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THEE MICHELLE GUN ELEPHANT



1st Album cult grass stars 1996年 ★★★★
2nd Album High Time 1996年 ★★★★
3rd Album Chicken Zombies 1997年 ★★★
4th Album ギヤ・ブルーズ 1998年 ★★★★★
5th Album カサノバ・スネイク 2000年 ★★★★★
6th Album ロデオ・タンデム・ビート・スペクター 2001年 ★★★
7th Album SABRINA HEAVEN 2003年 ★★★★★
8th Album SABRINA NO HEAVEN 2003年 ★★★★








cult grass stars 1st Album

01.トカゲ
02.strawberry garden
03.キング
04.世界の終わり
05.toy
06.ブラック・タンバリン
07.I was walkin'&sleepin'
08.Dallas fried chicken
09.アンクルサムへの手紙
10.スーサイド・モーニング
11.いじけるなベイベー
12.眠らなきゃ
13.remember Amsterdam


 ブランキーの感想書いたなら、こちらも書かなきゃいけないだろという勝手な使命感があるので、書かせて頂きます。ブランキー同様、あまり熱心なファンではない+解散後に聴いた後追い状態です。
 この系統の音はあまり掘り下げていないので、ルーツ云々はよく分からないんですが、とにかくロックンロールしてます(笑)硬派でカッチリした音。絡み付くカッティングギターもこの頃から。しかし後の作品よりも音が少し細めで、明るめかつ軽快さすら感じさせるのが特徴的。
 ベストトラックは#4。個人的にはこのバンドの歌詞にあまり意味を見出せないんですが、この曲はいい。いい意味で具体的ではない終わりのシーンが脳内に浮かんでくるんですよ。アウトロもカッコいいし、言うことなしの曲。
 インスト曲の#13もカッコいい。「ミッシェルってワンパターンな曲しか出来ないんでしょ?」とお思いな人の鼻孔をおっ広げてしまいますよこいつは。1stにしてこんな曲が出来るとは。
 チバユウスケの声で見落としがちですが、意外とメロディも立っていて、聴き辛いってことはないんですよね。入門には他のアルバムがいいですが、とにかく最近のもやしなバンド(特定のバンドを揶揄する意図はありません)に辟易してる人にはお勧め。それにしてもつくづく惜しいギタリストを亡くしたもんです(2012.2.2)







High Time 2nd Album

01.brand new stone
02.リリィ
03.恋をしようよ
04.sweet MONACO
05.シャンデリヤ
06.blue nylon shirts
07.bowling machine
08.笑うしかない
09.flash silver bus
10.キャンディ・ハウス
11.スロー
12.Baby,please go home~wave'33


 1stよりも従来の彼らのイメージに近付いている印象。すいません、それ以外特に言うことはありません(苦笑)
 個人的ベストトラックは、アベフトシの得意技が冴え渡る#5。ベースも動きまくっててカッコいいぞ!
 あとは「ありふれたビールスで皮をはがされにゆこう」という歌詞がインパクト大な#1、オーソドックスなロックンロール#10もいい。
 また、ボウリング場のSEをバックにしたインスト曲の#7はネタ要素抜きにしてもカッコいい。セッションと言うよりこれは各楽器のスリリングな駆け引き。このバンドのインスト曲もハズレがないよなそういえば。しかし#12はいくらなんでもアウトロが長すぎてダレる。
 初期の作品は1stかこれか、どちらかのみでもOKではないかと思います。熱心なファンなら両方、いや全部聴けや!って言うと思うんですが。個人的にはこちらがお勧めですが(2012.2.3)







Chicken Zombies 3rd Album

01.ロシアン・ハスキー
02.ハイ!チャイナ!
03.マングース
04.ゲット・アップ・ルーシー
05.バードメン
06.ブギー
07.アイブ・ネバー・ビーン・ユー(Jesus Time)
08.COW 5
09.カルチャー
10.サニー・サイド・リバー
11.ブロンズ・マスター
12.ロマンチック
13.アイブ・ネバー・ビーン・ユー(King Time)


