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Tool


1st MiniAlbum Opiate 1992年 ★★★★
1st Album Undertow 1993年 ★★★
2nd Album AEnima 1996年 ★★★★★
3rd Album Lateralus 2002年 ★★★★★
4th Album 10,000 days 2006年 ★★★★








Opiate 1st MiniAlbum

01.Sweat
02.Hush
03.Part Of Me
04.Cold And Ugly (Live)
05.Jerk-off (Live)
06.Opiate


 1曲目から早速ヘヴィでひねくれたリフがお出迎え。アメリカンなハードロックを捻ったようなバンドサウンドですね。後の楽曲とは比べ物にならないくらいコンパクトにまとまっているので、あっさり聴けるのも特徴。
 プログレ要素のあるバンドはヴォーカルが疎かにされがちですが、このバンドはヴォーカルもハイレベル。#5・6で飛び出すロングシャウトは物凄い迫力。
 ちなみに、演奏に反して歌詞は基本的にシンプルで、難解な単語を用いていないので訳しやすいです。#3の歌詞は微妙に『寄生獣』を思い出すな。神への身勝手さと客観的な皮肉が入り混じったような#6も面白い。
 後の作品から入った人には少し物足りなく感じるかも知れませんね。彼らの原点を知ってみたい、という人にお勧め(2011.1.19)







Undertow 1st Album

01.Intolerance
02.Prison Sex
03.Sober
04.Bottom
05.Crawl Away
06.Swamp Song
07.Undertow
08.4°
09.Flood
10.Disgustipated


 前作の骨組みへ肉付けした、ダークなプログレッシヴメタル。黒く濁った川の水が時に流れを変え、水位を変えて押し寄せてくるような感覚。確かにプログレらしく変則的ですが、あからさまに技巧をひけらかしたりはせず、チームワークで勝負するタイプ。
 なだけあって、アンサンブルは後の作品に比べると少し粗いものの、この時点でもかなり洗練されており、貫禄さえ感じさせる重厚さ。
 歌詞も、なんか一気に単語のチョイスが難しくなったような。あまり抽象的なシチュエーションではなく、はっきり突きつけてくるような描写が多めだからまだ伝わりやすいですけど。
 数百万枚の大ヒットを飛ばしたらしいですが、納得できる部分もありますね。ダークでひねてる割に意外とポップなんですよね。歌だけ切り取ると案外聴きやすかったりするし。
 でもこれは日本人のヒットチャートリスナー向けではないな。この系統の音に少しでも慣れ親しんでないと、どれも同じかったるい曲にしか聴こえない恐れが。Dir en greyのUROBOROSが好きな人にはお勧め(2011.1.20)







AEnima 2nd Album

01.Stinkfist
02.Eulogy
03.H.
04.Useful Idiot
05.Forty Six And 2
06.Message To Harry Manback
07.Hooker With A Penis
08.Intermission
09.Jimmy
10.Die Eier Von Satan
11.Pushit
12.Cesaro Summability
13.Aenima
14.(-) Ions
15.Third Eye


 アルバム名はAnimaとEnemaを合わせた造語という説が有力ですが、それに違わぬえげつなさ、グロさ、それらを摘出器具として人間の本質を抉り出すかのようなアルバムに仕上がっています。聴いていてなんだか、サスペンスホラーを観ている時と同じような体温の下がり方をしてしまいますね。
 今までの音楽性を踏襲しつつパワーアップした感じ。予測不可能な後半の展開が面白い#5、邪悪な突進力が全てを駆逐する#7、#11では今まであまりやらなかった速弾きも積極的に行うように。
 また#1・2のように邪悪なレイジザアゲインストマシーンみたいな音もあって面白い。ヴォーカルが少しラップぽさを取り入れたり、演奏もグルーヴを意識+エフェクター多用+スクラッチを入れたりもしているからか。またインターミッションでイタリア語やドイツ語が使われていたりと、多国籍な要素も。
 ヴォーカル・演奏・歌詞・フレージング、どれも素晴らしいですが、その中でも特に抜けているのがアレンジの良さ。この絶妙のアレンジが作品の完成度を更に高めていますね。出しゃばりすぎず、無駄も一切なく曲を削り上げている。
 この作品も数百万枚のセールスを記録したらしい。もう一つの世界規模カルト宗教みたいなもんだな(2011.1.21)







Lateralus 3rd Album

01.The Grudge
02.Eon Blue Apocalypse
03.The Patient
04.Mantra
05.Schism
06.Parabol
07.Parabola
08.Ticks & Leeches
09.Lateralis
10.Disposition
11.Reflection
12.Triad
13.Faaip De Oiad


 儀式的な香りのする怪しげなアンサンブルが、手招きする闇に誘われるような音を紡ぎ出す3rdアルバム。
 今回はドラムがより目立っており、正確無比なのはもちろんのこと、セットを120%使いこなす叩き方で独特の暗黒グルーヴの根幹を成す素晴らしい仕事をしている。分かりやすい派手さはないけど、本当に病み付きになるフレーズを叩くんですよね。
 遅効性の毒のようにじわじわ鼓膜から体内を侵食し、効いてきます。中毒性は抜群ですね。特に#5や、妙なポップさを感じる#7、アジアの密教的な匂いがする#11辺りが特に効きました。
 各パートの連携の良さは随一。お香を焚きながら聴くとなおトリップできる……でも違法なのはダメ、絶対!(爆)(2011.1.22)







10,000 days 4th Album

01.Vicarious
02.Jambi
03.Wings For Marie (Pt 1)
04.10,000 Days (Wings Pt 2)
05.The Pot
06.Lipan Conjuring
07.Lost Keys (Blame Hofmann)
08.Rosetta Stoned
09.Intension
10.Right In Two
11.Viginti Tres


 前作の路線と、『Opiate』の頃のアメリカンハードロック的な音作りを融合させたような感じですね。そのせいか、捻くれていながらも聴きやすい作り。ドリームシアターとはまた違ったベクトルのギャップ具合。
 前作はドラムが目立ってましたが、今作はベースも各所で主導権を握っている印象。そんなリズム隊が生み出す、暗黒に引きずり込まれるような危なさに、思わず虜になってしまいます。
 組曲形式でドラマ性を持った#3・4(これはVo.の母親が送った闘病生活をテーマにしているとのこと)、終わりそうで終わらない終盤のギターリフが面白い#8辺りが特にお気に入り。
 彼らに触れるなら、聴きやすいこれから入るといいんじゃないでしょうか。ただしメロディの起伏に富んでいる訳ではないので、メロディ派には不向き(2011.1.23)







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