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トルネード竜巻


1st Album アラートボックス 2004年 ★★★★★








アラートボックス 1st Album

01.低空飛行
02.ブレイド
03.ラジオ
04.恋にことば
05.Mega Bite
06.春風吹いて
07.アトム
08.Wombats
09.クエリー
10.ユウグレデスカ
11.Snowflake
12.Road To Montreux
13.さあゆこう 〜サンクトペテルブルグの赤い風〜
14.ローカルメトロ
15.スタートです


 慶應の音楽サークルで結成された高学歴バンド・トルネード竜巻のファーストフルアルバム。ちなみにこの感想を書いている現在、活動休止中のようです。
 こういう表現を使っていいのか分かりませんが、楽曲からも偏差値の高さが滲み出ていますね。ポップで透明感のある音と歌声はとっつきやすそうに聴こえますが、色々とえげつない部分が。
 まずコード進行の変則性に耳を奪われました。一個一個細かく分解して調べた訳じゃなく、ザックリとしか捉えてませんが、それでも分かるぐらい。
 決して自己満足に終始したような、奇をてらったものだけに終わらず、上質なポップさを意識することを忘れていないんですよね。また、音に透明感があると最初の方で書きましたが、時折シューゲイザーみたいなノイズやフィードバックも噛ませてきます。
 他にも音楽性としてはプログレやファンク、ダンスチューンなどからの影響も聞いて取れるんですが、それらを統合してポップロックにまとめているといった感じ。作曲やアレンジ面だけでなく、演奏でもしっかり表現しきっています。単純に上手い。
 でもバンドやろうとしている人達は、このバンドからコピーしてみようとか考えない方がいいでしょうね。コンピュータ上で作曲覚えたいって人にはいいかもしれませんけど。教材としてはやっぱり捻くれてるんですが、型にハマらない術を学ぶにはいいかも。
 普通というか、常識的な範囲内に収まっているのは歌詞ぐらいではないでしょうか。分かりやすい表現を使って書かれていますからね。ちょっと奥井亜紀や岡崎律子に似てるお上品なヴォーカルの声も、品性を上げるのに一役買ってます。
 盛り込んでいるジャンルの性質上、対象年齢がちょっと高めの音楽ですが、ビーイング系などの事務的で真面目な音楽が好きなリスナーとは相性が悪いかもしれません。逆にクラムボンschool food punishment辺りが好きな人にオススメ。かなり自分のツボを突いた音楽でした。えげつないけど、何回でも聴ける軽快さと透明感がもたらす中毒性がたまらない。
 ついでだから言っちゃうと、バンド名から受けたイメージと全然違いました。エモとかハードコアみたいなのをイメージしてたのに(2013.5.3)






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