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TRICERATOPS



2nd Album THE GREAT SKELETON'S MUSIC GUIDE BOOK 1998年 ★★★★
5th Album DAWN WORLD 2002年 ★★★★
9th Album MADE IN LOVE 2008年 ★★★★★








THE GREAT SKELETON'S MUSIC GUIDE BOOK 2nd Album

01.PARTY
02.MIRROR
03.GUATEMALA
04.FEVER
05.GREEN
06.GOOD TIMES
07.GOTHIC RING
08.MASCARA&MASCARAS
09.CARAMEL TEA
10.LIP CREAM
11.SHORT HAIR


『踊れるロック』を標榜するスリーピースバンド・トライセラトップスの2ndアルバム。
 演奏面はバッチリ。8ビートが機軸の、どのパートも非常にシンプルなリフ物ギターロックですが、鉄壁の演奏から紡がれるグルーヴは極上。どの曲も拍の強弱がしっかり意識されてます。
 そこに乗っかる、やや陶酔的なメロディラインとで引き起こす化学反応が、自然と体を動かさせる。ヴォーカルの声は独特のクセを含んだ甘さがありますが、発音がはっきりしてるし、声質に反してピッチがしっかりした歌い方をするので聴きやすいのではないかと。一本調子な歌い方もハマっている。
 このように、機械的な正確さとグルーヴィーな部分が融合した音楽性が特徴。ちなみにバンドサウンド以外の、電子音の類は一切使っていません。
 歌詞は、女性をイメージさせる小物をよく登場させながら『僕と君の日常をより良くしていこう』的な世界観で完結している。等身大ではある。ただ個人的な日記みたいな内容で、共感できるかどうかは人によって結構分かれるんじゃないですかね。恋人の有無によらず。
 いい意味で細かいことを考えず、感覚で聴いてノっちゃうのが正しいかな。しかし好みに合わないと、ただ同じような曲が延々と続いてるように聴こえてしまい苦痛かも知れません(実際似通って聴こえることは否定できない)理論を追求するタイプのリスナーには不向き(2012.4.15)







DAWN WORLD 5th Album

01.Fly Away
02.2020
03.Couple Days
04.New Lover
05.Heaven
06.Change Your Life
07.Broken
08.スカルの柄
09.Be My Baby
10.Waiting For You
11.Driver
12.Old Lighter
13.Finally
14.Diamond Girl


 バンドサウンド以外の音も入れたりした反面、『踊れるロック』度が下がっていますね。ほぼメロディ推しの曲も出てきたり。演奏は上手いし、聴かせるメロディを書けるバンドではあるから、この辺は十分アリだと思います。シンプルなアルペジオですら、こんなに味を出せるのは素晴らしい。
 外部音も基本的には添え物で、そこに依存しきってないし。#14なんてもっとバキバキなフロア系にできそうなもんですが、ちゃんとバンドサウンドがぶっとい軸になってるし。ちなみに歌詞はそんなに変化してない。
 また、ヴォーカル以外の2人もそれぞれ1曲ずつ、メインVo.を取る曲があるのも今作の特徴。ベースの人はフジファブリックの後任Vo.みたいな声質で、声を伸ばすとちょっと不安定になりがち。ドラムの人は線が細めで、かなりブレスが混じった歌い方。まあ悪くはないと思います。無味無臭よりはいい。
 着地点としては、線のシンプルさはそのままに色彩を増したアルバム、という所でしょうか。とは言っても、シンプルさに何らかの美学を見出せなければ退屈に聴こえてしまうかも。ちょいと能動性も要求されちゃいますね(2012.4.17)







MADE IN LOVE 9th Album

01.SPACE GROOVE T
02.FUTURE FOLDER
03.PYRAMID CRASH
04.PHOTOGRAPH
05.LOONY'S ANTHEM
06.シラフの月
07.COMIC HEROES
08.FOREVER
09.シリンダーの中の夢
10.MILK&SUGAR
11.SPACE GROOVE U
12.MADE IN LOVE


 既に感想を書いた2作を踏まえた上での感想ですが、ちょうど2作を足して割ったようなバランスのいい仕上がり。バンド全体でのアクセントを意識したサウンドに加え、エフェクターも巧みに用い、スリーピースの特性を殺さぬまま踊れるロックをキャッチーに演出しています。うねりが出てきたというか、横ノリも入れるようになってきたというか。
 その他にも、流麗な歌メロを心地良く聴かせる#6や、ちょっとthe pillowsを彷彿とさせる#7みたいな曲もあったり、曲ごとの識別もつきやすくなってます。
 うねりと言えば、いつの間に、歌にクセがついた気が。『アルバム』を『ウァルバム』、『愛』を『うぁい』と歌い回したり。これはグルーヴィー……なのか?歌唱力が低下した訳ではありませんが。
 エイベックス移籍後、第一弾の作品ということで賛否両論あったらしいですが、個人的にはアリ。元々ポップな要素は多分にあった訳だし、そこまであからさまに商業的な匂いをさせているようにも感じなかったし。そりゃ、例えばアートワークスがメイド服着た女の子が『萌え萌えきゅん(はぁと)』やってるようなのだったら「なん・・だと・・」と思ってましたが。洗練されたトライセラロック、と捉えていいんじゃないでしょうか。
 あとこれは超個人的に感じたことなんですが、何か#5・12辺りの歌詞を見てると、この辺りの和田唱って世の中を悟ってるような気がする(2012.4.18)







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