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ナンバーガール



1st Album SCHOOL GIRL BYE BYE 1997年 ★★★★
2nd Album SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT 1999年 ★★★★★
3rd Album SAPPUKEI 2000年 ★★★★★
4th Album NUM-HEAVYMETALLIC 2002年 ★★★★★








SCHOOL GIRL BYE BYE 1st Album

01.omoide in my head
02.大当たりの季節
03.センチメンタル過剰
04.September Girlfriend
05.Iggy Pop Fan Club
06.水色革命
07.渚にて
08.Summer Of California '73
09.mini grammer
10.我起立唯我一人 ※「アイスタンドアローン」と読む
11.4 track professional


 いわゆる『97年組』の一角であるバンド・ナンバーガールの1stアルバム。凛として時雨、アジカン、9mmなどが影響を受けていることでも有名ですね。
 そんな彼らの音楽性ですが、一つのリフを引っ張るスタイルの、ギラギラジャガジャガした音が特徴なギターロック。後の作品よりポップで瑞々しいイメージ。
 8ビートを機軸としながらもドラムは手数多めで、ベースはなんだかマイペース。みんな演奏上手いし、リフも一つ一つがカッコいいし、良いですね。音質は良くない(ヴォーカルが篭って引っ込んでる)ですが、これは意図的なんだとか。#4では音割ったりしてますし。ヴォーカルは歌唱技術が高い訳ではないんですが、甲高い声質と相まって妙な味がありますね。
 歌詞は具体的な風景描写をしながらも、掴み所がない。そしてセンチメンタルで「!」が1曲に1〜2回は出てきて、歌詞は短め。
 とだけ聞くとお洒落な感じですが、色んな曲でちらつく『ティーンエイジガール』的なものがある意味台無しにしてます。ブルセラか、ブルセラ好きなのか。
 こういうのもいいですけど、より好きなのは最後の#11みたいにぶっ飛んでる感じの詞かな。何かもう色々混じってるというか。
 この時点では演奏だけ抜き出したら割とオーソドックスだと思うんですが、歌詞と歌声でオリジナリティを獲得してる感じですね。時雨やBase Ball Bearが好きなら。アジカンや時雨好きはこの作品、あまり引っかからないかな?(2012.7.16)







SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT 2nd Album

01.タッチ
02.PIXIE DU
03.裸足の季節
04.YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
05.桜のダンス
06.日常に生きる少女
07.狂って候
08.透明少女
09.転校生
10.EIGHT BEATER


 前作よりも一層ジャキジャキさせた、より攻撃的な音楽性へ。
 ヴォーカルの叫び成分も増量。しかし向井秀徳は声が甲高い割に、シャウトに迫力があるよな。しかし音質は前作とあまり変わらず、ヴォーカルも引っ込んでます。
 このちょっと殺気じみた、勢いあるグルーヴはたまらないですね。臨場感があって。一本調子ではなく、#5の桜というにはあまりにはヘヴィじゃね?って感じや、#7の爽やかさ、#9の緊張感のように、繊細な空気の違いをきちんと分けられてるし。
 前作の雰囲気を受け継ぎつつ、歌詞の電波度も増量。しかし#1(アニメと関係ありません)のようにリアルな視点で若者の心情を見透かして見せたり、#6の観察眼といい、単なる雰囲気物と片付けられないのも確か。「普通に物事を見据える力が欲しい」なんて言ってるけど本当にかいな、と。あと、フレーズの使い回しはわざとだと思います(2012.7.17)







SAPPUKEI 3rd Album

01.BRUTAL NUMBER GIRL
02.ZEGEN VS UNDERCOVER
03.SASU-YOU
04.URBAN GUITAR SAYONARA
05.ABSTRACT TRUTH
06.TATOOあり
07.SAPPUKEI
08.U-REI
09.YARUSE NAKIKOのBEAT
10.TRAMPOLINE GIRL
11.BRUTAL MAN


 都会の殺風景を主に描く今作は、ブルータルに始まり、ブルータルで終わるアルバム。
 これまでの作品とは雰囲気が少し異なっています。狂気と殺気が迸ってます。デスメタルとかグラインドコアとはまた違った方向性で。
 プロダクションも格段に向上しています。鋭いギターとは相反するように、ドラムは先の丸い加工がされていて、ここが真っ先に良い点として挙げられますね。しかし手数や勢いは確実に増している。
 また、ビートの鎖が外れたというか、カッチリした縦ノリではないんですね。リフに合わせて動き回ってるというか。
 ポストパンク的な#4はもう凄いとしか。にしてもこの中華風ギター、どれだけの後発バンドが真似したんだろう。
 歌詞の方も、センスが爆発しちゃってますね。日本語の可能性を、変な方向で追求しちゃってるというか。並んでる曲名を眺めるだけでもけっこう飛んでるじゃないですか。まさに歌詞もそんな内容。
 ある意味日本語ロックというジャンル内のシグルイみたいなポジション。こちらの方がシグルイより先なんですけど、こう言わせて下さい。シグルイの原作はナンバガよりも前だし(2012.7.18)







NUM-HEAVYMETALLIC 4th Album

01.NUM-HEAVYMETALLIC
02.INUZINI
03.NUM-AMI-DABUTZ
04.Tombo the electric bloodred
05.delayed brain
06.CIBICCOさん
07.MANGASICK
08.FU・SI・GI
09.性的少女
10.Frustration in my blood
11.黒目がちな少女


 オリジナルアルバムとしては最後の作品。
 Vo.の向井秀徳が後に結成するZAZEN BOYSにも通じるサウンドですね。和を感じさせる、独特なスタイルのラップを披露したり。
 色々混ざってはいるんですが、一般的に言われるミクスチャーとは確実に違う。あくまで下敷きはギターロック風なんですよね。そこでまず独創性を発揮してる印象。
 ギター音の尖り具合が、今までとはまた違ってるのもいい。機材のスペックを120%発揮しているかのようなつんざき具合。
 楽曲面では、#5のように、聴かせるスロー系の曲もやるようになっていて、これがまた良い曲。アルバムのトータル的にはリフと、フリーダムなメロディラインの絡み合いを楽しむ作品かなと。あと隙間の無音部分も大事にしている印象。これはもう唯一無二のグルーヴと言っていいと思いますね。
 凛として時雨などのファンならすぐ気に入ると思いますが、普通のギターロックしか聴いていないようなリスナーにはちときついかも知れません。あと歌謡ロックとも遠い位置にあるかと。
 しかしこのグルーヴとテンション、ロックを聴く者なら是非一度は体験していただきたいですね(2012.7.19)








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