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the band apart



1st Album K.AND HIS BIKE 2003年 ★★★★★
2nd Album quake and brook 2005年 ★★★★★
3rd Album alfred and cavity 2006年 ★★★★★
4th Album Adze of penguin 2008年 ★★★★★
5th Album Scent of August 2011年 ★★★★★








K.AND HIS BIKE 1st Album

01.FUEL
02.cerastone song
03.Snowscape
04.ANARQ
05.Take a shit
06.fool proof
07.silences
08.ag FM
09.Eric.W
10.K.and his bike
11.in my room


 日本的な感性からは大分乖離した音なのが特徴。いわゆる歌謡曲臭さは微塵もない、実にお洒落な雰囲気。ファンクやR&B、ボサノヴァなどの横ノリ系、更にはジャズなどをも積極的に取り入れて融合させたAORというか、ギターロックというか。#7のように時折ハードな所を見せてくる所もまたいい。
 後の作品と比べるとラフな感触ですが、ブレイク・変拍子・テンションコードなどを巧みに用いて複雑に交錯するアンサンブルは全パート非常にハイレベル。音をかなり詰め込んでるのに全然ゴチャゴチャした感じがしないし、シンプルに聴かせるのも上手い。メロディセンスも○。
 全英詞を歌うヴォーカルも発音含め上手いし(特に所々の『抜き方』が。しかもギターヴォーカル。ぱねぇ)正直隙らしい隙が見当たらない。1stにしてこの完成度は異常。
 どの曲も完成度が高いんですが、アジカンの羅針盤を超レベルアップさせたみたいな#3、ノスタルジックなメロが胸を打つ#5・10、ジャジーな序盤とパンキッシュなサビのコントラストに美しさすら感じる#6辺りが特にお気に入り。シークレットトラック扱いになっているディズニーのカバー曲も良い出来。
 BGM的に聴き流すこともできますが、じっくり聴くとなると結構人を選ぶ作品。ACIDMAN辺りが好きな人は気に入るかと(2011.4.12)







quake and brook 2nd Album

01.coral reef
02.my world
03.from resonance
04.M.I.Y.A.
05.night light
06.forget me nots
07.violent penetration
08.higher
09.quake and brook
10.real man's back


 前作のように各曲ごとの個性が際立ってはいませんが、反面一枚通して流れるように聴き通せてしまう出来に。そして何より、更に洗練されている。
 1曲目を再生した瞬間から鼓膜を右から左へ吹き抜ける、爽やかな初夏の風のようなアンサンブル。各パートの音量が均等になったことでリズム隊、特にベースの素晴らしさを再確認。
 爽やかな疾走感が気持ち良すぎてドライブしたくなる#1、バカンス最終日の淋しさにも似た(自分はそんな体験ないけど)雰囲気が印象的な#9、ファンクナンバー#10辺りが特にお気に入り。
 前作に続き傑作ですねこれも(2011.4.14)







alfred and cavity 3rd Album

01.72
02.Still awake
03.SOMETIMES
04.the same old song
05.headlight is destroyed
06.Circles and Lines
07.led
08.Stanley
09.stereo
10.beautiful vanity
11.Can't remember
12.KATANA


 彼らの卓越したテクを存分に見せ付けた作品に。似てるようで全然違うリズムやリフ、メロディパターンの豊富さもさることながら、特にツインギターの絡みが半端ない。
 正確には見せ付けたというか、必要に応じて弾いてるって感じだけど。外部の音を入れたり、機材などを基本的に一切変えないバンドだから。
 どちらかというとストイックに分類されるであろう彼らのスタンスですが、#12のアウトロで見せるような遊び心を持っているのもいい。
 多彩なジャンルに精通しているほど楽しめる音楽、という印象は相変わらず。自分にとってはまだまだ知識が浅いってことを正面から突きつけられた感じなんですが、頭をカラッポにして単純に気持ち良くなれる音だなー、という感想も今まで同様に浮かんでくるのも事実。
 つまり、どいつもこいつも一度は聴いといた方がいいです(爆)好みに合わない、ってのはあるかも知れないけど、嫌いっていう感想を抱く人はほぼいないんじゃないでしょうか(2011.4.16)







Adze of penguin 4th Album

01.enter
02.Falling
03.I love you Wasted Junks & Greens
04.Cosmic Shoes
05.Bacon and eggs
06.Malibu
07.Moonlight Stepper
08.pieces of yesterday
09.July
10.Waiting


 今までよりもグッとシンプルさを意識したような音に。それでも並のバンドとは比較にならないレベルの細かいフレージングを所々で盛り込んだりしてますが。
 また、実際のBPM以上に速く聴こえるような曲も減り、落ち着きのある印象を受けました。太い音したベースが一層心地良く響く響く。何というか、リラックスしながらジャムって出来た音をそのままCDにパッケージングしたような感じ。
 それなのに、ここに来てほんの少しずつとっつきにくさが出てきた感があるので、彼らの音に初めて触れてみようとしている方は今までの三作をお勧めします。クオリティ自体は高すぎてもはや言うことはありません(2011.4.18)







Scent of August 5th Album

01.photograph
02.Game, Mom, Erase, Fuck, Sleep
03.AG (skit)
04.light in the city
05.Azure
06.FUCK THEM ALL
07.Source K(skit)
08.Taipei
09.bind
10.Rays of Gravity
11.Karma Picnic
12.WHITE
13.1000 light years
14.Stay Up Late


 初期の楽曲であったような、様々なテイストを盛り込んできた作品ですね。
 よく聴くとめっちゃえげつない切り込み・切り返しをガンガン突っ込んでくる#2、ポストロック的な空間美とダイナミズムに満ちた音の洪水が鳥肌が立つほど美しい#3〜4の流れ、改造コードで作ったパワプロのチート投手での投球術みたいな#6、ストレートでアッパーなギターロック……になる訳もない#10、バンドサウンドでサルサを体現したみたいな#11、後半の躍動感が最高に心地良いバラード曲#12など、変幻自在でクール&クレバーな楽曲が次々と通り抜けていく。
 共通した特徴を見出すならば、異国の風を感じる#8、体がガンガンに揺れるサビメロが絶品な#9などに代表されるように、どの曲を切り取ってもメロが結構立ってることでしょうか。
 また今作『光』をテーマにした詞が多いのも特徴。普段から闇を背負ってるタイプのバンドではないから、急に明るくなったとか光を渇望してるとかそういう類ではなく、もっとポジティブで爽やかな印象。
 Augustと銘打たれてはいるものの、オールシーズンに対応した一枚。今まで通りドライブやサイクリングのお供でも、部屋のBGMでも、楽器演奏の向上心を掻き立てるでも、じっくり聴き込んでアンサンブルに浸るでも、お好きな使い方をどうぞ。今回も紛うことなき名盤でした(2011.4.20)







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