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PIERROT



Mini Album 気狂いピエロ 1995年
Album パンドラの匣 1996年 ★★★★★
Mini Album CELLULOID 1997年 ★★★
Single Screen 1998年 ★★★★
1st Album FINALE 1999年 ★★
2nd Album PRIVATE ENEMY 2000年 ★★★★
3rd Album HEAVEN 2002年 ★★★★
4th Album ID ATTACK 2003年 ★★
Indies Best Album DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律- 2003年 ★★★
5th Album FREEZE 2004年
c/w Best Album DICTATORS CIRCUS -A deformed BUD- 2005年 ★★★
18th Single HELLO 2006年









気狂いピエロ Mini Album

01.プロローグ
02.VANITY DANCE
03.気狂いピエロ
04.Labyrinth
05.Mother
06.DUAL
07.Sleep or Dead


 ヴォーカルが別人だった頃のミニアルバム。ちなみにキリトはギターで参加。
 (苦笑)を語尾につけたくなるヴォーカルである(爆)この後変えられたというのも納得のレベル。キリトも別に上手くはないですが、個性がある分キリトの方に軍配が上がる。
 楽曲もこの頃は無個性で、ブームの頃に量産された典型的なV系といった感じ。後に発表される楽曲のプロトタイプ(#4・5)もありますが、特に優れた曲でもないですね。
 好奇心の強い人向け。クオリティを期待すると肩透かしを食う(2010.6.10)







パンドラの匣 Album

01.自殺の理由
02.青い空の下…
03.利己的な遺伝子
04.KEY WORD
05.ドラキュラ
06.満月に照らされた最後の言葉
07.Far East 〜大陸に向かって〜
08.メギドの丘
09.SEPIA
10.「天と地」と「0と1」と


 最終的なメンバーで固定されてから初めてのアルバム。
 この頃が一番面白いことをやっていたなと。各パートとも基本的に難しいことはしていないし、技術的に優れている訳ではありませんが、独特なズラし方・重ね方によって立体的なバンドサウンドへと昇華されている。歌詞もこの時はテーマも言い回しも凝っていて実に興味深い。
 パンドラの匣と命名するだけあって悲劇的な内容の曲ばかりで、詞曲ともにダークな世界観ながら、どことなくポップな空気が混じっているのが特徴。
 もう絶望しかない#1からキャッチーな疾走曲#9まで、どの曲も良いですが、個人的にベストなのはアルバム中最も難解に感じた#10。今のキリトじゃもう作れないだろうな。
 技術や環境的な不足をアイデアで補ってのけたID野球チックな名盤(2010.6.10)







CELLULOID Mini Album

01.セルロイド
02.Adolf
03.脳内モルヒネ
04.Twelve
05.鬼と桜
06.HUMAN GATE


 前作で構築したスタイルはそのままに、より純粋なロックサウンドで勝負しようという気概が見受けられる。
 が、やはり気持ち悪い方向の楽曲の方が良い物が多いですね。変則リズム+人間の習性を嘲笑するような歌詞の#1とか、ダーク&ポップで気持ち悪すぎる(褒めてます)#3みたいに。
 疾走系ロックの#2・4は歌詞は『らしい』けど曲は普通。和風バラード#5は全体的に表現力が追いついてないし、キャッチーな人生応援ソング#6はサビの歌詞が陳腐すぎるのがどうにも。他の部分は結構良いのに残念。
 酷評してるように見えるかも知れませんが、それでもインディーズとは思えない練り込み具合だと思ってます。特にコンセプチュアルな部分。美事な統一ぶり(2010.6.10)







Screen Single

01.screen 1 トリカゴ
02.screen 2 VIRTUAL AGE
03.screen 3 残酷な夜


 メジャーデビュー直前にリリースしたマキシシングル。Screenと銘打つだけあり、『映像』が3曲共通したキーワードとなっている。シングルでもきちんと濃密な世界観を打ち出しているのは流石。
 切ないメロで疾走しつつもトリッキーな#1はAdolfやTwelveの進化形といった感じで単純にカッコいいです。歪んだツインギターの絡みと少々の加工を施したドラムとヴォーカルが独特の空間を生み出している#2も良い。タイトルに反して優しい曲調なバラードの#3はアイデアは面白いけど、楽器隊をちょっと持て余し気味な感が。ベースくらい上手く使ってくれてもいいのでは(2010.6.10)







FINALE 1st Album

01.FINALE
02.ハルカ...
03.CREATIVE MASTER
04.カナタヘ...(Album Mix)
05.ECO=System
06.MAGNET HOLIC
07.MAD SKY −鋼鉄の救世主−
08.SACRED
09.ICAROSS
10.ラストレター
11.クリア・スカイ(Album Version)
12.CHILD
13.Newborn Baby


