感想・豊崎愛生

1st Album

2011年

★★★★★

love your life,love my life　1st Album

01.Hello Allo
02.春風 SHUN PU
03.Alright
04.何かが空を飛んでくる
05.march
06.Magical Circle
07.パティシエール
08.ぼくを探して
09.カレイドスコープ
10.片想いのテーマ
11.Dill
12.君にありがとう
13.love your life

　放課後ティータイムでは「飛び道具な歌だな」と思い、スフィアでは特に感想を抱くこともなく（爆）、そしてこのソロでは楽曲提供アーティストの豪華さに惹かれて聴いてみることにしました。
　その楽曲ですが、どの曲も実に丁寧。派手さがなく、彼女の森ガールな風貌と実にマッチしたやわらかさと、ほっこりする空気に包まれている。
　ちなみに主な提供者は、つじあやの（#2・10）、谷山浩子（#3）、コトリンゴ（#5）、CHARA（#8）、元JUDY AND MARYのTAKUYA（#9）、クラムボン（#11）、奥華子（#12）、Rie fu（#13）
　あと、近年アイドル系に多く提供している重永亮介も起用（#6）していますが、アルバムに合わせた楽曲を用意しており、浮いているということはありません。
　中でも一番気に入った楽曲は#11。言葉の柔らかさだとか、バックで鳴る音から伝わるクラムボン節に違和感なく溶け込む彼女のヴォーカル、至福という言葉しか出てきません。
　続いて#9。これは彼女のファンよりTAKUYAが好きな人が気に入りそうな楽曲。彼のプレイスタイルである、歌の邪魔をせず、なおかつ主張するエレキがいかんなく発揮されています。
　#2は、歌メロはわりかし普通ですが、アレンジの丁寧さで聴かせる曲。射程距離や奇抜さはないですが、飛び道具的な#7辺りも中々。ここで触れなかった曲も、いずれも良い出来。
　唯一気になったのは、飼い犬にありがとう・ピアノ一本のバラードといった要素がKOKIA先生と被ってる#12。
　しかし突っ込みたいのはそこじゃなくて。フレームワークぐらいで中身は全くの別物ですし。こういうテーマなら、せめて作詞ぐらいは自分でやった方がいいのではってことが言いたかったんです。
　歌は上手くないです（苦笑）が、楽曲に合わせてニュアンスを変えたり、言葉を丁寧に伝えようと心がけている所はいいですね。伸びしろは分かりませんが、技術的にはこれからか。
　同じ声優シンガーで例えるなら、堀江由衣や飯塚雅弓に近い。声質的に似ているのは前者。
『アーティストとして勝負できるアルバム』という評価を結構耳にしますが、個人的にはあまりそうは思えませんでした。総合的なクオリティは高いという部分には同意ですが、今の歌唱力ではまだアーティストというには違うかなって。確かにプロでもアマでも、もっと酷い歌い手はいますけど。
　ということで、敢えて言います。アーティストとして聴いてみて下さい。アーティストとして判断してもらった方がいいと思うんです。ふんわり系ポップスが好きな人なら高確率で気に入るであろう品質は保証できるので（2011.6.28）

雉・ｲｸ