギターサウンドの#12、前作で言う『refrain -classico-』みたいな#14くらいですかね。ただ#12はベタなメロが乗っかっちゃってるのが実に惜しい。
 #5は今ではすっかり水樹サウンド御用達となったElements Gardenの上松範康による初提供曲ですが、全く自重することなくストリングスを中心で唸らせまくっております。
 #9が本間昭光の曲だったのには少し驚き。こういう曲も作るのか。この曲好きじゃないけど(爆)
 質も方向性もこれまでの3作と大差ないので、どれかを既に聴いていれば無理に聴く必要はないです。つーか同じような曲ばっかってのはどうなんだ。#10のサビなんて『二人のMEMORY』みたいだし(2010.2.12)







HYBRID UNIVERSE 5th Album

01.残光のガイア
02.Faith
03.WILD EYES
04.You have a dream
05.BRAVE PHOENIX
06.星空と月と花火の下
07.SUPER GENERATION
08.NAKED FEELS
09.Love Trippin'
10.Late Summer Tale
11.Violetta
12.PRIMAL AFFECTION
13.ひとつだけ誓えるなら
14.ETERNAL BLAZE


 Elements Gardenが本格的に彼女へ参入し始めたアルバムで、#14含め、彼女の快進撃への転機としてよく挙げられる作品。Dir en greyで言うところのVULGARみたいなもんですか。
 民族音楽の匂いをさせた#1からして、今までとは少し違うことを感じさせてくれる。しかしこの人早口になったり英語混じりになると発音が不明瞭ですな。
 迸るスパニッシュギターとバカボンのおまわりさんみたいに連射するオケヒを絡ませた#2も中々。というか音の潰し合いになってないだけでもう褒めたい(笑)
 中途半端な和風ソング#3は良くないな……なんて思いながら聴いてると、段々と従来の今更な一世代前売れ線ポップスの貌が覗き始めてきたぁぁぁぁ!! 前言撤回しないといけないじゃねぇか!
 ちなみに初期の作品で猛威を振るった矢吹俊郎は#12のみの参戦。相変わらずです。捻れや!
 最初の方の文章と重複してしまいますが、個人的に良かったのは#1・2くらい。#6はクライマックスのわざとらしい盛り上げがなければ良曲。本人が作曲にも挑戦したらしい#7・11はあざとい爽やかさが先行してどうにも。わざとらしい巻き舌なロックチューン#10は笑ってしまう。本作のハイライトな#14ですが、自分はこの手のゴテゴテに上モノを乗っけた曲が基本的にあまり好きじゃないからなー。
 結論としては、楽曲提供の勢力図は変化したものの、サウンド自体は今までと大差ないってな所。序盤で見せたようなワールドミュージックな方向で固めてくれたりしたら面白かったんですが。あとやたらファルセットが要求される場面が増えてますね。あまり高音が得意な歌い手ではないから多用しない方がいいと思うんですが(2010.2.13)







GREAT ACTIVITY 6th Album

01.Bring it on!
02.Orchestral Fantasia
03.Promise on Christmas
04.MASSIVE WONDERS
05.Take a chance
06.ファーストカレンダー
07.ラストシーン
08.SEVEN
09.アオイイロ
10.TRY AGAIN
11.SECRET AMBITION
12.Nostalgia
13.Heart-shaped chant
14.chronicle of sky
15.Sing Forever


 何というか、毎回同じようなことをやってて飽きないんでしょうか。クリエイター側もファン側も。一つの道を突き進んでいるというより、同じ地点をウロウロしているような感じだし。ファン受けだけを狙う戦略としては別段間違っているとは思いませんけど。その割には無難なポップスブチ込んでるのが謎なんだよな。打ち込み系はともかく、この辺のリスナー層ってこういうの好きでしたっけ?
 #6・7・10辺りを聴いていて感じたんですが、昔よりもポップス系ナンバーの歌唱力が低下しているような。変な癖がついてるというか。
 彼女の曲らしからぬ、ヘヴィなギターリフを軸にエフェクトヴォーカルで押していく#1は意外なアプローチで面白かった。ゴチャついたサウンドと大仰な展開が奇跡的に上手く融合できた#2は、エレガが好きじゃない自分も絶賛したくなる問答無用の名曲。#13もサビがやかましいものの、ギリギリ許容範囲。アッパーなガールズロック#9も良い。高音部で潰し合いにならない配慮くらいは欲しいけど。
 まるで絵の浮かばない無難なクリスマスソング#3、安っぽいユーロビートチックな#5、陳腐を具現化したみたいな#12は自分の中ではナシ。本人作詞作曲の和風疾走曲#8は、アレンジの詰めの甘さと発音の不明瞭さをクリアできていれば良曲なだけに惜しい(2010.2.14)







ULTIMATE DIAMOND 7th Album

01.MARIA&JOKER
02.悦楽カメリア
03.PERFECT SMILE
04.Trickster
05.Mr.Bunny!
06.沈黙の果実
07.Brand New Tops
08.少年
09.Gimmick Game
10.Dancing in the velvet moon
11.ray of change
12.深愛
13.蒼き光の果て-ULTIMATE MODE-
14.Astrogation
15.夢の続き