 リリース時期が時期だけに、世紀末で終末思想ってな歌詞があちらこちらに。ただしそこでハイ終了ではなく、終わりの始まりを意識している所が変な所で妙にポジティブな彼らの価値観を象徴しているようで面白いです。
 また、毒がやや薄まっている代わりにギターシンセが大活躍していて、世界観の描写に一役買っております。逆にベースは結構見せ場が回ってくる割に地味なフレーズしか弾いてないのが勿体無い。
「こういう物を描きたい」という意志は分かりますが、肝心の楽曲が決定打に欠けるのが難点。デジタルな雰囲気の#6、異国情緒を出しつつも鬼気迫る雰囲気の#9、隙間を上手く活かした桜バラード#10辺りは良いんですけど。しっとりバラード#8も悪くないけど、転調が無理矢理なのが引っかかる。曲調が曲調なだけに。
 #12でひとまずエンディングを設けつつ、最後の曲で次回作への布石を打っている所も抜け目ないというか、コンセプトを売りにしているバンドだっただけあるというか。
 何だかんだ世紀末の時勢に便乗することには成功しているけど、それが過ぎ去った現在冷静に聴くと、色々足りない物が見えてくる、そんなアルバム(2010.6.10)







PRIVATE ENEMY 2nd Album

01.THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)
02.CREATURE
03.ENEMY
04.MASS GAME
05.AGITATOR
06.不謹慎な恋
07.Waltz
08.パウダースノウ
09.ゲルニカ
10.FOLLOWER
11.Analyze Chat「FREAKS」
12.FREAKS
13.ATENA
14.神経がワレル暑い夜
15.THE LAST CRY IN HADES (NOT GUILTY)


 社会的なメッセージを含んだ歌詞が多いですがリスナーを啓蒙している訳でもなく、あくまで作中の主人公を動かすための世界観として使っている印象。誕生前を描いた#1、産まれ落ちた後の#2、そして#3以降で社会に組み込まれていく…といった具合に、アルバムの流れはとてもよく考えられてます。
 直接的にエログロを描くのではなく、人間や人間が作り出したシステムの内面的なヤバさを引きずり出して見せるような歌詞こそがキリトの真骨頂。
 また楽曲面では、一つのメインリフを軸に曲を組み立てる方法がこの頃から目立つように。
 後期〜Angeloになってからもずっとそんな感じですが、正直向いてないと思う。弦楽器隊が時折細かく刻んだりとか、ヴォーカルが早口パートを入れたりして緩急をつけるということをほとんどしてこないから、凄くのっぺりして聴こえる。ドラムは結構細かく叩いたりすることが多いから、淡々としたノリを作ろうと意識している訳でもなさそうだし。例外的に#14は演奏陣が奮闘していて凄く良い。
 プロダクションは良好。当時は音を潰しまくったギターがあまり受け入れられなかったんですが、改めて聴いてみるとこの方がアルバムの世界に合っていていいです。#2・3のように。隙間が虚無感を演出しているアコースティックな#8、ガラクタでドラムセットを組んだという#10みたいなアレンジも面白い。
 リアリティを増した毒を浴びたい人は是非(2010.6.10)







HEAVEN 3rd Album

ex1.PARADOX
01.HEAVEN
02.新月
03.DRAMATIC NEO ANNIVERSARY
04.HOME SICK
05.LOVE&PEACE 06.COCOON
07.BELIEVER
08.AUTOMATION AIR
09.壊れていくこの世界で
10.OVER DOSE
11.REBIRTH DAY
12.BIRTHDAY
ex2.SUPER STRING THEORY


 いわゆるメジャー3部作の完結編。これまでの2作と比較して明らかにキャッチーです。
 #6・9のようにほぼ普通のロックに振り切れたような曲もありますが、元々ポップな要素を多分に含んでいたバンドなので、元々の毒素と混ざり合っていい意味でとても気持ち悪くてよろしい。毒にも薬にもどっちにも自在に傾けるというか。
 単純にカッコいい縦ノリ疾走ロックチューン#2、胎内回帰願望を歌っていると思われる、歪んだサウンドの中にも寂寥感を感じさせる#4が特にお気に入り。またPIERROT流ビッグビートな#8なんか新境地になり得ただろうに、今後これ系の楽曲は出ず。残念。
 結果論ですけど、音楽的にはここがピークでしたね(2010.6.10)







ID ATTACK 4th Album

01.a pill
02.PSYCHEDELIC LOVER
03.DAYBREAK
04.Upper flower
05.ネオグロテスク
06.革命の黒い翼
07.ACID RAIN
08.Hill-幻覚の雪-
09.GOD BLESS Xmexxxx
10.MORNING JUNKY
11.薔薇色の世界 (Album Mix)
12.ANSWER


