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OASIS


1st Album Definitely Maybe 1994年 ★★★★★
2nd Album (What's The Story) Morning Glory? 1995年 ★★★★★
3rd Album Be Here Now 1997年 ★★★★
Compilation Album The Masterplan 1998年 ★★★★
4th Album Standing on the Shoulder of Giants 2000年 ★★★
Live Album Familiar to Millions 2000年 ★★★★★
5th Album Heathen Chemistry 2002年 ★★★
6th Album Don't Believe the Truth 2005年 ★★★★
7th Album Dig Out Your Soul 2008年 ★★★★★









Definitely Maybe 1st Album

01.Rock 'n' Roll Star
02.Shakermaker
03.Live Forever
04.Up In The Sky
05.Columbia
06.Supersonic
07.Bring It On Down
08.Cigarettes & Alcohol
09.Digsy's Diner
10.Slide Away
11.Married With Children


 ロックを聴いてりゃ嫌でも、いや聴かなくても名前ぐらいは耳にするであろう超有名バンド・OASIS。そんな彼らの1stアルバムです。
 一体彼らのどこが魅力的なのかと聴かれたら、自分はこう答えます。分厚いギターの音作りのカッチョよさと、リアムの歌声(ノエルの方もいいんですよね)と、そしてノリノリになっちまうポップなメロディセンスだと。
 このアルバムでも早速、この3要素を兼ね備えた超王道のギターロックを聴かせてくれます。ギターの音作りに関しては次作以降で本領発揮みたいな形になるんですが、今作も中々イカしてます。
 革新的なことをやっている訳でもないし(ちなみにそんなビートルズにも似てない)、技術的に抜けている訳でもない、おまけに単調とも取られかねないくらいシンプルなのに、超カッコいいんですよ。ロックを最も問答無用に体現している存在。個人的にはめっちゃドライブしまっくてる#7が一番キましたね。
 そりゃこれだけやってくれれば、最初の曲から「俺はロックンロールスター」なんて歌っても許されるっちゅう話ですよ。ガチの労働階級出身からロックスターに成り上がる男ですからね。日本にいる、いかついナリして甘ったるいこと歌ってるような連中とはもう根本的な部分で違う。
 ちなみに歌詞ですが、ギャラガー兄弟の発言ほどスキャンダラスで過激でもありません。威勢はいいですけど、下品な感じではない。#9では一際ポップさを押し出して、可愛いことまで言っちゃってるし、#10ではかなり感傷的なこと言ってるようだし。
 あと#2とかをパッと見した感じ、韻も多分に意識しているようで、口ずさみやすいんですよね。
 メンバーの自画自賛、世間での評価や売上にも恥じることのない、最高のロックンロールアルバムです。ロック好きなら一度は耳に入れといて損はないと言っても、決して過言ではありません。
 また、学園祭でカッコつけたい、でも邦楽の人気バンドなんぞセルアウトでぬるいしファッキン……そんなバンドキッズの需要にも見事応えてくれるアルバムと言えるでしょう。弾くの難しくなさそうだし(2013.1.4)






(What's The Story) Morning Glory? 2nd Album

01.Hello
02.Roll With It
03.Wonderwall
04.Don't Look Back In Anger
05.Hey Now!
06.Untitled
07.Some Might Say
08.Cast No Shadow
09.She's Electric
10.Morning Glory
11.Untitled
12.Champagne Supernova


