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the Sea and Cake


3rd Album The Biz 1995年 ★★★★
4th Album The Fawn 1997年 ★★★★★
5th Album Oui 2000年 ★★★★★
6th Album One Bedroom 2003年 ★★★★★
7th Album Everybody 2007年 ★★★★
8th Album Car Alarm 2008年 ★★★★








The Biz 3rd Album

01.The Biz
02.Leeora
03.The Kiss
04.Station In The Valley
05.Darkest Night
06.Sending
07.Escort
08.An Assassin
09.The Transaction
10.For Minor Sky


 シカゴ産のポップ・ロックバンド・海とケーキさんのアルバム。
『ジャズからの影響が顕著』と聞きましたが、個人的にはボサノヴァから影響を受けていそうな印象を受けました。リフを中心に組み立てた、繊細で心地良い音楽です。早い話がオシャレなカフェのBGMみたいで「センスのいい俺かっけえええええ」をするには最適なバンドと言えるでしょう。
 自分がこのバンドを聴いたのは、ポストロックの括りに入れられていたからですが、そんなにポストロック要素が強い訳ではありません。単純なポップさに終わらない所や、インストパートが長めだったり、ギターにノイズ噛ませたりしてくる部分にそういった音楽性を覗かせてはいますが、どちらかと言えば歌モノ色の方が強い。
 歌詞もじっくり読むと、いい意味で少し概念的で、詞的な表現がいい味出してます。陰鬱とはまた違ったブルーな感情が胸に広がっていくかのよう。とても楽曲とマッチしていますね。ちなみに歌はそんな上手くないです(笑)シャウトもしょぼい。
 このバンド、ACIDMANとかが好きな人にオススメです。ポストロック主体ではなく、それを補助的に用いてくるスタンスも似通ってますよね(2013.6.26)






The Fawn 4th Album

01.Sporting Life
02.The Argument
03.The Fawn
04.The Ravine
05.Rossignol
06.There You Are
07.Civilise
08.Bird And Flag
09.Black Tree In The Bee Yard
10.Do Now Fairly Well


 ちょっとだけ、ほんのちょっとエレクトロニカ要素を取り入れつつも、彼らのスタイルは崩さずに歌や生演奏を大事にしているアルバムに仕上がっています。このバランスの良さ、音符の一つ一つを大切に鳴らしているプレイが、更なる聴き心地の良さを生み出していますね。歌詞の傾向が変わっていないのも、温かみのあるアコギが更に優しさを増しているのも良い。
 序盤の、海岸の見えるカフェでお茶しながら聴いたら絶頂を迎えてしまいそうなくらいサラサラと流れていく曲達は心地良いですし、ちょっと鬱々としたインスト#9から、#10へと繋がり、淡々としながらも感情が籠っていくという展開は何度聴いても素晴らしいですね。バンドの地力みたいなものも垣間見えますし。ゆるそうで実際は相当ストイックな音作り。そりゃインストパートも多いっちゅう話ですよ。
 ……にしても、やっぱりそんなにジャズっぽくはないよなと。別にそこが減点対象にはなりませんけど(2013.6.27)






Oui 5th Album

01.Afternoon Speaker
02.All The Photos
03.You Beautiful Bastard
04.The Colony Room
05.The Leaf
06.Everyday
07.Two Dolphins
08.Midtown
09.Seemingly
10.I Missed The Glance


