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Suara



1st Album アマネウタ 2006年 ★★★★
2nd Album 夢路 2006年 ★★★★
3rd Album 太陽と月 2008年 ★★★★★
4th Album キズナ 2009年 ★★
5th Album 花凛 2011年 ★★★★








アマネウタ 1st Album

01.睡蓮-あまねく花-
02.遠い街
03.トモシビ(acoustic version)
04.星座
05.十月雨
06.pray
07.はじまりの約束


 凄く丁寧に歌を聴かせてくれるアルバム。
 まず、Suara自身の歌唱力が高い。鬼束ちひろを少し温かくしたような声質でしっとりと丁寧に歌い上げるので、ついつい聴き入ってしまう。ビブラートの振幅をきちんと使い分けているのがいですね。
 曲やアレンジ・音作りはシンプルで、歌を引き立てるための脇役に徹している。歌詞も特筆するようなことはなく至って普通ですが、特に破綻してたりおかしなことは言ってない。やっぱり丁寧。もっと言うと、歌詞に奥ゆかしい女性像のイメージが確立されているので、ヲタ受けも良さそう。#7だけちょっと浮いてるというか、一般人的な気もするけど(これだけ"華音"なる人が作詞を担当している)
 総じて、彼女の歌を活かすことに特化しており、それが完璧にピタリとハマっている印象。制作側が歌唱力に頼りすぎて、変な色気を出さず適正外の曲を歌わせていない所は○。
 彼女は元々エロゲ畑からデビューをした人ですが、一般売りした方がもっと売れたかも。この人の音楽的ルーツはどちらかと言うと、80〜90年代のJ-POPに近い気がする。
 ともあれ、偏見抜きで聴いて欲しいですね。Suara(インドネシア語で"声"という意味らしい)の名に偽りなき一枚(2010.12.15)







夢路 2nd Album

01.君だけの旅路
02.永久に
03.アオイロの空
04.He is here 〜私の神様〜
05.君のかわり
06.夢想歌
07.brand new days
08.時の河
09.lesson
10.あなたの笑顔
11.旅立つ人へ
12.キミガタメ


 うたわれるものが大きく関係してると思うんですが、楽曲の和風テイストが強化されてます。くどくなりすぎず、歌を引き立てることを忘れていないさじ加減はナイス。
 前作同様、ゆったりとしたバラード系が多いんですが、より曲ごとの差別化が図れたんじゃないでしょうか。元々丁寧に作ってあるから、アレンジ抜きにしても金太郎飴状態にはなってないんですけど。
 前作から約8ヶ月の間隔という、短い期間でのリリースなので、劇的な歌唱力の向上はありませんが、元々が十分なレベルなので問題なし。丁寧な歌唱で魅了してくれます。
 一番良かったのは#9。夏の終わりの夕暮れに聴きたくなる切ない名曲。
 あと音質がかなりいいんですよね。自分が持っているのはSACDでなく通常盤なんですけど、凄くクリア。こんな所でも丁寧。
 このアレンジは少し一般のポップスリスナーを遠ざけてしまいそうですが、これも是非聴いてもらいたいですね。他のアニソン・ゲーソン歌手や同人系歌手よりは聴きやすいし(2010.12.16)







太陽と月 3rd Album

01.haunting melody
02.光の季節
03.真昼の月
04.BLUE
05.太陽と月
06.June
07.一番星
08.クロール
09.home
10.大樹のそばで
11.水鏡
12.忘れないで (Album version)
13.蕾-blue dreams-
14.memory


 大分アニソン・ゲーソン方向へと傾いた3枚目。1曲目からして今までとはちょっと違う、王道ファンタジー系のアニメやゲームのOPに使われそうな楽曲だし。まあ、元々こういうのが正しいというか、本来あるべき姿といえばそうなんですが。個人的にはレベルアップと受け取りました。アレンジも音質も申し分なし。
 眼下に広がる雲海の上を翔ぶが如き雄大なスケールの#4、奥ゆかしい恋心を歌ったバラード#5、爽やかなポップロック#8、アコースティック風味を強めたバラード#12が特に好き。
 そして太古からの記憶を語り継ぐような、優しさと壮大さを兼ね備えた#14で締める構成。聴き終えた後余韻で身動きが取れないです。言い過ぎ?
 個人的にはこれが現時点で一番好きな作品かな。極端に作風を変えるタイプのアーティストでもないし、大きな外れがある訳でもないから、結論としてはどれも勧められるということになっちゃうんですけど(2010.12.17)