 ここからがミッシェルのパブリックイメージですかね。曲名もカタカナ表記率がグッと増えたし(笑)
 しかし個人的にはあまり好きではない作品。出来が悪い訳ではないんですが、次のアルバム以降と比較すると音圧やヴォーカルの勢いが物足りなく感じてしまうんですよ。その分、#6で見せるほんのり切なめなメロディセンスや、#7・13のようなインタールードの飛び道具も活きたりしているんですけどね。
 #2が一番好きですね。言葉遊びに皮肉ではなく失笑してしまう歌詞、間奏やアウトロでの、ハーモニカまで加わったグチャグチャ酔いどれ感が個人的にツボった。また西部劇テイストの渋味を見せるインスト#8は何回も聴きたいとは思わないんですが、アルバムのアクセントとしては非常に有用。
 中途半端ではなく、過渡期という表現がしっくり来る一枚ですね(2012.2.4)







ギヤ・ブルーズ 4th Album

01.ウエスト・キャバレー・ドライブ
02.スモーキン・ビリー
03.サタニック・ブン・ブン・ヘッド
04.ドッグ・ウェイ
05.フリー・デビル・ジャム
06.キラー・ビーチ
07.ブライアン・ダウン
08.ホテル・ブロンコ
09.ギヴ・ザ・ガロン
10.G.W.D
11.アッシュ
12.ソウル・ワープ
13.ボイルド・オイル
14.ダニー・ゴー


 真っ黒な背景に、シャツまで黒のモッズスーツ+白ネクタイにサングラスという出で立ちで並ぶ4人。もうジャケットからしてカッコ良すぎじゃないですか。
 ド頭からベースがブンブン唸り、シンプルな骨太リフが牽引していく。男らしいタフさと渋みを帯びたアンサンブルがもう最高なんですよ。
 前述した#1。間奏が2度用意されている展開がいいし、最後が段々と絶叫気味になっていくヴォーカルにも痺れる。
 続く#2。「愛と!言う!憎悪!イエェェェェイ!!」がやたら耳に残る。カッコ良すぎ。語彙に乏しくてすいません。でもいいんだよ! ロックはカッコいいかカッコ悪いかなんだよ! #3にしても、曲名を連呼するだけなのに何でこんな様になってるんだ。
 狂気じみたテンションで走り抜けていく#5、息抜きポジションとも言える、結構ポップな#6もいいですね。このジャリジャリ感。こういう前々からの良さを殺していないのもポイント高し。
 #7では「ガチガチの縦ノリだけじゃねぇんだぜ」という演奏隊の不敵な笑みが見えてきそう。退廃的なムードを醸し出しながらも、攻撃的なテンションを維持したまま攻め寄せてくる#11もいい。
 洗練されていくのではなく、荒削りのまま進化していくというスタイルが、その辺のロックバンドと大きく異なるポイントですね。
『カッコいい』の一言で足りるくらいの(=自分の語彙ではそれぐらいしか浮かばない)これはもう文句なしに名盤でしょう。90年代の日本製ロックを語るなら外せない、と断言できるくらい(2012.2.9)







カサノバ・スネイク 5th Album

01.デッド・スター・エンド
02.コブラ
03.ヤング・ジャガー
04.プラズマ・ダイブ
05.リボルバー・ジャンキーズ
06.ダスト・バニー・ライド・オン
07.裸の太陽
08.ラプソディー
09.夜明けのボギー
10.シルク
11.ピンヘッド・クランベリー・ダンス
12.アンジー・モーテル
13.GT400
14.ピストル・ディスコ
15.ドロップ


 前作のヘヴィさが少し薄れ、初期のような雰囲気が戻ってます。こっちの方が断然カッコいいと思います。
 序盤〜中盤は似たような曲がズラリと並びますが、後半からは演奏面で色々なアプローチをかけてアクセントをつけてきている。そんな中でも狂騒的なテンションで突っ走る#14、荒々しすぎるミディアムバラード(でいいのか?)#15が特にお気に入り。
 前半の曲では、叩き付けるような歌の#1・2、単細胞で分っかりやすい#5、他にも#7は歌謡曲臭いメロが耳に残りはする。
 果たして15曲61分も必要なのだろうかと思いもしますが、出来自体はいいのでは(2012.2.10)







