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Mogwai


1st Album Young Team 1997年 ★★★★★
2nd Album Come On Die Young 1999年 ★★★★★
3rd Album Rock Action 2001年 ★★★★★
4th Album Happy Songs for Happy People 2003年 ★★★★★
5th Album Mr.Beast 2006年 ★★★★
6th Album The Hawk Is Howling 2008年 ★★★★★








Young Team 1st Album

01.Yes! I Am a Long Way from Home
02.Like Herod
03.Katrien
04.Radar Maker
05.Tracy
06.Summer
07.With Portfolio
08.R U Still in 2 It
09.A Cheery Wave from Stranded Youngsters
10.Mogwai Fear Satan


 何故かジャケットが富士銀行なアルバム。内容とは全く関係がありません。
 演奏やコード進行などはシンプルながら、音の緩急と強弱を完璧に使いこなした、噛めば噛むほど味が出てくる作品。鉛筆だけで鮮やかに表現した絵のよう。
 #2で早速本領発揮。静寂から突如うねる轟音が押し寄せ、2度目の轟音パート以降から入ってくるギターが、まるでヘロデの暴虐で上がる悲鳴のように聴こえてくる。
 ポエトリーディング付きの#3は、クライマックスに向けて徐々に高揚していき、そして最後は暗黒へ沈むように終了。
 人名とTraceのダブルミーニングで、#4の曲名とかけていると思われる#5では、スペーシーなサウンドと通信音が宇宙や深海の孤独を想起。  #6は再びアコギとベース主体のパート、ディストーションギターメインのパートが交互に押し寄せてくる。あまり夏って感じはしません。
 #7は徐々にノイズやサイレンじみた音へと変化しながら左右に激しく振幅するSEが耳障り。何かの拷問みたいだ。
 #8はわずかにヴォーカルも登場、クリーンギターや低音のピアノで静謐な空気を演出。
 #9ではハイハットとピアノ、音を大胆にいじったギターとベースでどこか機械的な世界観を描写。
 そしてラスト、約16分の超大作#10が特に素晴らしい。儀式的な雰囲気のドラムが曲を牽引し、中盤以降で入る、人外の産声のようなギターノイズ。スケールがデカすぎて何が何やら。
 平均年齢18歳のメンバーが、これだけ立体的かつ多層的な表現が出来るなんて驚嘆という他ないです。演奏技術は高いですが、ひけらかすタイプではないので、テクニカルなものを求める人には不向き。映画のサントラ等が好きな人には向いている(2011.1.10)







Come On Die Young 2nd Album

01.Punk Rock:
02.Cody
03.Helps Both Ways
04.Year 2000 Non-Compliant Cardia
05.Kappa
06.Waltz For Aidan
07.May Nothing But Happiness Come Through Your Door
08.Oh! How The Dogs Stack Up
09.Ex-Cowboy
10.Chocky
11.Christmas Steps
12.Punk Rock/Puff Daddy/Antichrist


 失敗したマイケルジャクソンみたいな顔のジャケット(爆)が気持ち悪い2枚目。
 今作は轟音ギターを控えめにし、メランコリックな美メロを強調しているのが特徴で、#2から早速、囁くようなヴォーカルとギターアルペジオを中心に陶酔的な世界を生成。
 #4はドラムのアタックを大きくすることで心臓の鼓動を表現しているんでしょうか。続く#5ではギターのアタックを強めにすることで、どこか無機質な雰囲気が。
 曲名からして美しい#7は、中盤での爆音を除くと通して安らぎさえ覚える静やかな曲調。
 #9〜11では轟音ギターが登場し、前作を彷彿とさせる曲展開。特に#10、さざめきがノイズへと変わり、美しいピアノが流れ出す所は鳥肌物。ちなみに#11はクリスマスっぽい感じはあまりしない、というかあざとい鈴の音とかを入れたりはしてないです。
 ラストの不穏さも味があっていい。ちなみにパンクでもないのに最初と最後にPunkと入っているのは、イギー・ポップの声をサンプリングしているからだとか。
 個人的には前作の方が好みなんですが(識別のしやすさという要素を加味して)、これも名作。鬱にならない鬱な音(どっちだ)にしばし没入しましょう(2011.1.11)







Rock Action 3rd Album

01.Sine Wave
02.Take Me Somewhere Nice
03.O I Sleep
04.Dial: Revenge
05.You Don't Know Jesus
06.Robot Chant
07.2 Rights Make 1 Wrong
08.Secret Pint