 前作以上に問答無用のカッコ良さを増した、全世界で2300万枚以上という文字通りケタ違いのモンスターヒットを飛ばした2ndアルバム。
 まず、ギターの質感が変わってます。あのOASIS独特の厚みと甘い歪みを含んだ鋭いギター音ですね。もう鳴っているだけで心を高揚させてくれるような音色です。
 あとは前作から単純に作曲の振り幅が広がっただけ、と捉えていいんじゃないでしょうか。超大雑把に言いますと、前作よりも8ビートのレールみたいなものに縛られすぎなくなったというか。
 カノンとイマジンを基調としたロックバラード#4は聴く者全てを感動させて止まないくらいの超名曲だし、#10はめっちゃクール&グルーヴィーなロックンロールで、これも超名曲。上空でヘリが飛ぶ大観衆の野外ライブで、メンバーがふてぶてしくプレイする様がリアルに浮かんでくるよう。「ニラレバタイム」と聴こえるかもしれませんが気にしないで下さい。もっと言うと#7も「牛丼は31000円」と連呼しているように聴こえます。
 あと代表曲と言えば#3ですね。アコギとキーボードが納豆と刻みネギのように絡み合って素敵なミディアムバラードだと思います。
 まあ早い話が、全曲一撃必殺級のキラーチューンなんですよ。『The Swamp Song』の一部を切り取ったインタールードの#6・11にしてもメチャクチャ印象的ですし。前作に引き続き超名盤。
 OASISを手っ取り早く知るにしても、超王道ギターロックを知るにしても、とりあえずこの2枚を押さえとけば全く問題ないでしょう(2013.1.5)






Be Here Now 3rd Album

01.D'You Know What I Mean?
02.My Big Mouth
03.Magic Pie
04.Stand By Me
05.I Hope, I Think, I Know
06.he Girl In The Dirty Shirt
07.Fade In-Out
08.Don't Go Away
09.Be Here Now
10.All Around The World
11.It's Gettin' Better (Man!!)
12.All Around The World (Reprise)


 賛否両論を起こしながらも全世界で950万枚以上を売っているという、これまたとてつもないモンスターアルバム。
 兄弟間でも、リアムは「最高傑作」ノエルは「失敗作」と賛否両論……というかここでも仲の悪さを発揮してるのかよって話ですが(笑)個人的には1stや2ndほどの超傑作とは行かないまでも、いい作品だと感じました。
 まずどんな風になっているかですが、ギターを多く重ねたり、フィードバックがキツめになったり、更には歌詞も感傷的な部分が増えたりと、ちょいと暗めなトーンの作品なんですよね。#2・5みたいに、ちゃんと攻撃的な詞も配備されてはいるんですが。これらの点は悪くない変化だと思います。
 ではどこでちょっと個人的な満足度を下げたか。それは、今までよりもビートルズリスペクトを出そうと(別にそんなこと考えてなかっただろうけど)アレンジに凝りすぎて、今までのような勢いがちょっと薄れてしまっている部分です。#8のような曲ではより切なさが強調されて伝わってきたりと、いい部分も勿論あるんですけど。
 もっとストレートで単純な方が、カッコよくなると思ったんですけどね。今作の曲の長さに関しては、ビートルズと対照的にどれも長めなんですけど。ちなみにふてぶてしさ満点のロックンロールチューン#2、ベッタベタながら琴線をビンビンさせてくれるロックバラード#4辺りが個人的にいいと思った曲です。
 重ねて申し上げる形になってしまいますが、今作は今作でいい作品なんですけどね。やはり比べると満足度は1つ落ちる形になってしまいます(2013.1.6)






The Masterplan Compilation Album

01.Acquiesce
02.Underneath the sky
03.Talk tonight
04.Going nowhere
05.Fade away
06.The swamp song
07.I am the walrus (live)
08.Listen up
09.Rockin' chair
10.Half the world away
11.(it's good) to be free
12.Stay young
13.Headshrinker
14.The masterplan


 B面集+ノエルの選曲集アルバム。
 何でしょう、「絶対聴け!」と言いたくなるような超強力なキラーチューン揃いって訳ではないんですけど、単なる穴埋めアルバムって内容でもないんですよね。ちなみに雰囲気的には『 (What's the Story) Morning Glory?』に近い。
 まあ、他のアルバムでオアシスにハマった人が次に踏み入れるような作品ですかね。そのためにも『Whatever』は是非入れて欲しかったんですけど。
 思わせぶりなギターイントロとは裏腹にえらくオーソドックスなロックチューン#2、クラッシュを強めにしたガシャガシャ感が心地良い#5、『 (What's the Story) Morning Glory?』のインタールードにも使われたインスト曲#6、小細工なしでど真ん中にストレートを投げ込んでくる#13辺りが個人的には好きです(2012.1.7)






