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Nirvana


1st Album Bleach 1989年 ★★★★★
2nd Album Nevermind 1991年 ★★★★
3rd Album In Utero 1993年 ★★★★★








Bleach 1st Album

01.Blew
02.Floyd The Barber
03.About A Girl
04.School
05.Love Buzz
06.Paper Cuts
07.Negative Creep
08.Scoff
09.Swap Meet
10.Mr.Moustache
11.Sifting
12.Big Cheese
13.Downer


 アメリカはシアトル発の伝説的グランジバンド・Nirvanaの初スタジオアルバム。ちなみにジャンプの同名コミックはこのバンドから色々と引用しているようです。
 自分は『Nevermind』を聴いてからこちらを聴いたのですが、驚かされました。正直バンド自体にダル〜い演奏のイメージがあったんですけど、そういう誤った感覚を粉々に破壊してくれる作品。
 汚いを通り越して邪悪なまでに歪んだギターを全面に押し出した、ダークでアングラ、正にThis is grungeって内容です。ギターヴォーカル、ベース、ドラムのいずれも、曲の主導権を握るリフを弾ける個人技を有しており、バンド全体でもハードロックやパンク的なビートのノリを共有できている……ってな感じでしょうか。硬そうで柔軟、ダークそうで意外とポップと、いい意味でどっちつかずな音。
 決して技巧派ではないんですが、このズタボログルーヴが含む強烈な中毒性に、自分のロックアンテナが根元からブルンブルンされちゃったんですよ。ネームバリューとかカートコバーンの考え方や人生などはぶっちゃけた話どうでもよくて、自分はこのキレイとは言えない汚い音が好きだから、時々聴きたくなるんですよね。キレイなものばっかりだと飽きるじゃないですか。時々は納豆が無性に食べたくなるように。何で納豆を出したのかというと、ネ〜ヴァネ〜ヴァネ〜ヴァネ〜ヴァマーインだからです。やかましいわ。
 なので何も考えず、ただ垂れ流すように聴くことが多いんですけど、メロディが立っていて思いのほかポップな#3、歪ませまくるどころかハウらせちゃってる上に、カートの頭おかしいシャウトが聴ける#6、「誰にも九円牛丼も」と、チェーン店の価格競争よりも太っ腹なことを言ってくれる#7、ブリブリしたグルーヴがカッコいい#10、ホラー映画のBGMみたいなイントロが好きな#12、そして最後の#13が特に好きです。後にSlipknotやSystem of a down辺りもやるミクスチャーの雛形のような音を既にやっているのが凄いと。
 ちなみに歌詞はこのジャンルらしく、下品で退廃的な傾向があります。女性のことをどうこう描くのでなく、男性器にかかわる言葉が多いのが特徴ですね。「自分はバイセクシャルかも知れない」という発言も、やはり真実なのかと勘繰りそうになります。反社会的ではあるんですけど、既存体制への反逆って感じではないかなーと。
 OSR値を上げる目的以外でも、一度は聴いてみてもいいでしょう。ロックリスナーの中でも絶対好き嫌い別れますけど(2013.1.15)






Nevermind 2nd Album

01.Smells Like Teen Spirit
02.In Bloom
03.Come As You Are
04.Breed
05.Lithium
06.Polly
07.Territorial Pissings
08.Drain You
09.Lounge Act
10.Stay Away
11.On A Plain
12.Something In The Way


 説明不要の超有名作。自分がかつて最も好きだったバンド・PIERROTのヴォーカル、キリトがソロ活動において『犬ライダー』というカバー……替え歌を行ったことでもお馴染みですね。興味のある方は動画検索してみましょう。ニコニコでもyoutubeでもあるはずです。
 さて、このアルバムの出現が、当時アメリカを席巻していたヘヴィメタルブームを一気にグランジへと塗り替えたって話がありますが、正直自分にはピンと来ませんでした。当時を生きたアメリカ人ではないので。
 ヒットを意識して作ったそうで、確かに前作よりは聴きやすくなってます。音がクリーンになっているのが最たる例。
 当時は賛否両論だったそうですが、自分はそこを特に叩く気にはなりません。何故なら今まで売れた途端あからさまに路線をポキッと変えやがったバンドを散々聴いているので、これくらいなら「全然いいじゃない」と思ってしまうんですよ。
 ただ自分は前作の方が好きだったりするんですが。メロディが立つようになった代わりに、グルーヴ感が薄れてしまったのが残念で。あと自分はスメルズよりもBreedの方が好きだったり。
 あとボーナストラック扱いである、#12が終わった後に入っている曲が好きです。前作のようなイカレ具合が出ている上に、後半部分の実験的なサウンドメイクが面白かったんですよ。インダストリアルっぽくもあるインスト状態。
 詞に関しては前作よりもこちらの方が好きなんですけどね。より皮肉が効いていますし、内省的な描写にリアリティが増している気がしますし。本人じゃないから正確に心情を把握してる訳じゃないんですけどね。外野の勝手な推察と考えて下さい。
 いいアルバムだとは思うんですけど、名盤ってほどでもないかなー……というのが正直な所です(2013.1.16)






In Utero 3rd Album

01.Serve The Servants
02.Scentless Apprentice
03.Heart Shaped Box
04.Rape Me
05.Frances Farmer Will Have Her Revenge On Seattle
06.Dumb
07.Very Ape
08.Milk It
09.Pennyroyal Tea
10.Radio Friendly Unit Shifter
11.Tourette's
12.All Apologies
13.Gallons Of Rubbing Alcohol Flow Through The Strip


 3枚目にして、スタジオアルバムとしては最後の作品となってしまった今作。『アンダーグラウンドへの原点回帰』がテーマなそうですが、個人的に感じたのはBleachとNevermindが混在したような雰囲気でした。確かにNevermindよりはアングラですが、Bleachよりも潜ってるかと言われれば、そうは感じませんでした。
 しかしそれはあくまでも音だけの話で、詞などもひっくるめると、圧倒的に痛くて暗くて怒ってて、そして何よりもダウナーで世の中に呆れてます。本人じゃないので本当の所は知りませんが、まあそんなに間違ってもいないかなと。
 これを書いている時点での自分にとってはそんな共感できる心情ではないんですけど、しかしこのノイズが多分に混じったバンドサウンドは、聴いていて快感に感じてしまうんですよね。はっきり言ってしまいますと、自分は彼らの音楽に関しては、鳴らしている音や歌声にしか関心がないような人間なんです。#8・10のイントロやアウトロ面白いなーとか、#11のハードコアな雰囲気が何かかえって新鮮だなーとか。
 あとこの作品の製作に関わったメンバーやプロデューサーは、よくカートの感情に『呼応』できたなと。このヒリヒリ感やダルダル感、歌だけではないじゃないですか。演奏やマスタリングなどからも伝わってくるじゃないですか。そこが凄いなと。
 真剣に彼らの音楽を聴いて愛している人が見たら激怒してしまう感想かもしれませんが、まあ一人ぐらいこんな奴がいてもいいんじゃないでしょうか(2013.1.17)






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