 ノイズサウンドは健在なものの、轟音ギターが更に減り、バンドっぽさも薄れた3枚目。ますますサントラに近づいてます。
 個人的にはアリです。ピアノやストリングスが流れていく#2・3もアコギが深く響く#4も、ヴォーカルと相まって多幸感を得られそうなくらい美しい。今作は歌も多めに入ってるのが特徴。
 他にも多重コーラスとノイズが特徴の#7など、美しさと混沌が同居した曲達がズラリ。原作のナウシカや皇弟みたいに、どっか美しい世界へと飛んでってしまいそうだ(意味不明)
 アルバム通してのストーリー性も明確なので、是非通して聴いて、うっとりして頂きたい一枚。こう、目をとろーんとさせながら(2011.1.12)







Happy Songs for Happy People 4th Album

01.Hunted by a Freak
02.Moses? I Amn't
03.Kids will be Skeletons
04.Killing all the Flies
05.Boring Machines Disturbs Sleep
06.Ratts of the Capital
07.Golden Porsche
08.I know you are but what am I?
09.Stop Coming to my House


 オルガンやコーラス、その他シンセ音が積極的に用いられ、アルバム全体が神々しい、荘厳としながらも安息の空気に包まれている。自分の前世が見えてきそうな、胎内に戻ったような、新興宗教の勧誘ビデオみたいな(爆)そんな感じ。
 #6のように、陶酔からしばし引き戻されるような轟音ノイズが挟まれるのも見事なアクセント。
 技巧に走っている訳でもなく、斬新なフレーズやを織り込んだり曲展開に凝っている訳でもないのに、何故こんなにも感動する音楽を作り出せるんでしょうか。聴き手の精神の深淵に呼びかける、至上の喜びに満ちた一枚(2011.1.13)







Mr.Beast 5th Album

01.Auto Rock
02.Glasgow Mega-Snake
03.Acid Food
04.Travel Is Dangerous
05.Team Handed
06.Friend of the Night
07.Emergency Trap
08.Folk Death 95
09.I Chose Horses
10.We're No Here


 ここ数作の特徴だった装飾性が少し薄れ、1stの時のようにバンドサウンドを主体に、緩急のダイナミズムを駆使したポストロックを展開。
 厳密には、ディストーションを効かせまくった#2、加工したドラム音が特徴的な#3辺りで分かるように、バンドサウンドを主軸にしたまま加工したような作りが目立ちます。彼らの音を形容する際に使われる『真っ白なノイズ』という言葉が最もハマり込む作品ではないかと。また今作は10分あるような長尺曲がなく、比較的コンパクト。
 シューゲイザーっぽくもある、望郷の念に駆られるような#4・6が特に気に入りました。ちなみに#9ではenvyの深川哲也がポエトリーディングで参加している。
 個人的には1stの方が好きなんですけど、単なる原点回帰では終わっていない一枚に仕上がっている(2011.1.14)







The Hawk Is Howling 6th Album

01.I'm Jim Morrison, I'm dead
02.Batcat
03.Danphe and The Brain
04.Local Authority
05.The Sun Smells Too Loud
06.Kings Meadow
07.I Love you, I'm Going To Blow Up Your School
08.Scotland's Shame
09.Thank You Space Expert
10.The Precipice


 前作以上に、彼ら本来のサウンドへの回帰と、その骨格を維持したまま新しいフェイズへの変化を試みていることを感じさせられる。マンネリをスレスレで回避しながらベストのコース取りをしているような感覚。強いて突っ込むと、#6〜8辺りは少し掠めているようにも聴こえますが。
 ピアノとバンドサウンドの親和性が更に高まった#1、続く#2は轟音にさえ円熟味が出ている。単調なのに、何でこんなダークでカッコいいんだ。
 キュートさすら感じさせるエレクトロサウンドがポップに彩る#5も面白い。#6・9辺りには慈愛と豊穣がもたらされるような温かみがあり、思わずうっとりとしてしまう。
 自分が感じた欠点は、ジャケットが何だか気に食わないこと(爆)何かこのバンド、変なジャケットが多いですよね。こんな所でも前衛的なのか? 現在過去未来を詰め込んだ王道ということで、彼らの音に触れるならこれから聴くと、とっつきやすいんじゃないでしょうか(2011.1.15)







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