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Rage Against The Machine


1st Album Rage Against The Machine 1992年 ★★★★★
2nd Album Evil Empire 1996年 ★★★★★
3rd Album The Battle of Los Angeles 1999年 ★★★★★








Rage Against The Machine 1st Album

01.Bombtrack
02.Killing In The Name
03.Take The Power Back
04.Settle For Nothing
05.Bullet In The Head
06.Know Your Enemy
07.Wake Up
08.Fistful Of Steel
09.Township Rebellion
10.Freedom


 アメリカ最強の左翼バンド・レイジアゲインストザマシーン。ヴォーカルのザック・デ・ラ・ロッチャは政治活動家を両親に持っていたり、ギターのトム・モレロはハーバード大首席卒業→民主党上院議員の秘書という経歴を持つ超エリートだったり、ガチすぎます。ライブでもステージにチェ・ゲバラの肖像画を飾ったり、星条旗を逆さに吊るしたり、音楽で政治的メッセージを伝えるよいうよりむしろ政治的メッセージを音楽で放射している感すらあります。機関銃のようにぶっ放してるのが弾丸か言葉かの違いなだけ。
 自由の国・アメリカですら規制される伝説のバンド、そんな政治的要素の是非などはさておき、音楽的には真っ当にカッコいいです。シンプルでありつつコアな部分も包括、技術・グルーヴ共に申し分なく、最強レベルのカッコ良さ。
 基本シンプルながら軸が一切揺るがないドラム、スラップを多用するベース、リフを軸に、ギター離れした様々な音色を生み出しつつ、HR/HM的な速弾きもあっさりこなすギター、それらの上にまくし立てるようなラップ調のアジテートヴォーカルを乗せるスタイル。よく言うミクスチャーってやつですね。厳密にはラップロックの方がいいかもしれませんが。
 彼らが鳴らした音そのものに障壁はありません。ロックとかメタルとかファンクとかラップとか、そういった区切りを超越した『音楽のパワー』『音楽のカッコ良さ』をダイレクトにハートへ届けてくれます。あなたがどんな政治信条を持っていようと、まず聴いてみて下さい(2013.5.27)






Evil Empire 2nd Album

01.People Of The Sun
02.Bulls on Parade
03.Vietnow
04.Revolver
05.Snakecharmer
06.Tire Me
07.Down Rodeo
08.Without A Face
09.Wind Below
10.Roll Right
11.Year Of Tha Boomerang


『悪の帝国』というタイトルが何を指すか……言うまでもないでしょう。よりアジテートに拍車をかけつつ、プレイ的にもよりトリッキーになった渾身の一作。
 特にギターの変態度に、増々磨きがかかってます。DJがレコードをキュッキュするように、ギターで同じことをしてみせる『スクラッチ奏法』を繰り出したり、普通のバンドはSEでやるような音色を、あえてギターで鳴らしたり。政治的メッセージの他に、ギターという楽器の可能性も開拓して提示してくれるご丁寧さ。
 正にカッコいい変態……つまり変態仮面なアルバムだと言えるでしょう!このバンドのメッセージに影響されて、反体制的なヒーローになる必要は必ずしもありませんが、余計なものを身に付けず、最低限の格好で身近な悪人にぶつかっていくヒーローになってみるのはいいかもしれません。
 戦え!レイジの音楽とおいなりさんを武器に!!(2013.5.28)






The Battle of Los Angeles 3rd Album

01.Testify
02.Guerrilla Radio
03.Calm Like A Bomb
04.Mic Check (Once Hunting, Now Hunted)
05.Sleep Now In The Fire
06.Born Of A Broken Man
07.Born As Ghosts
08.Maria
09.Voice Of The Voiceless
10.New Millennium Homes
11.Ashes In The Fall
12.War Within A Breath


 これを書いている時点では最後のオリジナルアルバム。
 キャッチーになったという意見が散見されますが、自分にはまたまた、もっともっとギターが飛び道具になっちゃってるなという印象を受けました。確かにこれまでの2作よりは重低音が抑えられていますから、聴きやすいという意見も十分納得できるんですが。ドラムも初期より手数が増えてますが、自分としては……うーん、シンプルな方が良かったかな。こういう音楽では、軸はシンプルでぶっとい方が好みなもので。
 ちなみに言うまでもないと思いますが、キャッチーになったのは音だけです。歌詞は相変わらずの過激派。ヤバイヤバイ。#2とかもうタイトルからしてゲリラ・レイディオじゃないですか。そりゃこんな内容を喚き立てれば、911テロ後にラジオ放送が全曲放送禁止になりますよ。
 あまり関係ない話ですが、はだしのゲンの作者・中沢啓治先生がもしこのバンドを聴いていたら一体どう思われたのか、個人的にちょっと気になりました(2013.5.29)






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