 プリントTシャツみたいなアートワークスがオシャレな、5枚目のアルバム。
 1曲目からネオアコみたいな明るいサウンドが飛び出してきて、ちょっと驚きました。しかも後半では変態的フレーズを鳴らすシンセまで登場。ネオアコとエレクトロニカのハイブリッド。
 通してネオアコっぽいかと言われるとそうでもなく、段々といつもの彼ららしいサウンドへと落ち着いていったりするんですが、音符の数と躍動感が、これまでの作品よりも1.2倍くらい増えている感じです。音の抜けも更に良くなっているので、全く聴き辛さがないどころか、むしろトリップ度が増してます。強弱のつけ方が一層キレイに聴こえる。良いスピーカーを使えば使うほど、素晴らしい音響で楽しめるでしょう。
 そしてジャズっぽいと言われてるのがようやく腑に落ちてきました。#5の後半で聴けるドラムとかがまさにジャズな鳴らし方。更にベースラインも、ランニングを変化させたようなスタイルが多めなので、確かにそれらしい。まんまやるのではなく、自分達なりに落とし込んでからプレイするのが上手いですね。
 歌もとても良くなってます。曲に合わせた歌唱が、ここに来てついにピタっとハマったように聴こえるんですよね。ちなみに歌詞の方はそんなにポップになったという印象は受けませんでした。
 渋谷系が好きな人にいいかも……と言おうと思ったんですが、実際渋谷系が好きな人に聴いてもらったらそこまで色よい反応が返って来なかったので、ちょっと違うかもしれません。超オシャレな音楽が好きな人にオススメと言い直しましょうか(2013.6.28)






One Bedroom 6th Album

01.Four Corners
02.Left Side Clouded
03.Hotel Tell
04.Le Baron
05.Shoulder Length
06.One Bedroom
07.Interiors
08.Mr. F
09.Try Nothing
10.Sound & Vision


 プリントTシャツみたい(ry 6枚目のアルバム。
 大まかな印象としては、前作の路線を継承しつつ、遂にポストロックへと本格的に深く切り込んできた感じです。#3・10なんてちょっとMice Paradeみたいな曲調になったりしますし。
 #4・5では『踊れる』要素も提示してきたりと、カフェからクラブに活動領域を拡大しているかのよう。下北沢から渋谷に行っちゃうような感じですかね? 音楽的には器用にこなしておりまして、気持ちよく聴けます。あくまで音数はシンプルにというスタンスを崩していないのが良いですよね。
 自分的には全く気にならない変化ですが、初期の路線が好きな方とかはどう思うんでしょう?(2013.6.29)






Everybody 7th Album

01.Up On Crutches
02.Too Strong
03.Crossing Line
04.Middlenight
05.Coconut
06.Exact To Me
07.Lighting
08.Introducing
09.Left On
10.Transparent


 4年間の活動休止期間を経た、久々のアルバム……なんですけど、日本での知名度が多分皆無に等しいから、あまり関係ないか。
 歌を大切にしながらも初期の路線へと回帰しつつありますが、単なる懐古に終わらず新しい試みも取り入れていて、停滞感はありません。マイペースにやってるんだなというのが伝わってくるようですね。
 例えば、彼らはあまり音を作らないギターをウリにしていますが、#3・9では歪みを効かせたり、#6では流麗なメロディラインを聴かせつつも、細かいギターリフを弾いてみせたり。
 この安定した円熟味ゆえに、このバンドの作品を聴いたことがない人がまずこれに手を出したら、普通すぎてそのまま流してしまうかも。なので他の作品から聴いた方がいいでしょうね(2013.6.30)






Car Alarm 8th Album

01.Aerial
02.A Fuller Moon
03.On a Letter
04.CMS Sequence
05.Car Alarm
06.Weekend
07.New Schools
08.Window Sills
09.Down In the City
10.Pages
11.The Staircase
12.Mirrors


 何かUKっぽい雰囲気を纏った、普通のポップロックみたいになった感が。ビートをハッキリさせてるからそう聴こえるのかも。
 とはいえ、彼らのカラーが損なわれてはいないので(似たようなことを何回も言って申し訳ないですが)きちんと海とケーキさんの新作と認識して聴くことができます。中でも、ちょっと変わったコード進行を流れるように聴かせる#2は良いですね。一発で気に入りました。
 エレクトロポップに近接した#6も、いい意味でお手軽に嗜める曲。Hot Chipサカナクションが好きな方にはいいのではないでしょうか。
 好きっちゃ好きだし、いいアルバムなんですけど、どうもガツンと来る一発がないというか。他のアルバムよりも、インストパートがちょっと弱い気がします。フックが欲しいなーと(2013.7.1)






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