トップページ音楽感想
Slipknot


1st Album Slipknot 2000年 ★★★★★
2nd Album IOWA 2001年 ★★★★★
3rd Album Vol 3: The Subliminal Verses 2004年 ★★★★
4th Album ALL HOPE IS GONE 2008年 ★★★★★








Slipknot 1st Album

01.742617000027
02.[sic]
03.Eyeless
04.Wait And Bleed
05.Surfacing (Rough Mix)
06.Spit It Out
07.Tattered & Torn
08.Me Inside
09.Liberate
10.Prosthetics
11.No Life
12.Diluted
13.Only One
14.Scissors


 グロかわいい仮面を装着し、お揃いの赤いツナギを身に纏う様は、見る人が見たら「こいつらネタバンドか?」と思うかも知れません(爆)しかしちょっとでも彼らの音を耳にすれば、そんな考えはグチャグチャに蹂躙されてミンチになってしまうでしょう。
 簡単に表すなら、高い技術と音楽性を兼ね備えた、邪悪で攻撃的なヘヴィロック。ヴォーカル・ツインギター・ベース・ドラムに加え、パーカッションが2人・DJ・サンプラーとやたら大所帯で、低音がやたら分厚く埋まっているのが最大の特徴。
 余計なフィルは混ぜないけど、非常にタイトでパワーのあるドラムと、ダウンチューニングしたギターが重戦車の如く迫ってくる。ヴォーカルも負けじとがなり散らし、ラップも混ぜたりと暴れまくり。意外とメロディが立っているのも聴き逃せない。美メロとは大分距離があるけど。
 ゴチャゴチャになったり潰し合いになることなく、それぞれの個性を際立たせた上で一塊の音を生み出している所に、彼らの技術や計算高さが窺えますね。特にドラムの上手さは必聴物。
 こんな音だから、歌詞がどんなことになっているかは、もはや言うまでもないでしょう(笑)しかし意外と知的な言い回しをしてるということは付記させて頂きます。英語堪能な人間から見たらまた違うのかも知れませんが。少なくとも単細胞やネタに走ることが全ての人間には書けない文章。
 興味ない人間からすればただの雑音。スキモノからすれば至高の破壊性。そんなアルバムですね。僕ですか? もちろん後者に決まっとろうが!(2012.1.27)







IOWA 2nd Album

01.(515)
02.People = Shit
03.Disasterpiece
04.My Plague
05.Everything Ends
06.The Heretic Anthem
07.Gently
08.Left Behind
09.The Shape
10.I Am Hated
11.Skin Ticket
12.New Abortion
13.Metabolic
14.Iowa


 前作よりも更に狂気と、そしてキャッチーさが増した2ndアルバム。
 ほんと絶妙のポイントなんですよね。これ以上ないくらいの落とし所。体感上の全体的なテンポは前作の方が速いんですけど、音の分厚さだとか、演奏やヴォーカルのキチガイ具合、そしてメロの立ち方がよりハッキリとして、洗練されてる。
 けたたましく悲鳴が響く導入の#1からしてキレてるし、続く代表曲#2も、これ本当に同じ人間が出してる音なのか?と疑いたくなる。地獄で結成されたバンドが間違って人間界に出てきちゃったんじゃないの的な。メディアへの強烈な憎悪をブチ撒けたらしい#6も墨汁の100倍黒いし、ダウンテンポした#7も闇の底で煮えたぎる血の海のような邪悪さ。
 でもサビがキャッチーな#4とかを聴くと、やっぱり人間なのかなと揺り戻される(爆)そして最後の#14では、Toolみたいな要素を持つ長尺曲をやったりも。ワンパターンになりがちなこの系統の音に、ちゃんとバリエーションを持たせているのも素晴らしい。大体の曲に個性があるんですね。
 ちょっとでもこういう音が好きで、もしまだ聴いたことがないなら、是非手に取ってみて欲しいです。日本も含め世界中で売れたアルバムだから、どこでもすぐ見つかるはず。一緒に頭振りながらピーポーイーコーシッ!!しようぜ!!(2012.1.28)







 3rd Album

01.Prelude 3.0
02.The Blister Exists
03.Three Nil
04.Duality
05.Opium Of The People
06.Circle
07.Welcome
08.Vermilion
09.Pulse Of The Maggots
10.Before I Forget
11.Vermilion Pt. 2
12.The Nameless
13.The Virus Of Life
14.Danger - Keep Away


 一気にメロディを立たせた音楽へと傾いた3枚目のアルバム。ダークな雰囲気は継続しながらも、1曲目からダウナーなメロのミディアム曲で、一体何が起こったと思わずにはいられない。
 しかし次の曲ではいつも通りの展開になって一安心である(笑)しかしこれまでよりも明らかに勢いがダウンしている。と思えば後半はきっちり暴れ回る。
 こんな感じで、暴れたりメロディを聴かせたり、といった展開をアルバム全体で交互に繰り返している印象の作品ですね。
 それに伴って、ギターの質感が少し軽くなってます。とはいえ別に売れ線に走ってる訳ではないし、テクニカルなプレーがより目立つ結果に。#5のように、HR/HMのバカテクギタリストばりに弾き倒してる曲もあったり。
 メロディセンスもいいし、ヴォーカルもきっちり歌い上げて対応してますし、これはこれで充分アリだと思います。前々作と前作があまりにインパクトの強い名盤で、正直言えば自分もあちらの方が好みなんですが、ずっと同じような路線だったら飽きが来ていたと思うんですね。
 なのでこれはいい変化と捉えたい。安直にセルアウトだのなんだのと言う奴には「ナカユビタテロー!」でいい(爆)ちなみに断然聴きやすくなったとはいえ、耐性のない人間が聴いたらやっぱりただの雑音(2012.1.29)







ALL HOPE IS GONE 4th Album

01..execute.
02.Gematria [The Killing Name]
03.Sulfur
04.Psychosocial
05.Dead Memories
06.Vendetta
07.Butcher's Hook
08.Gehenna
09.This Cold Black
10.Wherein Lies Continue
11.Snuff
12.All Hope Is Gone
13.Child Of Burning Time
14.Vermilion Pt. 2 [Bloodstone Mix]
15.'Til We Die


 前作のメロディアスさを継承しつつも、1st・2ndの頃のような攻撃性をある程度取り戻してきた4枚目のオリジナルアルバム。メタルコアな方向性に近い。アートワークスにもその変化が表れてますね。今まではメンバーが装着しているマスクのようにグロテスクな絵だったのに、今作は草原に佇むメンバーの絵。色調も相まって、哀しささえ感じさせる。
 ダークではありますが、アングラな雰囲気は大分薄れてます。あとアルバム全体のテンポがダウン気味なのも変わらず。前作の感想でも書きましたが、こういう風に変化しても個人的には問題なく受け入れられますね。しかしこのバンドはイメージとは裏腹に、本当に技術的な部分や、曲の作り方が洗練されてるよな。
 歌詞も相変わらず素敵な言い回しだし、聴きやすく路線変更するにはかくあるべき、といった内容。しかしこのアルバムを出した数年後、ベースのポール・グレイが急逝してしまうことに……(2012.1.30)







inserted by FC2 system