 2010年2月現在のディスコグラフィーの中では一番、曲のクオリティが高いと思う。Elements Gardenの功績なんでしょうね。結果的に堂々巡りになってるって点では、初期によく曲提供していた方々と大差ないですが。とりあえずストリングスを少しは自重して欲しいなと。アレですか、セールスを上げる代償にストリングスを入れなければならない制約と誓約があったりするんですかね。てか多用してる割に低音部を全くといっていいくらい使ってこないような。
 ルパンかビバップか、ってな#1は半ばギャグになっちゃってるバキュンバキュンと発音の曖昧さがネック。誰もが陰陽座を連想する#2はいい意味でメタル色が薄くて悪くないですが(ガチのメタルにすると多分音圧に歌が負ける)、シンセが主張しすぎで少しうざい。骨太なバンドサウンドが張りのある歌をしっかり支える#4、場面場面の転調が恋の急展開を描いているかのような劇的ミディアムバラード#12は文句なしに良い。#13は彼女の歌唱の長所と短所が凝縮されている感じ。
 声優初のオリコンウィークリー1位を達成したということでセールス的には成功でしょうが、ファン層やその近辺以外のリスナーに受けるアルバムかと聞かれるとそうではない。特に歌詞に顕著ですが、基本的に現実感が希薄でやっぱりアニソン的なので、そこで拒絶されてしまうのでは。ファンタジックな世界観を下敷きに社会的なテーマを歌う、という手法を用いている訳でもないし。
 個人的には別にアニソン的でもいいですが、幅を広げてくれるか彼女に合った歌を増やしてくれるかして欲しいですね。このまま行っても、歌も曲も行き詰ると思うんだよなあ(2010.2.14)







PHANTOM MINDS 21st Single

01.PHANTOM MINDS
02.Don't be long
03.Song Communication
04.十字架のスプレッド


 初期のくどいギターと、近年以降のくどいストリングスの共演が楽しめる夢のような作品ですね(※ただしファンに限る)
 頼むから整合性とか譲り合いとか考えて下さい。北欧に氾濫するメロスピじゃあるまいし、音を詰め込んだり劇的にすりゃいいってもんじゃないんだYO!
 飾らない普段の彼女が好きなピュアなキミにお勧め(2010.1.24)







IMPACT EXCITER 8th Album

01.TIME TO IMPACT EXCITER
02.NEXT ARCADIA
03.ミュステリオン
04.Silent Bible
05.Young Alive!
06.SCOOP SCOPE
07.DRAGONIA
08.夢幻
09.夏恋模様
10.恋の抑止力 -type EXCITER-
11.PHANTOM MINDS
12.ストロボシネマ
13.囚われのBabel
14.アルビレオ
15.Don't be long
16.7月7日


 前作の1位獲得、前年の紅白出場などといった躍進を経て、今作はもっとリスナー層を拡大してやるぜ!
 という意志はカケラも見られませんでした。保守的でありつつ、作曲者の顕示欲が最高潮に達した作品。一層メロディ楽器が暴れまくるわ音符詰め込みまくるわとやりたい放題。
 しかしマスロックやカオティック系のような緻密さや計算高さがあるわけでもなく。違う意味でマスってますけど(爆)派手なインスト曲に無理矢理歌をねじ込んだような状況になっていることもしばしば。歌メロをなぞるパートが結構多いから余計そう感じる。
 Orchestral Fantasiaを彷彿とさせる#2が一番出来がいいですね。わざとらしすぎるくらいキメを設けているのが、結果的にアンサンブルの崩壊を食い止め良曲に仕立て上げている。あと中森明菜を想起させる80年代歌謡曲の#8。これは歌い手も作曲者も適性があって良いですね。編曲の力があるとはいえ、本人作曲にしてはやけにレベルの高い#14もいい。霜月はるかが歌ってそうだけど。
 反対に、エレメンツガーデンの特徴が裏目に出てる曲も目立つ。a.b.sを想起させるモダンヘヴィネス#3はバンマスを立てず奏者全員が好き勝手に暴れた末路のような曲になってるし、#7は恐らく中国大陸系の曲をやりたかったんでしょうが、空気読まないストリングスと歌メロが完全にポップスしてるので色々台無しに。しかし何故デカルト? また#12は音符を詰め込みすぎていて軽やかな雰囲気を演出しきれていない。
 歌唱については、曲に応じて歌い分けようとする意志がより明確ですが、ただでさえ不明瞭気味の発音がより分かり辛くなってたりもするので、一概に上手くなったとは言えない。明らかに低音寄り+ロングトーンに適性があるのに、ゴチャゴチャした高音の歌メロばっか要求する製作陣にも少し問題はありますが。そのうち凛として時雨みたいになったりするんじゃなかろうか。
 ちなみに今作の歌詞、天文関係の単語を多く使用しているのが特徴。1曲ぐらい車田正美に作詞してもらったら面白かったのに。ついでにアルバム名も天文関係にした方がよりコンセプト性を強化できたと思うんですが。Galaxian Explosionとか(爆)
 彼女及びエレガファンの欲求に過剰なくらい応えているので、そういう方々にとっては至高の一枚。イコール良くも悪くも内輪向け。個人的にはもっと彼女ならではといった楽曲を追及した方がいいと思うんですが。あとリズムパートにも見せ場を(2010.7.12)







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