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凛として時雨



1st Album #4 2005年 ★★★★
Mini Album Feeling your UFO 2006年 ★★★★★
2nd Album Inspiration is DEAD 2007年 ★★★★★
3rd Album just A moment 2009年 ★★★★★
4th Album still a Sigure virgin? 2010年 ★★★★★









#4 1st Album

01.鮮やかな殺人
02.テレキャスターの真実
03.Sadistic Summer
04.ターボチャージャーON
05.AcoustiC
06.O.F.T
07.CRAZY感情STYLE
08.トルネードG
09.傍観
10.TK in the 夕景


 危なっかしいのに変に落ち着いていて、ポップなのに予測不可能な展開。鋭角的で金属的で攻撃的な、ギラギラ光るナイフみたいな時雨サウンドはこの時点で一つの完成形を整えていて、リスナーの鼓膜をグチャグチャにめった刺しにしてくる。
 あまり意味を持たせないで書いてるのかも知れませんが、歌詞の真意が時々意味不明なのがどうも(笑)感情をギター関連の単語に置き換えて表したりするアイデアは独特で面白いんですけど。
 技術的にも高いレベルに達しているし、独創性も邦楽中(自分の知る範囲内で)において突出していますが、嫌いな人はポップといえど本当に受け付けないアルバム。ヒットチャートや、お行儀のいいロックバンドを主食にしているリスナーは多分無理だと思う。
 ポップと思いきや目まぐるしく展開が変化する#1、徐々にテンションが暴走していく#2・3、歌メロにまでトレモロをかけているように錯覚する#4、淡々と精神崩壊寸前の心境を呟き続ける#9がお気に入り(2010.1.7)







Feeling your UFO Mini Album

01.想像のSecurity
02.感覚UFO
03.秋の気配のアルペジオ
04.ラストダンスレボリューション
05.Sergio Echigo


 345の歌の比重が増えていたり、トレモロに頼りがちだったギターの引き出しが増えていたり、より洗練されたミニアルバム。前作より曲数が半分になりましたが、濃度はこちらの方が高いかも。
 ジャキジャキしたテレキャスターと浮遊感溢れる歌メロがイケナイ世界(爆)へと誘惑する#1、楽器と歌が代わる代わるローテーションして出しゃばってくる#2、いつもの時雨サウンドなのにしっかり秋の雰囲気を醸し出している#3、いつもの(ry いい意味で中途半端にダンサブルな#4、終盤で意外な展開を繰り広げるスロー&ファストナンバー#5と、どこを切り取っても良曲揃い(2010.1.7)







Inspiration is DEAD 2nd Album

01.nakano kill you
02.COOL J
03.DISCO FLIGHT
04.knife vacation
05.am 3:45
06.赤い誘惑
07.1/fの感触
08.I not crazy am you are
09.夕景の記憶


 これを出した地点が丁度、バンド全体が途切れる寸前のギリギリ張り詰めたテンションだったと思います。理性も意識もぶっ飛ぶ極上のマッドアルバム。スロー系の曲でも全然休まらねぇ。
 イントロの急発進&急停止で度肝を抜かれる#1、踊れるのか踊れないのか良く分からない、いやそれ以前にサビの絶叫が卑猥な単語に聴こえてならない#3、浮遊感とヒステリックな嗜虐性を混ぜた#4、初の試みでもある、345が終始メインヴォーカルを取るポストロックな#5、初期のACIDMANの曲を時雨がアレンジしたような#6、正にヒステリーを起こしたような絶叫が全てを塗り潰していく#8が気に入りました。
 しかし#9みたいな割とノーマルなバラードはこのバンドには向いていないと思う。せめて345に歌わせるべきでは(2010.1.7)







just A moment 3rd Album

01.ハカイヨノユメ
02.Hysteric phase show
03.Tremolo+A
04.JPOP Xfile
05.a 7days wonder
06.a over die
07.Telecastic fake show
08.secret cm
09.moment A rhythm (short ver.)
10.mib126


 最大の特徴とも言える、危なっかしさや緊迫感がやや減退し、代わりに曲構成やフレーズがより複雑なものに。
 今までは外向的だった加虐性のベクトルが、今回は内に向いているというか。ギラギラしたナイフとギンギンに冷やされたナイフの違いというか。何だか意味の良く分からない喩えばっかでスマン!(爆)
 こういう変化を嫌がる層も確実にいると思いますが、個人的にはアリです。きちんと聴かせるだけの総合的な実力がきちんと備わっていると思うし、そもそもインディーズ期のような限界まで張り詰めたテンションがずっと続くとも思えなかったし。変化はある意味必然だったと思います(2010.1.1)







still a Sigure virgin? 4th Album

01.I was music
02.シークレットG
03.シャンディ
04.this is is this?
05.a symmetry
06.eF
07.Can you kill a secret?
08.replica
09.illusion is mine


 軸を全くぶらさず間口を広げ、技術をより磨き上げた、実に理想的な進化を遂げたアルバム。
 そんな中でも一際目立つのが、ピアノ音や切り貼り、打ち込みなどを使用したエレクトロな#3。エフェクターを多用することはあっても、こういうアプローチはなかったので新鮮に映る。
 その他の楽曲も殺傷力十分で、静と動、どちらのタイプの楽曲もとにかく先の読めないえげつない曲展開が目立つ。特に#2・4・5辺り。演奏力や狂気に浸りすぎず、根っ子の部分での強靭な理性で制御してる所が凄く計算高いんだよな。
 また、メロディの切れ味が増した→歌が楽器のように聴こえてくる錯覚が一段と強くなった印象。キャッチーで洗練されてるのに、総体的な音はもっとサディスティックカオスに。ふしぎ!
 ヴォーカルが今まで以上に高音をキンキンと張っていることと、わざと歌と音がごちゃ混ぜになるようなミキシングが施されていることが原因でしょうかね。
 ただ、金属的な声で敬遠されることはあれど、ヴォーカルの魅力が第一に来るタイプのバンドではないので、音楽番組に出てくるようなアーティストしか聴かないような層にはやはり騒音にしか聴こえないでしょう。
 敢えて難癖つけるならば(爆)歌詞でしょうか。いい加減頻出単語の連発はどうかと(意図的に過去の曲名を入れている節も見受けられますが)
 しかし目論見通り、従来のリスナーにも新規リスナーにも未知の音をぶつけることに成功した一枚だと思います。素晴らしい。こんな処女いたらたまらんわ(2010.9.26)







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