キズナ 4th Album

01.adamant faith
02.Free and Dream
03.彼女の背中
04.舞い落ちる雪のように
05.TOKYO-days
06.また会えるその日まで
07.フレンズ
08.Crystal Tears
09.春夏秋冬
10.花詞
11.うつせみ
12.天使がみる夢


 90年代初頭を髣髴とさせる、やや化石入った歌謡曲的空気を基調に、打ち込み系とロックと生音重視な民謡調の曲が入り混じっており、どうにもアルバムとしてのまとまりに欠ける。冒険しにきたのはいいですが、アルバムのバランスが少し崩れてしまっている印象。
 彼女の資質を活かしている楽曲はやはり三つめだと思いますが。作家の参加人数を絞ってでも、ある程度方向性を絞った方が良いような。
 歌唱力については疑いの余地はないけれど、ロック調というか、感情をグイグイ押し出すタイプの曲はあまり向いていない印象。その点は、奥ゆかしさや微細な心情の揺れを表現するのが苦手な水樹奈々とは正反対。
 悪くはないんですけどね(2010.1.1)







花凛 5th Album

01.凛として咲く花のように
02.赤い糸
03.風のレクイエム
04.かくれんぼ
05.アレハタレドキ
06.横恋慕
07.ビートに合わせて
08.カイト
09.帰郷
10.僕らの旅
11.唄種 −ウタタネ−
12.雪の魔法
13.POWDER SNOW


 Elements Gardenの方と結婚されたということで、楽曲まで染まってしまうのではないかと危惧していたんですが(彼女の歌と相性がいいとは思えないので)、そんなことはなく一安心。公私は別ってことですかね。
 今までの中で一番"歌謡曲"って感じの曲が並んだアルバム。真新しさはありませんが、彼女の歌には合っているのでいいんじゃないでしょうか。しかしトータルタイムが1時間以上あって、個人的にはちょっともたれる内容。数を減らして欲しかった。#12・13のように、被り気味の曲を削るとかして。つーか#13はどうしてもドリカムの未来予想図Uを思い出すな。ドリカムをカバーするのもアリかも知れない。相性良さそう。
 メロディが被りがちに聴こえないこともないですが、曲の作り自体はやはり丁寧ですね。一番に聴かせるために、メロディと歌を大事にするというポリシーは崩されていない。#6は和風の曲を無理矢理アッパーにした感がありますが。あと#7も、別の意味でどうかと思うんですけどね。曲名通りパキパキしたビートに乗せた、ちょっぴりアイドルポップス風味の曲なんですが、果たして人妻が歌っていいものだろうか(爆)
 歌詞は相変わらず、奥ゆかしい女心を歌ったものばっかりですな。そろそろ人妻ならではの歌詞があってもいいんじゃないかな。例えば#6を『さくらんぼ』にして、いたいけな青年を食べちゃうぞみたいな歌詞にするとか。ダメ? だって本当に普通の詞って感じで字面のインパクトが薄いから、そういう刺激が欲しくなるんだもーん。
 ちょっと鬼束ちひろを思わせる#4が、個人的には一番気に入った曲。歌詞にはちょっと突っ込みたいんですが。両思いという確信があるならまだしも、悲恋系にかくれんぼはなー、と。また何でワルツを踊るのかちょっと考えてみたんですが、答えが出てこなかったり(爆)
 あと#2も結構良かったです。数少ないながら、彼女のロック系の曲の中では一番じゃないでしょうか。歌詞には(ry 「吹雪の夜に裸でいても」という喩えが何気に物凄い。体張ってる芸人並。
 ちなみに「削れば?」と言ってしまった#12・13も、楽曲そのものは良いです。
 彼女に関しては極端な話、歌が楽しめればいいので、自分としては中々満足できたアルバム。次辺りでそろそろ、インドネシア語の曲をやってもいいと思うんですけど。
 現時点でこのアルバムが一番アニソンっぽさが薄いので、J-POP・歌謡曲好きにもお勧め(2012.2.20)







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