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the pillows



16th Album OOPARTS 2009年 ★★★★
17th Album HORN AGAIN 2011年 ★★★★
18th Album トライアル 2012年 ★★★★★









OOPARTS 16th Album

01.Dance with God
02.YOUR ORDER
03.メロディー
04.Lemon Drops
05.FOXES
06.Beyond the moon
07.ジョニー・ストロボ
08.雨上がりに見た幻
09.LIFE SIZE LIFE(The bag is small,and I don't enter)
10.Primer Beat


 結成20周年目のアルバムは彼らの王道とも言える、ひねくれながらもポップさを兼ね備えたオルタナ路線。もうベテランなのに、アルバムから溢れ出すようなこの若々しさは何なんだろう(笑)
 相変わらず所々自虐的だったり、他者に攻撃的な一面を見せたりもしてますが、昔とは状況が違うから受ける印象が違ってくるのがポイントですかね。
 いい意味で未だ『迷走中』な彼らの状況を楽しめる作品。外部から新規リスナーを呼び込むというより内輪受けの方が良さそう。







HORN AGAIN 17th Album

01.Limp tomorrow
02.Give me up!
03.Movement
04.Lily, my sun
05.Biography
06.Sad Fad Love
07.Nobody knows what blooms
08.EMERALD CITY
09.Brilliant Crown
10.Doggie Howl


 avexに移籍してからの作品の中では一番ロックしてるんじゃないかと。1小節を同音階の八分音符8つで埋めるような、8ビートのシンプルなヤツを。「俺達こんなにロック出来るんだぜ」的な肩肘張ったものでもなく、リラックスしてやってる感じのを。
 「つつつつくんだ」「たた畳むんだ」の#1、盛者必衰の理を地で行く叙情バラード#9みたいなのもありますが、総体的に聴くとメロに分かりやすいフックがないので、元からのファン以外のポップスリスナーが聴くにはちょっととっつきにくさを感じるかな。
 「こんな俺なんか」恋愛ソング#4、生粋の捻くれじみたマイペースさを弱さを交えて綴る#5のように、変わらずにいるアイデンティティーも健在。いい意味で安定してて、安心して聴けた一枚でした(2011.3.24)







トライアル 18th Album

01.Revival
02.Rescue
03.Comic Sonic
04.Flashback Story
05.エネルギヤ
06.ポラリスの輝き 拾わなかった夢現
07.Minority Whisper
08.持ち主のないギター
09.トライアル
10.Ready Steady Go!


 メロの立ち具合・ロック色共に強いです、今回。単純にカッコいいですよ。#1のドライブ感にせよ、#3のイントロの刻み方にせよ、きたあああああって言いたくなる。#4では自分達のルーツに関わるような音を鳴らしたりも。こういうロックロックした感じで勝負してくると、キャリアの割に演奏は物足りないとか思ったりもするんですが(笑)まあいいでしょう。
 そしてメロ。#2の「なーなーななーなーなななー」という柔らかい合いの手、#6のイントロで聴けるギターなどのように、キュートさを内包した感じが心地よい。別に今までとは違ったメロディラインに挑戦したとかはなく、pillowsらしい感じです。
 歌詞ですが、一部の曲で再び内向的になった感が。#8で「忘れたはずの歌 蘇って」と歌ってるくらいですから。しかしファンには受け入れやすく「帰ってきたああああ」みたいな感覚ではないでしょうか。「キミは誰かのものになったけど 今も僕を動かすエネルギー 永久に」なんて歌う#5、ネガティブワードに主人公が心地よく抱きしめられる#6辺りはファンなら高確率で、胸の奥にしまった陰の部分を柔らかくつっつかれるのでは。
 それだけで終わらず、クライマックスではポジティブに転換するから、決して暗い作品ではない、爽やかな余韻が残りましたね。Black Sheepの後のLittle Bustersみたいな。
 今回はその、#8〜10の流れが最高に良かったです。ミディアムバラードの#8は、歌詞中でもあるように、段々と夜が明けていくように音が開けていく展開がいい。しかし決して望んでいる訳ではないという対比。
 #9は奇をてらった要素が一切ないストレートド真ん中なんですが、だからこそカッコいいし、ダイレクトに心に響く。ちなみにこの曲だと夜明け=スタート地点になり、闇=絶望感と、定義付けが正反対になっているのが面白い。
 #10は前曲の余韻を引きずったイントロから突然仕切り直される、陽気でアッパーな曲。Primer Beatみたいなもんですね。
 そういえば今作の英語詞はどれもポジティブな気が。日本語でダイレクトで言うのが恥ずかしいとか?ツンデレ? それはともかく、今回は新規リスナーにもわりかしとっつきやすく、かつ今までのファンも心地良くなる内輪な雰囲気もあり、演奏面もちょっと冒険してるから、広く納得されそう。お勧めです(2012.2.7)







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