Standing on the Shoulder of Giants 4th Album

01.Fuckin' in the Bushes
02.Go Let It Out
03.Who Feels Love?
04.Put Yer Money Where Yer Mouth Is
05.Little James
06.Gas Panic!
07.Where Did It All Go Wrong?
08.Sunday Morning Call
09.I Can See a Liar
10.Roll It Over


 前作『Be Here Now』の路線を推し進めたって感じの内容。個人的にはあまり好きではない作品です。
 と言うのも、聴いていてあまり印象に残らないんですよね。パワーやフックが弱くて。新機軸を打ち出してきたという点では評価したいんですけども、最初の2作であれだけセンスフルでカッコいい作品を聴かされた身としては、ちょっと物足りなくなってしまう。童貞喪失した相手がとんでもない名器の女性で、その後他のでは満足できなくなっちゃうみたいな?
 いいと思ったのは、ベースが黒幕のように一番奥にいながらも全てを牽引している#2、ジョン・レノンが嫌でも頭をよぎるサイケチックな#3、グルーヴィーなエレクトロック#4、これまたサイケな曲調の#6、渋みを帯びつつオルガン系のキーボードがアクセントとなっているバラード#7辺りでしょうか。ありゃ意外とあった。
 ちなみに今作は初めて、弟のリアムも作詞作曲に参加しております(#5)バラード曲ですが、やっぱり傾向的には兄と似てますね。
 パッと聴きの特効性は過去作よりも薄めですが、何回も聴くと段々ハマってくる作品ですかね(2013.1.9)






Familiar to Millions Live Album

●Disc 1
01.Fucking in the Bushes
02.Go Let it Out
03.Who Feels Love
04.Supersonic
05.ShakerMaker
06.Acquiesce
07.Step Out
08.Gas Panic!
09.Roll With It
10.Stand By Me

●Disc 2
01.Wonderwall
02.Cigarettes & Alcohol
03.Don't Look Back in Anger
04.Live Forever
05.Hey Hey, My My
06.Champagne Supernova
07.Rock 'n' Roll Star
08.Helter Skelter


 2000年7月21日にウェンブリー・スタジアムで行われたライブの模様を中心に収録されたライブアルバム。兄弟揃ってマンチェスター・シティのサポーターなのにウェンブリー。いや別におかしくないんですけどね。
 観客の歓声が物凄いです。プロダクションがクリアで、メンバーのプレイもはっきり聴こえるんですが、それ以上に観客の熱気が正にノエルの分厚いギターが如く、臨場感を伴って押し寄せてくる。特に『Wonderwall』『Don't look back in anger』辺り。
「ロックって多くの人間を熱狂させられるんだぜ!」的な言葉に疑いを持っている方は、これを聴いてみるといいと思います。オーラと衝動があれば、人の心が動くということが分かるのではないでしょうか。
 セレクトもA面曲が多めなので、入門盤にも悪くないかも(2013.1.11)






Heathen Chemistry 5th Album

01.The Hindu Times
02.Force Of Nature
03.Hung In A Bad Place
04.Stop Crying Your Heart Out
05.Songbird
06.Little By Little
07.A Quick Peep
08.(Probably) All In The Mind
09.She Is Love
10.Born On A Different Cloud
11.Better Man


