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野宮真貴



Remaster Album ピンクの心+2 2010年 ★★★★★








ピンクの心+2 Remaster Album

01.女ともだち
02.モーター・ハミング
03.フラフープ・ルンバ
04.シャンプー
05.原爆ロック
06.船乗りジャンノ
07.17才の口紅
08.恋は水玉
09.美少年
10.絵本の中のクリスマス
11.ツイッギー・ツイッギー
12.ウサギと私
13.ピンクの心
14.レモンのキッス (1981ライブ)
15.モーター・ハミング (1981ライブ)


 元ピチカートファイヴのヴォーカルだった野宮真貴の、ソロ時代のデビューアルバムを再発したもの。オリジナルは1981年発売です。
 これは物凄いアルバムでした。簡単に言うと、キャッチーでありながら実験的。プロダクションは時代を感じますが、アイデアは大分未来を行っている。
 80年代アニメの主題歌のような雰囲気だったり、昔のCMソングのように思わず口ずさんでしまう中毒性を孕んだ曲だったり、王道の歌謡曲もやったり、純真無垢なクリスマスソングだったり、トラッドな曲だったり、まずバリエーションが豊か。
 そして、現代のヒット曲でもよく使われる『サビで題名を繰り返す』手法を多用するくらい、素直で分かりやすいメロディとは対照的に、バックが意外とロックな上、演奏も面白いんですよね。前述の通り、かなり先鋭的なアイデアを用いていて。意外な音色の使い方、ドラムアタックのニュアンス、ノイズの入れ方、残響、動き所を心得たベースライン……面白すぎる。
 一番印象に残ったのは#4ですね。なぜかと言うと、2012年現在洒落にならん問題作だからである。ガイガーカウンターなんて言葉も飛び出すし、しかも歌い回しは可愛いし、音"だけ"は丸っこいし。
 ピチカートの洗練されたお洒落な雰囲気とは、近いようで異なっています。歌い回しもより素直というか、ストレート。いや、これはマジで恐ろしいアルバムですよ。キャッチーとマニアックの核融合。超名盤と言っていいでしょう(2012.8.22)






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