ロデオ・タンデム・ビート・スペクター 6th Album

01.シトロエンの孤独
02.アリゲーター・ナイト
03.暴かれた世界
04.ゴッド・ジャズ・タイム
05.ベイビー・スターダスト
06.リタ
07.ビート・スペクター・ブキャナン
08.ターキー
09.ブレーキはずれた俺の心臓
10.マーガレット
11.バード・ランド・シンディー
12.ビート・スペクター・ガルシア
13.赤毛のケリー


 ギターを重くさせすぎず、ベースが目立つ音作りに。
 何かもうこの辺りまで来ると、自分程度のリスナーではあまり大きな区別がつけられなくなってくる(爆)こういうバンドにとっては褒め言葉だと思うし、自分もそのつもりで書いてます。職人的に一つの道を極めようとしてるというか。
 とりあえず#13は文句のつけようがないくらいカッコいい。シャープな音に痺れっ放し。#1も、ポエトリーディング風に歌うチバのしゃがれ声が曲のカッコ良さに箔をつけてくれる。歌詞も何だか知らないけど物凄い。あと印象に残ったのは、ベースが気持ちよくブリブリするダンサブルな#2ぐらいか。
 他のアルバムほど曲の個性が際立ってはいないので、絶対に聴け!って言えるほど勧められるアルバムではないですね(2012.2.13)







SABRINA HEAVEN 7th Album

01.ブラック・ラブ・ホール
02.太陽をつかんでしまった
03.ヴェルヴェット
04.メタリック
05.ブラッディー・パンキー・ビキニ
06.マリアと犬の夜
07.ジプシー・サンディー
08.マリオン
09.サンダーバード・ヒルズ
10.NIGHT IS OVER


 円熟期って感じですね。これまでとはちょっと異なる雰囲気。大雑把に言えば、盟友のブランキーにやや影響受けてる感じ? #9辺りに顕著。歌詞の面でも若干それが見受けられる。
 この変化を悪影響と見るリスナーもいるそうですが、個人的にはアリ、というかいい傾向とすら感じました。変わりすぎて、ミッシェルらしさが死んだ訳ではないし。
 初期と比較すると、精神状態がポジからネガに変わっているのも興味深い。昔は明るく世界の終わりを迎えようとしてるのに、この時は虚無感すら覚えるような内容なんですよ。
 ジャケットが、このアルバムの世界観をよく表していると思います。だからジャケットに何か惹かれるものを感じるなら聴いてみるといいのでは。これぞジャケ買い。いやジャケ借りでも何でもいいと思いますが(2012.2.15)







SABRINA NO HEAVEN 8th Album

01.チェルシー
02.ミッドナイト・クラクション・ベイビー
03.デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ
04.水色の水
05.PINK
06.夜が終わる


 前作と対をなす、最後のオリジナルアルバム。チバユウスケ曰く「ミニアルバムと思っていない」らしいので、オリジナルアルバムと表記させて頂きます。
 Noじゃない方と比べると、こちらは従来のイメージに近い。特にMステにて伝説を残した#2は、音源越しでもライヴ感が伝わってくる圧倒的なパワーを内包。しかし#6だけは毛色が異なっており、NIGHT IS OVERをもっとシンプルにピアノアレンジした内容なんですが、こちらの方がより虚無感が強く出ている。
 ちなみにこちらも、多少ブランキーの影響が見受けられたり。#4のタイトルは『円を描く時』の一節を彷彿とさせたりも。
 もちろん演奏はカッコいいんですけど、個人的な今作の位置付けは、チバユウスケの歌声を堪能する作品なんですね。音のヘヴィさが抜けて、彼の声のしゃがれ具合が増しているから、どうもそういう風に聴いてしまうようです。なので演奏よりも歌声に痺れたい、って人向けと言っておきます。
 もう再結成は永遠に訪れませんが、最後の最後までカッコいいミッシェルを貫いてくれたことにただただ感謝(2012.2.16)







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