 コンセプトでガチガチに固めた作風からの脱却=キリトの個人的な日記化。
 それだけならともかく、表現がつまらなくなっていくのには耐えられない。#5なんて品がなさすぎる。演奏は良いのに。対テロにおける某国の態度と自身のそれをかけた自虐ソングであろう#9もテーマは面白いのに。
 サウンド面では一気にヘヴィさが増しており、今までの武器だった描写力や立体的アンサンブルはなりを潜めております。
 バンド一体となって塊を作り出す演奏が苦手なためか、あまり上手く移行できていない印象。特に#1みたいな四つ打ち系の曲は上手くノリを出せない彼らには最も向いてないタイプでは。#3・5・6・10辺りは比較的良い方か。
 個人的ベストは#8。美メロが映えるV系王道のメロハーといった感じで純粋なカッコよさがあっていい(2010.6.10)







DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律- Indies Best Album

01.自殺の理由
02.Adolf
03.脳内モルヒネ
04.Screen1 トリカゴ
05.ドラキュラ
06.鬼と桜
07.青い空の下...
08.SEPIA
09.満月に照らされた最後の言葉
10.HUMAN GATE
11.「トウメイ」故「人間」也。


 インディーズ時代の楽曲を選抜して再録したベストアルバム。
 細かい部分に修正が加えられているものの、概ねメジャーの録音環境で録り直しました、といった感じ。再録がプラスになっているものもあれば、そうでないものもある。
 #2・5は音が厚くなるだけで大分好感触だし、逆に#3・4・8はインディーズのチープな質感の方が味があって良かった。
 一番化けたのは#6ではないかと。拡張されたイントロを抜きにしても、楽曲の伸びしろを限界まで伸ばせたと思う。
 サウンド面は大きな不満はありませんが、ヴォーカルが酷い。チバユウスケを真似ようとして失敗したみたいな喉の状態になってる。それは言い過ぎにしても、がなりはマジで酷い。
 ちなみに#11は『パンドラの匣』よりも前の時期の音源だったものの再録。タイトルや歌詞の内容は個性的ですが、曲そのものはまあ、インディーズレベルです。
 ファン向けの、サービス精神溢れるベストアルバム。ファン以外もこれ単体で聴くのではなく、元の音源と聴き比べてみた方が面白いと思います(2010.6.10)







FREEZE 5th Album

01.FREEZE
02.Smiley Skelton
03.PERFORMANCE
04.WINDOW
05.CLOWN'S MUTTER
06.パラノイア
07.UNMASK
08.深い眠りが覚めたら
09.UNKNOWN
10.PIECES
11.MYCLOUD


 当時は佳作ぐらいには思っていたけど、改めて聴き直してみたら「こんなつまらなかったっけ?」という思いが去来してしまった。
 更にプライベートモードが進行したキリトの歌詞、まるでなっちゃいないがなり声、ツインギターを殺すようなユニゾンの嵐、それに追随することを強制されているかのような窮屈そうなリズム隊。確かにフリーズしてしまう(爆)
 一体感を出すにしても、カッチリ弾きたいのかうねりを出したいのかはっきりして欲しい。和風テイストを取り入れた#2にしても物凄く中途半端。#5・7辺りはまだテンションで押し切れている分まともに聴ける。
 歌がまともになり、演奏がもう少しタイトになるだけで大分違うと思うんですが。頭が追いついていても基礎体力が追いついていない印象の、勉強は出来るけど体育が苦手な生徒的アルバム。もしくは文系が得意なのに無理して理系選んじゃった的アルバム。変な例えばっかですいません(2010.6.10)







DICTATORS CIRCUS -A deformed BUD- c/w Best Album

●DISC1
01.蜘蛛の意図
02.MOTHER sceneU
03.カナタヘ...
04.Labyrinth 〜鏡には映らない君が〜
05.GENOME CONTROL
06.パウダースノウ
07.FOLLOWER
08.PURPLE SKY
09.神経がワレタ寒い夜
10.*自主規制(HAKEN KREUZ)

●DISC2
01.DOMESTIC VIOLENCE
02.有害な天使
03.真っ赤な花
04.サルビア
05.REBIRTH DAY
06.LANDSCAPE
07.メディアノイド
08.夕闇スーサイド
09.パラノイア
10.EASTER
11.THE DREAM WHICH WARPED


 1枚目が東芝時代、2枚目が移籍後の曲となっております。
 概ねシングルやアルバムに付随した音楽性の変遷と捉えて問題はないかと。大雑把な話、どちらがシングル・カップリングでも機能するようになっているというか。彼らってシングル単位でもコンセプチュアルな作品作りをしているんですよね。
 だから、歌詞や世界観重視のリスナーがカップリング単体で聴いても「?」となってしまう可能性があるかも。
 楽曲のみで聴けばシングルベスト同様、メジャー以降における彼らの歴史の総集編なアルバムになりますね(2010.6.10)







HELLO 18th Single

01.HELLO
02.Utopia


 解散発表後にリリースされたラストシングル。
 FREEZEの延長線上にあるヘヴィでソリッドなロックナンバー。シングル向けにちょっと洗練された感はありますが、特に言及することもない無個性な曲。キリトの声が更に劣化してることを除けば。完全にバンドサウンドに負けている。
 ファンに対するけじめみたいな音源なので、後追いで興味持った人は別段聴くほどのものではないかと(2010.6.10)







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