 5枚目のアルバムは、言うなれば『原点回帰しかかったアルバム』。
 まず先に当時との違いについて触れます。まずは作曲率の配分。かつてはノエルが全て作詞作曲しておりましたが、今作はリアムも作曲数を増やし、更にはゲム・アーチャーとアンディ・ベルも作曲に参加したりと、より『バンド全員で作ってる感』が強まってます。
 そんなゲムとアンディの曲ですが……良く言えばOASISのカラーに合っている曲、悪く言えば、別にノエルが作っても構わないような曲ですね。そこそこいい曲なんですけどね。
 リアムの曲はいい出来だと思います。まず#5ですが、無駄がないどころか骨しかないぐらいシンプルな曲なんですが、凄く心に響くんですよね。#10の危ういメロディライン、重苦しくもわずかに透明感を感じさせる音も美しいですし。#11は凄くいい、とは正直思いませんでしたが、悪くはありません。
 問題は、リアムの声が明らかに以前より変わったことでしょうか。よりロックな感じにザラついているというか、これは痛んでいる感じですね。だからノエルがヴォーカルを取る割合が増えたんでしょうか。熱狂的なファンではないから、詳しい経緯は分からないんですけど。
 何故最初に原点回帰『しかかった』なんて書いたかというと、ロックンロール成分が足りないんですよね。ミディアム〜バラード系が多すぎて。幸いそれらのクオリティが安定して高めだったからまだ聴き応えはあったんですが、もっと序盤の曲のようなパワーもアルバム全体で欲しかったところ。
 中途半端、とまでは言わなくとも、惜しい作品でした(2013.1.12)






Don't Believe the Truth 6th Album

01.Turn Up The Sun
02.Mucky Fingers
03.Lyla
04.Love Like A Bomb
05.Importance Of Being Idle, The
06.Meaning Of Soul, The
07.Guess God Thinks I'm Abel
08.Part Of The Queue
09.Keep The Dream Alive
10.Bell Will Ring, A
11.Let There Be Love


 特徴であった分厚いギターサウンドは鳴りを潜め、硬質的なジャカジャカストロークが音の中心に居座っているアルバムです。
 これは良い変化じゃないでしょうか。従来のギターサウンドの虜だった自分でも、素直にそう感じました。
 革新的でも何でもなく、かつてイギリスで流行したロックスタイルをリバイバルさせただけなんですけど、これだけ様になっているならばいいじゃあないですか。そもそも彼らがずっと貫いてきたのは、シンプルさが映える音楽ばかりだったんですから。やはりこのバンドのロックンロールの才能は世界屈指にズバ抜けている。あとこういう方向性でも、やっぱり音作りが凄く上手い。
 時に熱く、時に叙情的と、最初から最後まで心揺さぶられっぱなしだったんですが、特にギャラガー兄弟が珍しく2人で歌う最後の曲はホント最高。別に兄弟愛を歌っている曲ではないんですけど(笑)
 という訳でこれは会心の一作でした。よほど音で空間を埋めることにこだわりがあって、隙間のあるバンドサウンドが嫌いってこともない限りは、ロックリスナーならだいたいの人が楽しめることでしょう(2013.1.13)






Dig Out Your Soul 7th Album

01.Bag It Up
02.The Turning
03.Wating For The Rapture
04.The Shock Of The Lightning
05. I'm Outta Time
06.(Get Off Your)High Horse Lady
07.Falling Down
08.To Be Where There's Life
09.Ain't Got Nothin'
10.The Nature Of Reality
11.Soldier On


 事実上のラストアルバムは、前作の路線を特に継承することもなく、最もビートルズの音に近接した作品と言っていいのではないでしょうか。
 音作りを特に近付けている印象がありますね。あえてオールドな機材を使ってみせたり、曲調もサイケ率が上がったり、メンバーが特定の楽器に縛られない柔軟さを見せてきたり。そしてシタール(玩具だそうですが)を鳴らしてみせたり。
 いいんじゃないでしょうか。タフなパワーでの勝負を避けるなら、こういった『聴かせる』方向へ行くのが良いと自分も思いました。元々メロディセンスは図抜けてますし、構築力や着想を再現する技術にも長けているようですし、完成度の高いアルバムだと思います。
 超強力なキラーチューンがなく、平均点が高めな曲を並べてきたマシンガン打線風の(自分が勝手にそう解釈しただけですが)トラックリストもハマっている。サイケ系ですから、特定の曲をヘビロテするよりも聴き通してもらった方がいいですもんね。
 そういえば#7はアニメ『東のエデン』の主題歌に使われてましたっけ。知った時は「おおお」となりましたけど、同時に「何故にOASIS?」とも思ったもんです。これも改めてじっくり聴くとビートルズっぽいですよね。この独特のアクセントの置き方が若干『Ticket to ride』っぽいというか(2013.1.14)






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